空前絶後の…タイの日本ブーム♡ いったいなぜ?



近年、日本を観光する外国人の数が急増しています (東京五輪の効果もあるのでしょう)。中でも、東南アジア (タイ) からの観光客が増えてきているのです。

きっかけは2013年夏にタイ人観光客への短期滞在ビザが免除されたこと。これにより、年間100万人に迫る勢いでタイ人が日本に訪れてくれているのです。ありがたいですね〜。

 

ちなみに (余談ではありますが)、タイからの来訪者数が最も少なかった都道府県は沖縄らしいです。タイ人にとって沖縄はなぜか不人気のようです。おそらく、タイ自体がリゾート地で暖かいため同種のリゾート地には興味がないのでしょうねー。

さて、そんなタイは親日国として知られていますよね。でも・・・残念ながら戦後の1950〜1960年代頃は反日国家でした。

 

どうして、反日から親日に転じたのでしょうか?それにはアニメ・漫画・映画・ドラマ・音楽などの日本文化が強く影響しています。

もちろん、最初はかなりの反発を受けたのですが、それでも日本人は怒らず、企業進出などでタイ人との接触を辛抱強く続けた結果、次第に親日へと変わっていったというのです。

 

現在、日本とタイの間にはかなりの友好的な関係が続いているのですが、一部では、おそらく皆さんが思っている以上の親日っぷりが存在しています。

そこで今回は、そんな親日っぷりがよくわかる空前絶後の「日本ブーム」についていくつか紹介しておきましょう。

 

 

 

一途なタイのジャニーズファン ♡

 

2017年6月、日本ブームが続いているタイにおいて、日本のドラマをPRするイベント「Jシリーズ・フェスティバル in Thailand」が開催されました。

日本のジャニヲタさながらに、現地のジャニーズファンが盛り上がりをみせる一方で、日本のエンターテイメントを受け入れるタイ人には複雑な思いもあるようです (その辺の事情は後ほど)。

 

まず、タイでは思いのほかジャニーズ人気が高いようです (最盛期からすると低迷した…かのようにも思えていたのですが、地道なPR活動が功を奏しているのでしょうねー)。お揃いのTシャツや似顔絵が書かれたうちわや横断幕を用意し、恒例のイベントを楽しむ姿がそこにはありました。

日本食や日本車など、多くのタイ人は “日本製” に囲まれて生活をしていますが、日本のエンターテイメントを楽しむ機会は実は少ないのです。なので、ジャパン・エキスポ」などの日本関連イベントはタイ人にとってトップイベントなんです。

 

タイ人は (日本人よりも) 一途なので、一度好きになったジャニーズのタレントをなかなか忘れることができないファンが多いようなのです。

「やっと会える!」と必死の想いでイベントに参加するタイ人!・・・こうした背景が、タイ人に複雑な思いを抱かせる一因のようなのです。

 

来場している女の子の中には、好きが高じて日本語を学び、流暢な日本語を話せる人もいます。

 

一方で…

 

 

 

韓流の影響を強く受けているタイ人

タイのエンターテイメントエンターテイメント事情に詳しい方に話を伺ったところ、「例えば1000人の日本エンターテイメント好きがいたら、800人はおそらく10年後も20年後もファンで居続けるでしょう。ただ、その1000人から広がらないことが悩みです。」とのこと。

つまり、1万人にまでは拡大できていないということでもあるのです。どうやら、日本人の完璧主義が海外進出のネックになっているようなのです。

 

一方で韓国は、 “とりあえず好きになってもらいたい” というスタンスで、次から次へとタイを攻め続けています。毎月、何かしらのイベントを開催しています。

韓国は、とにかくマーケティングが上手なんです。それに比べて日本は、知ってもらうチャンスがあまりにも少なすぎます。だから、日本に興味を持つ人の数が広がらないのです。

 

頑張れ!日本!

 

ただ、、、

(ここ10年は韓流ブームに押されてアジアにおける日本のエンターテイメント人気が落ち込んでいたわけなのですが) ここにきて日本が巻き返しを図りつつあるというのです。

「韓流が飽きられ始めているから今が攻め時」といった鼻息荒い話を聞くこともあります。

 

状況は好転しつつあるのでしょうか?

 

少なくとも、若者たちの多くは韓流の影響を受けています。この傾向はタイだけでなく、他の東南アジアでも同じです。

「微笑みの国」タイランドに、数十年後も親日国家であり続けてもらうためには、エンタメの世界でもっとガンガン攻めていくべきなのではないでしょうか!

 

 

 

タイは今、空前の「日本ブーム」です♡

タイは今、空前の日本ブームです。エンタメ部門では正直まだ韓流に負けていますが、和食・旅行・テレビと日本の話題を聞かない日はないほどです。

2017年2月には、「ジャパン・エキスポ・タイランド2017」が開催され、日本のアイドルやピコ太郎などが招致されました。

 

繰り返しになりますが、ここ10年ほどは、東南アジアでアジアンポップスが流れるとそのほとんどがK-POP…という状況でした。

2000年頃は日本のポップミュージックがよく聴かれていたのですが、著作権などの金銭面が折り合わなかったのでしょうか。徐々になくなっていき、2008年頃から少女時代などが現れ、タイでも一般層に韓国音楽が浸透していったのです。

 

しかし、2010年から日本政府が「クールジャパン」としてサブカルチャーを後押しするようになり、コスプレに代表される日本の「オタク」カルチャーが海外で注目を浴びるようになり、バンコクでも日本のサブカルチャーが広まっていったのです。

 

 

 

タイのオタク事情♡

コスプレに関して言えば、当然アニメ関係が多いわけなのですが、今増え始めているのは「アイドルオタク」。。。

中には、地下アイドルが大好きだという超マニアックなタイ人もいるのだとか。もちろん、タイにもアイドルはいるし、人気のK-POPガールズグループもたくさんいます。

 

にも関わらず、超マニアックなタイ人の目には、「彼女たちは全て、日本のアイドルのモノマネにすぎない!」とバッサリです。「オリジナリティの極みは地下アイドルにこそあるんです」と彼。

「確かに、曲はマイナーですし、タイでは全く曲が手に入らない。それもまた魅力なんですよ!」

 

ただし、多くのタイ人は社会人になるとオタク趣味から離れていきます。現状、タイにいるオタクたちの約7割がコスプレ (アニメ) 関係で、そのほか漫画好きが少々いて、アイドルオタクは1割程度です。

タイでは、上司がオタクだと部下はついてこないんです。なので、生活を守るためにもオタクから離れざるを得ないといった事情もあるようです。

 

タイ人は寛容な反面、生活習慣などに驚くほど保守的な部分を持ち合わせています。ローティーンのオタクであれば「ひとつの物事に集中して勉強する学者みたいな人だ」と褒められますが、成人を過ぎてオタクのままでいると「 (マンガやアニメといった) 子どもの遊びから離れられない人だ」と軽蔑される傾向にあるようです。