バンコクから路上物乞いと屋台が消える?



タイの軍事政権は、「路上での物乞い行為を禁止する法案」を了承しました。つまり、今後路上で物乞いをする場合には、役所への届け出と許可が必要になるらしいのです (2016年春〜)。

一方で、演奏やパフォーマンスに対しては取り締まりの対象外とも。

 

なんだか不思議な気もしますが、

「私、○○で物乞いしますからよろしくです」などと役所に行って伝えたら、誰だって物乞いできる、ってことでしょうか?

一応タイランドは観光大国なので、あまりに物乞いの人数が多いと印象が良くありませんよね。だとすれば、人数制限もさることながら、場所も指定されるのでしょうね。

 

 

 

許可なく物乞いをした場合

そしてもし、許可なく物乞いをした場合には逮捕されてしまいます。

でも…

(組織ではなく) 個人で物乞いをしている人たちからすれば、逮捕されて勾留され、食事と寝るところを確保できる方がいいのではないでしょうか。

 

バンコクから路上物乞いと屋台が消える?

 

つまり、罰であるはずの逮捕がご褒美になってしまうという逆転現象すら生じかねません。

もっとも、福祉政策の充実をはかることができればそれが一番いいのですが。。。

 

日本でも、その日暮らしの生活をしている人たちの中には、わざと犯罪を犯して捕まる人もいますよね。

悲しい現実です。。。

 

少し話が逸れてしまいましたが、

物乞い行為を他人にやらせた場合も同様に罰せられるそうです (科料についての詳細は明らかになっていませんし、予防効果は非常に薄い…ような気がします)。

 

 

 

元締めの摘発にまでは至らぬ法律

今回の新法では、役所で登録して許可を受ければ物乞いができるわけですから、当然、元締めの摘発にまでは及ばないことが安易に予想されます。

それと、冒頭で、「演奏やパフォーマンスは取締りの対象外」と書きましたが、外国人による行為は一切禁止されていますのでご注意を!

 

バンコクの路上パフォーマンスは許可制?

 

 

 

屋台クリーンアップ計画

現在、タイの軍事政権は路上屋台のクリーンアップを掲げ推し進め始めています。

路上の景観を整えるために、半ば強行的に実行しているのです。これに対し、バンコクの人々は今のところ静観しているようですが、商売人からは不満の声も聞こえてきています。

今後もし、景気の低迷が続き商売あがったりな状態にでもなれば、彼らの不満は爆発するかもしれません。

年内に実施される予定の選挙にどう影響するのか、楽しみでもあり不安でもあります。

 

 

 

おわりに

2006年から続いている出口の見えない政情不安ですが、軍の介入に賛否はあっても、今のところタイ人たちはそれなりに納得しているようにも見えます。

それでも、私たち旅行者の立場からすれば、どんどん閉鎖されていく屋台などの集合地帯を見るにつれ、何だか古き良きものが失われていくようでもあり、哀愁を感じずにはいられません。
 
バンコクの屋台地帯が閉鎖されていく
 
スクムビット通りのトンロー近くにあったソイ38の屋台街もそうですし、海賊版のゲーム販売やプレミアム・フィギュア、エアガンなどの店舗が多かった中華街のサパンレック市場、日本人の現地採用者が多く住むホワイクワン地区のナイトマーケットなどなど。

閉鎖されていってます・・・

 

確かに、不法占拠などもあったのかもしれませんが、そこにはかなりの数の外国人観光客や現地のタイ人、在住外国人が足を運んでいたのも事実なのです。

タイをより良くしようとすればある程度は致し方のないことなのかもしれませんが、

 

きっと、「そういった場所こそがタイであり大好きなんだ」という人たちにとってはたまったものではありません。

タイの良さがまた一つ失われていくようで悲しくなっちゃいます。まるで、福岡・博多の屋台がそうであるかのように…