ヴァチカン美術館!必見ベストセレクション☆



ローマには、トレビの泉やコロッセオ、映画「ローマの休日」のロケ地など、たくさんの人気観光スポットがあります。その中でも特に足を運んでもらいたい場所、、、それはバチカンです。

歴史・芸術・尊厳など、多くの魅力がここには詰まっています。

 

そこで今回は、そんなバチカンにあるバチカン美術館の中で「これだけは絶対に押さえておくべき」必見の作品をわかりやすくまとめてみました。

所要時間は一通り見学するだけでも3~4時間・・・

 

「え〜、そんなに時間かけられないよ〜」「もう少し短縮できないのっ?」とお考えの方は、この記事を参考に2時間程度で回っていただければと思います。

 

 

 

 

ベスト・オブ・バチカン美術館 ☆

館内は年代やテーマ別に、大小合わせて約25もの美術館・博物館群に分かれています。ここでは、美術館全体を2時間前後で回るため、5つのセクションだけに絞って見学します。

1 ピナコテカ(絵画館)→ 2 ピオ・クレメンティーノ美術館 → 3 地図のギャラリー → 4 ラファエロの間 → 5 システィーナ礼拝堂 の順に回ります☆

 

まずはエントランスホール右手にある、ピナコテカから見学しましょう!

 

 

★  ピナコテカ (絵画館)

ここには18の展示室があり、中世〜ルネサンス期の絵画やタペストリーが展示されています。

ピナコテカに入るとすぐにあるのが、ミケランジェロ作「ピエタ像」です。こちらはレプリカで、本物は同じバチカン市国内にある「サン・ピエトロ大聖堂」に展示されています。本物は厳重にガードされているので、こんなに近くで見ることはできませんよ。

 

 

 


 

続いてピナコテカの第8室には、ラファエロ作「キリストの変容」があります。上下構成の作品で、上部はキリストが神の子であると告げられ、3人の弟子がひれ伏す場面です。下部は、悪魔に取り憑かれた少年に奇跡を起こす場面が描かれています。

本作は、キリストが弟子たちの前で神へと変容する様を描いた注目の絵画であり、完成したのはラファエロが急死した後…ジュリオ・ロマーノなどの画家たちの手によって完成したと言われています。

 

 

 


 

「キリストの変容」の両隣にも、ラファエロの作品が展示されています。右隣にあるのが「聖母の載冠」でラファエロ初期の作品です。上部は聖母マリアに冠を授けるキリスト、下部はそれを見守る聖人たちが描かれています。

左隣には、雲に乗る聖母子と洗礼者ヨハネらが描かれた「フォリーニョの聖母」があります。貴族のシジスモンド・デ・コンティという人物が、火の玉(おそらく隕石)に襲われても無事だった奇跡を神に感謝するため、ラファエロに制作を依頼した作品です。

 

 

 


 

次の第9室にあるのが、レオナルド・ダ・ヴィンチ作「聖ヒエロニムス」です。荒野での苦行に耐えるヒエロニムスと、足元には彼を見守るライオンが描かれています。苦行に耐える表情と痩せ細った体があまりにもリアルすぎて怖いですよねー(^^;)

 

顔や胸のあたりは出来上がっているのですが、その他の部分は未完成の作品になります。

 

 

★  ピオ・クレメンティーノ美術館

続いては、エジプト美術館を通って、ピオ・クレメンティーノ美術館に移動します!ここには、ルネサンス期に大きな影響を与えた古代ギリシャ・ローマ時代の彫刻が展示されています。

シモネッティ設計の「八角形の中庭」(ベルヴェデーレの中庭) を囲むように廊下があり、

 

 

そこにたくさんの彫刻が飾られています。この中庭の一角にあるのが、古代ギリシャ時代の彫刻「ラオコーン像」です。

 

 

作者・制作年は不明ですが、ミケランジェロら芸術家たちに大きな影響を与えた作品です。トロイア戦争で神官ラオコーンは、女神アテナの怒りを買ってしまいます。怒った女神はヘビ2匹を放ち、ラオコーンは息子2人とともに絞め殺されるという場面が表現されています。

 

 


 

中庭から館内に戻り、少し進むと「ミューズの間」「円形の間」があります。

ミューズの間には、トンマーゾ・コンカ作の天井フレスコ画があります。

 

「円形の間」の中央には、希少な赤大理石の一枚岩で出来た巨大杯があります。

 

部屋を取り囲むように彫刻が並べられ、床はギリシャ時代のモザイクで飾られています。

 

 


 

次に、部屋の形が十字になっている「ギリシャ十字の間」があります。

 

 

 

部屋の中央にある色鮮やかなアテネの胸像のモザイク画です♡

 

コンスタンティヌス帝の娘、コンスタンティアの赤大理石製の石棺

 

向かい合わせには、デザインがそっくりなコンスタンティヌス帝の母ヘレナの石棺も展示されています。バチカンには、この希少な赤大理石がたくさん所蔵されています♡

 

 


 

続いて、「ギリシャ十字の間」から階段を上へ上がって行くと「燭台のギャラリー」と「タペストリーのギャラリー」があるのですが、(時間がない方は) ここは単に通過するだけです。

この辺りから混雑がひどくなり、前に進みづらくなります。ちなみに、「燭台のギャラリー」にはとてもゴージャスな天井画があり、柱廊の両側にはたくさんの彫刻が並べられています。時間のある方はゆっくり鑑賞してくださいね ♪

 

 

★  地図のギャラリー

ここは、16世紀に作られたイタリア各地の地図や教会領地を、廊下の両側や天井に展示しているギャラリーです。40点もの作品が隙間なく埋め尽くされており、その光景は、正に煌びやかに輝く黄金のギャラリーそのものです。

 

 

窓枠のギリギリまで、金ピカに装飾されています。黄金の豪華絢爛さとともに、当時からこんなにも正確な地形を把握していたことにびっくりです!

 

 

★  ラファエロの間

ここは「ボルゴ火災の間」「コンスタンティヌスの間」「ヘリオドロスの間」「署名の間」の4つの部屋で構成されており、ラファエロと弟子たちの描いた壁画があります。

4つの部屋は、訪問時期によって順路が異なります

 

中でも有名で人気なのが「署名の間」で、写真は、アダムとイブの逸話などが描かれている天井画です ↓

 

 

 

「聖体の論議」

 

こちらの「聖体の論議」は天上界の聖人たち、地上にいる神学者たち、その中心にいる聖霊の鳩で「三位一体」が表現されている作品です。
「聖体の論議」の向かいにあるのが、ラファエロの最高傑作といわれる「アテネの学堂」です。

 

 

この画には、50人以上の古代ギリシャの賢人たちが集まり議論し合っている様子が表現されています。作者のラファエロ自身も登場し、 (入場チケットのデザインにもなっている) プラトン(左)とアリストテレス(右)も登場しています。

登場人物については諸説ありますが、中央左の赤い服を着た人物はレオナルド・ダ・ヴィンチがモデルの哲学者プラトン、右隣の青い服が弟子のアリストテレスです。中央下段で頬杖をついている人物はミケランジェロがモデルのヘラクレイトスと言われています。

 

 


 

そして、「コンスタンティヌスの間」は4部屋の中で一番大きく、コンスタンティヌス帝の生涯がテーマとなっている部屋です。

壁の四面には「コンスタンティヌス帝の洗礼」「ミルヴィオ橋の戦い」「十字架の出現」「コンスタンティヌスの寄進」がそれぞれ描かれています。

 

「ヘリオドロスの間」の壁四面にも、それぞれ作品が描かれています。

 

 

 

★  システィーナ礼拝堂

ここは、ミケランジェロの最高傑作「最後の審判」がある、あまりにも有名すぎる礼拝堂です。

 

 

多くの人たちは、「これを観るためにバチカン美術館を訪れた」といっても過言ではないでしょう!

 

中央にいるキリストが、死者を天国と地獄に分ける裁きを行っている場面が描かれています。左側が天国、右側が地獄で、400名以上もの人物が描かれてる超大作です。

 

(ちなみにここシスティーナ礼拝堂は、教皇シクストゥス4世によって建てられ、現在はローマ教皇を選出する会議の場としても利用されています)

 

礼拝堂の内部は全面撮影禁止ですよっ!

 

長さ約40mの天井一面には、ミケランジェロによって描かれた巨大なフレスコ画があります。

旧約聖書創世記の9つのエピソードが描かれており、「光と闇の分離」「太陽と月の創造」「大地と水の分離」「アダムの創造」「イヴの創造」「原罪と楽園追放」「ノアの燔祭」「大洪水」「ノアの泥酔」と並んでいます。

 

この天井画の中で最も有名なのが、「アダムの創造」です。

絵画に詳しくない方でも、教科書などで一度は目にしたことがあるのではないでしょうか?

映画「E.T.」の指と指を合わせる有名なシーンは、この絵がモデルと言われています。

 

 

 

まとめ☆

以上でバチカン美術館の見学は終了です!

この2重螺旋階段を下って、出口へと向かいます。

 

上りと下りが1つの階段のように見える、魔訶不思議な階段なんです♡

 

ところで、システィーナ礼拝堂にあるショートカット用の出口から出てしまうとこの階段は通りません。かたつむり階段を思う存分楽しみたい方は、博物館の途中でリタイア(?)せず、最後までお進み下さい。

出口の上部には、ミケランジェロとラファエロの彫刻があります。最後の最後まで、世界的超大作を堪能しきってから帰りましょう🚶‍♀️💨

 

ちなみに、ローマのお誕生日(ローマ建国:紀元前753年4月21日)である4月21日から10月下旬までの毎週金曜日は、夜間の見学も可能となっています。日中をローマ市内観光に当てて、夜も有効活用したい方は夜の美術館見学をオススメします☆