バチカン市国「サン・ピエトロ大聖堂」の見どころ・まとめ♡



「サン・ピエトロ大聖堂」は、ローマを訪れる観光客であれば必ず (絶対に) 足を踏み入れる場所なのですが、実はキリストの一番弟子である初代ローマ教皇 (聖ペテロ) の墓を祀った神聖なる場所なのです。

そのことをよく理解して、リスペクトの気持ちを持って見学するよう心がけてください。何と言ってもここは、キリスト教の最大宗派であるカトリックの総本山であり、世界中から多くの信者が参拝に訪れる地なのですから。

 

繰り返しになりますが、サン・ピエトロ (聖ペトロ) はキリストの一番弟子であり、初代ローマ教皇です。そのペテロがネロ帝(在位54-68年)の時代に殉教し、その殉教の地に墓が作られ、その墓の上に建てられたのがこのサンピエトロ大聖堂なんです。

つまり、このサンピエトロ大聖堂を訪れるということは、初代ローマ教皇ペテロから現在の第266代教皇フランシスコまでの2000年に及ぶローマ教会の歴史そのものを訪れる…尊大な歴史的ロマンを感じることとも言えるでしょう。

 

「サン・ピエトロ大聖堂」は4世紀頃に建てられ、(16~17世紀にかけて) ラファエロやミケランジェロなどのルネサンス期の芸術家たちが改築に関わり、現在の荘厳な姿に生まれ変わったのです。

 

 

 

「サン・ピエトロ大聖堂」に入る前に…

まず、聖堂右の階段下にはオーディオガイドを借りられる場所があります (日本語あり)。パスポートを預けて (人質代わりにして)、詳しいガイドを聞きながら、いざ見学へと参りましょう!

ちなみに、大聖堂に入るには正面入口ではなく、広場の右手にあるこちらの場所から入場します。

 

 

荷物とボディのセキュリティ・チェックを受け (傘やペットボトルの持ち込みはOK) 、

 

 

禁止事項を守り、静粛に見学しましょう。

露出の多い服装・帽子着用・三脚・飲食・喫煙・携帯通話・ペット同伴・大型荷物の持ち込みはダメです!

大聖堂の内部はフラッシュ撮影OKですが、三脚の使用は禁止されています

 


 

順路通りに進むと、サン・ピエトロ大聖堂が間近に見えてきました!この大聖堂左側の階段付近で服装チェックが行われます。ショートパンツ & タンクトップだと入場を断られてしまいますよっ!

 

【サン・ピエトロ大聖堂】

時間:4~9月は7:00~19:00、10~3月は~18:30
休日:日曜ミサや宗教行事日は入場制限・休館あり
料金大聖堂は入場無料、クーポラは階段利用で5ユーロ、エレベーター利用で7ユーロ

 

 

 

いざ、「サン・ピエトロ大聖堂」の中へ!

ファサード(街路や広場に面する建物の正面部分のこと)は2階構造で、8本の円柱、6本の半角柱、4本の角柱が支えています。

屋上には5.7mほどの高さの聖人像13体が飾られており、その下の2階部分には5つのバルコニーがあります。

 

大聖堂の前には2体の石像が立っており、天国の鍵を持っているのが聖ペトロ、剣を持っているのが聖パウロとされています。

それでは、アーチをくぐって入場しましょう!

 


 

アーチをくぐるとアトリウム(前室)があります。
ここには5つの扉があり、向かって左から順に「死の扉」「善と悪の扉」「中央扉」「秘蹟の扉」「聖年の扉」となっています。

 

 

ちなみに、「聖年の扉」は25年に一度(次回は2025年)開かれます。この扉を含めて、4大聖堂の「聖年の扉」を全てくぐると罪の償いが許されるそうです。

アトリウムを見上げると、天井や壁には黄金に輝く繊細な装飾がぎっしりと施されています。その中でも有名なのがモザイク画、ジョット作「小舟」です。

 

 

それにしても

ジャーーーンッ!!!

 

天井が高く、なんとも開放的ですね~。

多くの観光客は聖堂内を反時計回りに見学している (はずな) ので、同じ方向に進むのがオススメです!

 

うわぁーーー!

 

荘厳ですねー!

 

豪華絢爛ですねー!

 

はぁぁ…

 

 

 

ミケランジェロの「ピエタ」

 流れに乗って右方向に進むと、もの凄い人だかりが出来ている場所があります。そこには、このミケランジェロ作「ピエタ像」がありました!

 

 
十字架から降ろされたイエスの亡骸を胸に抱き、悲しみの表情を浮かべる聖母マリアの姿です。

 

ミケランジェロ(1475年~1564年)は『ピエタ』(慈悲などの意)を題材とする彫刻を生涯に4体制作しています(サン・ピエトロ大聖堂、フィレンツェのドゥオーモ博物館、フィレンツェのアカデミア美術館、ミラノのスフォルツァ城博物館)。

ピエタは聖母子像の一種であり、つまり、磔刑に処されたのちに十字架から降ろされたイエス・キリストと、その亡骸を腕に抱く聖母マリアをモチーフとする宗教画や彫刻などのことです。

 

とりわけ、この『サン・ピエトロのピエタ』は傑作であり、これによってミケランジェロの名声が確立されたと言っても過言ではないでしょう。

『サン・ピエトロのピエタ』(1498年~1500年)はサン・ピエトロ大聖堂収蔵の大理石彫刻の一つで、「ピエタ」を題材とする数多の作品の中でも第一に挙げられるもの。調和・美・抑制というルネサンスの理想の最終到達点ともいうべき完成度を誇っています。
 
マリアの胸元にはミケランジェロのサインが刻まれており、彼のサインが残る唯一の作品でもあります。若干24歳でこの作品を完成させたのですから驚きですよね!

 

 

 

その他の見どころ☆

 それにしても…

 

 
柱や壁には豪華な装飾が施されており、どの方向を見ても目がチカチカします(笑)

そして、大聖堂内には石像が何百体もあり、歴代教皇の墓碑や祭壇画も紹介しきれないほどあるので、興味のある方はガイドの説明を受けながらじっくりと見学されてみてくださいね!

 


 

「聖セバスティアヌスの殉教」
「教皇グレゴリウス13世の墓碑」

 

「聖ペトロ像」

行列を作って、ペトロ像の足に触ったりキスをして祈りを捧げる人たちがいます。

 

ここも見どころの一つ!ベルニーニ作の大天蓋 (バルダッキーノ)です

 

この巨大なブロンズ製の天蓋の真下に、聖ペトロの墓があります。ねじれた柱や台座のモチーフがけっこう奇抜なデザインです。

その真上を見上げると、ミケランジェロ作の大円蓋(クーポラ)があります。太陽の光が取り込まれ、とても神秘的な雰囲気です。

 

 


 

ベルニーニ作  「聖ペトロの司教座」

教皇だけが腰掛けることができ、黄金の装飾と鳩のステンドグラスが輝いています。


 

クーポラを支える4本の柱にはそれぞれ聖人像が立っています。

4つの大柱の内の3つ

 

そして、左手前の柱には「聖アンデレ像」があります。

 

この像の真下には、歴代教皇が眠る「地下墓所への入口」があります。地下墓所はひんやりとしており、想像以上に巨大な空間で厳粛な雰囲気でした。

さすがにお墓を撮影するのはためらわれたので、写真はありません。

 


 

続いて左廊を歩いていくと、ベルニーニ作「教皇アレクサンデル7世の墓碑」があります。

赤大理石のドレープが上がって、その向こうに扉があるように見える装飾がされています。ベルニーニは、このような舞台効果を狙った手法が得意な芸術家でした。

 

 

 

宝物館 (有料)☆

 

 
その次は、長い歴史をかけて収集された美術品が展示されている宝物館の入口があります。

 

営業時間:8:00~18:40

入場料:7ユーロ

日本語オーディオガイド:3ユーロ

 


 

内陣席の礼拝堂は中に入れませんが、鉄柵越しに祭壇を見ることはできます。

ピエトロ・ビアンキ作「無原罪の御宿り」

 

 

出口付近にある洗礼礼拝堂の祭壇画、カルロ・マラッタ作「キリストの洗礼」です。

 

大聖堂の天井には小さなクーポラがいくつもあり、これもそのうちの一つです。

他にもたくさ〜ん、紹介しきれないほどの芸術品がありました☆ これほどまでに豪華で荘厳な教会は他にないのではないでしょうかっ!皆さんも「サン・ピエトロ大聖堂」を訪れて、歴史の重みと神聖な雰囲気を感じてみてくださいね ☆

 

 
 

おわりに☆

 バチカン博物館からシスティーナ礼拝堂を出て矢印通りに進むと、切手売り場やポストがあって、ショップがあって、螺旋階段があって、外に出ることができます。

 

(システィーナ礼拝堂から建物の間をすり抜けるようにしてそのままサンピエトロ大聖堂に入ることもできるのですが、螺旋階段なども満喫するために、一旦外に出てからサン・ピエトロ大聖堂へと向かいましょう)

 

外に出た後は、城壁沿いに歩いて、サンピエトロ広場に出て、最初に紹介した聖堂入口へと向かいましょう!大聖堂に向かって右側から、時に、広場を半周するように伸びる長蛇の列ができていたりするわけですが、どんどん進んで、30分ほどで入れるのではないでしょうか。

システィーナ礼拝堂から直接サン・ピエトロ大聖堂に向かうか、それとも、一旦外に出て、列に並んでサン・ピエトロ大聖堂に入るか、あなたならどちらを選択しますか?

 

私のオススメは、朝の早い時間 (7時頃) に行けば比較的空いているので、バチカン美術館とサン・ピエトロ大聖堂を2日に分けて見学されてみては…と思っています。
 

一気に全部見ても、集中力が続かず、流し見になるだけですしね!