根本的な治療法が見つかっていない難病「早老症」(プロジェリア症候群) になる人は400万人に1人。普通の人の5〜10倍の早さで老いていってしまいます。
逆に、病的に老化の進行が極端に遅くなる病気の症例も、寡少ではありますが報告されています。
早老症は寿命が人より極端に短い難病なんです!
20016年1月、コロンビアで一人の少女が15歳の誕生日を迎えました。その少女の名はマガリ・ゴンザレス・シエラちゃん。
彼女は15歳であり、90歳でした。マガリちゃんは「ハッチンソン・ギルフォード・プロジェリア症候群」という難病を抱えています。
この病気の平均寿命は13歳と言われており、最高齢ですら17歳…
1年前には心臓発作にも見舞われ、体がどんどん衰えていくマガリちゃん。彼女の住む地域では、15歳になると「大人の女性になる儀式」を行います。
お祭り会場では、皆ダンスで盛り上がり、マガリちゃんもお父さんと一緒にダンスを楽しむことができたようです。
日頃苦しめられている病気のことは忘れ、この日ばかりは心から楽しむことができたそうです。
マガリちゃんはオシャレが大好きな普通の女の子。早く治療法が見つかり、よくなるといいですね。
2016年夏、4歳のバヤジッドくんは早老症治療のため、首都ダッカにある最高峰の病院に検査入院しました。
最後の望みをかけて…
このニュースは世界を駆け巡り、「何とか治療法が見つからないものか」と多くの人が願ったことでしょう。
しかし、現実にはまだ何もわかっていません。
そんな中、
ほかの子となんら変わらない可愛い産声を上げたものの、
「まるで80歳の老人を抱っこしているようだ」と両親が語るように、泣いた顔はシワシワで、老人のようなのです。
シワシワな顔つきと荒れた肌・・・
医師は、両親に対して残酷にも「根本的な治療法のない早老症です」と告げるしかなかったのです。
早老症を発症した人の外見的な特徴としては、
・髪の毛がない
・全身の発育不全 (小人症)
・頭部肥大
・顎が小さく細い
・カギ鼻
・皮膚にシワ
など、症状の出方には個人差があります。
この赤ちゃんの場合、背中が真っ黒な体毛で覆われていることも特徴の一つのようです。
しかしご両親は、
奇異の目を向ける近隣住民の視線に心折れることなく、「奇跡を伴って産まれた子。スクスクと育ってほしい」と心から喜んでいます。
「わが家にはすでに娘がおり、息子を授かった喜びを神様に感謝するのみ。これ以上の幸せはありません。」
「不幸だなんてとんでもない。この子のありのままを受け止めたいと思います。」
お父さんは満面の笑みで、「興味深そうにわが子を眺めていく皆さんの相手をするのは大変ですが、こちらも大興奮です」と語っています。
この赤ちゃんも、「プロジェリア症候群」と診断されました。頭部が大きく、身長・体重の発育は遅れ、皮膚は老化が進み、脱毛や骨格・歯の形成異常が顕著なようです。
1年は、患者にとって10年分…
急速に老化が進行してしまうため、
・骨粗鬆症
・糖尿病
・動脈硬化
・白内障
・老眼
などとも闘っていかなければなりません。
早老症を発症してしまうと、寿命が短いばかりでなく、そもそもが健康体ではないのです。辛くて苦しい生活を強いられます。
そして、平均寿命は13歳…
ダウン症もそうですが、染色体の異常 (遺伝子異変) が原因とされてはいるものの、どう治療したらよいのかわかっていないのが残念でなりません。
脳や神経機能は正常に成長するため、近年では、患者本人が自分の置かれた過酷で数奇な運命を涙で語るドキュメンタリー番組が多く制作されたりもしています。
この動画は、TEDで2013年12月に公開されたものですが、残念ながらサムくんは、2014年1月に17歳の若さで亡くなりました。
謹んで、ご冥福をお祈り申し上げます。