シベリア鉄道「北海道〜ヨーロッパの旅」は実現するの?



ロシアの東西を結ぶシベリア鉄道は1916年に全線開業しました。この世界最長の鉄道路線は今、アジアからヨーロッパを駆けるユーラシア大陸の大動脈になろうとしています。

巨額の工事費や沿線人口の少なさといった壁もありますが、一部では「日本への延伸構想」も浮上しています。是非実現してほしいものですね!

 

 

そもそもシベリア鉄道とは

世界最長の鉄道路線で、モスクワ〜ウラジオストク間は9,288kmもあります。1891年に工事が開始され、バム鉄道 (第二シベリア鉄道) の建設にはシベリア抑留の日本人も従事させられました。

シベリア鉄道の地図路線図

1950年にはスターリンの命令で、大陸とサハリン島を結ぶトンネル工事が始まったのですが、1953年、スターリンが死亡し中止になりました。

このように、シベリア鉄道には日本人も関係している歴史があるのです。

 

 

シベリア鉄道のレール交換工事、目的は?

雪に覆われた線路から古いレールが取り外される深夜の作業現場。気温は零下6度まで下がり、作業員の吐く息は白い。

2016年11月、ロシア極東のウラジオストクで、古いレールを新型に交換する工事が行われました。これにより、継ぎ目が少なくなり振動が減り、列車の高速化が可能になるようです。

(でこぼこ道路を舗装するようなものです)

 

工事は今後も進められ、最長800mのレール導入やバム鉄道の複線化などにより、貨物列車の最高速度を現在の100kmから140kmに上げ、輸送速度を1.5倍にしようとしています。

狙いは「ロシア極東をアジアと欧州を結ぶ交通・物流の拠点にする」こと。

 

プーチン大統領は「アジア太平洋から荷物を集め、迅速に輸送する態勢を作るんだ」と意気込んでいます。

シベリア鉄道オススメの旅

 

 

追い風となる中国の「シルクロード経済圏構想」

プーチン大統領にとっては、中国が提唱する「シルクロード経済圏構想」や中央アジア諸国の経済発展・鉄道網の整備も追い風になっています。

現在、アジアと欧州の貨物輸送は船が主体で1ヶ月以上かかっています。貨物列車なら半月ほどで済み、費用は航空便より安く抑えられるのです。

 

また、ロシアは中国やドイツ、旧ソ連諸国と合弁会社を設立し、通関手続きの時間短縮にも取り組んでいます。

物流大手のDHLは中国の成都・蘇州・鄭州とドイツのハンブルクなどを結ぶ直通貨物列車をほぼ毎日走らせています。ドイツのBMWは2012年から、中国北部の瀋陽工場向けに自動車の部品を輸送しています。

 

 

速く快適に!旅客増なるか?

シベリア鉄道にタルゴが導入されより速く

2016年12月から、スペイン製の新型車輌「タルゴ」がモスクワ〜ベルリン間で走ることになります🚞

最高時速160km。ロシアの雄大な景色を眺めながら食堂車でスープや肉料理を楽しむことができます。

 

客車では映画が上映される予定で、VIPや身体障害者用の個室にはシャワーが完備されています。

速く、そして快適になった鉄道に利用者は増えるのでしょうか😊

 

ちなみに、ソ連と欧州は線路幅が異なるので、現在はベラルーシ西部のブレストで車輌交換が行われています。

これが「タルゴ」に変われば、車輌の幅を変えられるフリーゲージトレインなので変換装置を通るだけで車輪の幅が伸縮し、ベルリンへの所要時間が現在の25時間から20時間ほどに短縮できるのです。

 

ロシア鉄道は現在パリや北京などに週60往復以上の国際列車を運行させています。

「鉄道好きの富裕層らの需要が大きい」

 

旅客は確実に増えてきています。将来的には中国からロシア、ヨーロッパを結ぶユーラシア大陸横断の高速鉄道が実現するかもしれません。

これに伴い、ロシアはシベリア鉄道を日本につなぐ案も提案しているのです。

 

 

日本延伸構想は実現するのか?

まず、アジアからヨーロッパへの距離は1万km以上。路線整備には多額の投資が必要になります。

 

・北海道に結ぶ橋やトンネル…

・海運の発達している日本…

・線路幅の違い…

・国際基準のコンテナサイズと合わない…

 

課題は多く、巨額投資を回収できるほど貨物が増えるかには疑問が残ります。

夢物語は実現するのか?

 

楽しみに待ちましょう!

いつか、北海道からヨーロッパへ鉄道の旅をしてみたいものですね😉