【気になる眼圧】網膜剥離・緑内障でも飛行機に乗って大丈夫?



飛行機は高い上空を飛行するので、気圧が地上に比べて高い印象があります。気圧が高ければ、当然それに反応して内臓や眼内圧も上昇しますので、緑内障患者さんは「悪い影響があるかもしれないなぁ」と思われるかもしれませんね。

 

では、

緑内障と診断されたら飛行機に乗るのは良くないことなのでしょうか?

 

ご存知のように、飛行機は空高く上がっていくと気圧の変化で圧がかかり、鼓膜が詰まりツーンとした感覚が残ります。しかし、しばらくすると普通に戻ります。

機内においても、特段体が動かしづらいといったことはなく、地上にいる時とあまり変わらない状態で過ごすことができます。

 

それはなぜなのでしょうか?

 

それは、

飛行機の性能で、機内の気圧を地上と同じくらいに保つように設定されているからなんです。

このことから、「目が圧迫されて緑内障がひどくなる」ということはありません。ご安心を😀

 

緑内障は眼球内の病気です。飛行機に乗って圧がかかるとしても、圧は体全体にかかるものであり、眼球の内側の神経に刺激を与えるものではありません。なので、目には一切の負担がありません。

結論を言うと、何の心配もないのです😀

 

 

飛行機内は通常気圧に比べてむしろ低い!

気圧は、高度が高くなるにつれて低くなります。高山病を想像してみてください。高い山の登ると体調が悪くなります。それは、気圧が下がることによって空気が薄くなるために起こる現象なのです。

飛行機は通常、上空13,000メートル以上を飛びます。外気の気圧はかなり低いです。先ほど申し上げた通り、飛行機内の気圧は極力地上に近い状態を保つように設計されています。

けれども、地上と同じくらいの気圧に保てば機体にかかる圧力がとても大きくなってしまうので、機体をより頑丈にする必要があり、燃費も悪くなってしまいます。そこで、飛行機内の気圧は、厳密に言えば地上よりも低く保たれているのです。

 

飛行機内の気圧は地上の気圧よりも低い!

 

つまり、

飛行機内の圧は高くない → 眼に余計な圧力はかからない → 眼圧は気にしないでドンドン旅行に出かけましょう ♡

ということです

 

 

「私は緑内障です」

以下はある方からの質問です。是非参考になさってみてください。

 

 

私は緑内障です。すごい近視があり、点眼してかれこれ9ヶ月位になりますが、なかなか (眼圧が) 目標数値に下がってくれない状態です。(点眼前:18-21) 点眼しても18です。

そこで質問なのですが、飛行機に乗ると気圧の関係で眼圧は上がりますか?緑内障と診断される前は結構海外旅行に行っていました。

飛行機に乗るとポテトチップスの袋がパンパンになったり、自分自身のお腹も腸のあたりが膨らんでる感じがします。もしかすると眼圧も上がるのではないかと心配しています。

 

この方の質問に対する答えは以下の通りです ↓

 
例えば、水深10メートルのプールに潜ったと想像してみてください。素潜りでですよ。水圧(水圧+気圧)は地上の2倍の2気圧です。体は外側から圧迫され、体内の圧力は高まります。肺は小さくなり、肺の中の空気は圧縮されて2気圧になります。腸内のガスも押されて縮み、ガス圧は高まります。

 

眼球はどうでしょう?

肺や腸内のガスと同様に周りから圧迫されますので、内部の圧力は高まります。つまり眼内圧が上昇します。つまり、ダイビングは緑内障の方にとっては良くないと言えるでしょう。

 

一方で、飛行機の場合は気圧が低くなりますので、潜水の逆で眼内圧は低下します。

なので、結論として、「緑内障の人は飛行機に乗っても大丈夫」なんです😉

 

降機した際は、潜水と同じで眼内圧は上昇し、飛行機に乗る前の状態に戻ります。地上にいた時と同じ状態に戻るだけです。なので、緑内障に良い影響こそあれ、悪影響があるとは考えられません。

 

 

心配しすぎず、旅を楽しみましょう♡

飛行機が着陸に向けて下降する際には徐々に気圧が上昇します。ですが、これは通常に戻っていく過程であり、それほど長い時間ではありませんので心配には及びません。

心配性になりすぎず、旅を思いっきり楽しんでくださいね☆

 

 

緑内障は人によって進行のペースが異なります。旅行や仕事で飛行機を利用する機会もあるかと思いますが、安心した旅にするために、念のため主治医には相談しておいてくださいね。

目薬や飲み薬などを持って行くことになると思いますが、現在はセキュリティがとても厳しくなっているので、念のため飛行機に乗る前に空港職員に相談しておきましょう。

 

 

 

網膜剥離の手術後は、飛行機に乗るのを控えましょう!

網膜剥離の手術後は、再び網膜が剥がれてしまわないように絶対安静が必要となります。比較的再発しやすい病気ですので、極力眼に負担をかけないような生活が大事になってきます。

飛行機での旅行に関しては、術後一定の期間は禁止となります。術後1〜2ヶ月以内に旅行などで飛行機に乗る場合には、あらかじめ手術前に医師に相談するようにしましょう。

 

手術により硝子体を空気またはガスに置き換えた場合、気圧の変化により眼圧が上昇するため、飛行機での旅行や高地(標高1000m以上)への旅行は一定期間禁止となります。

 

一つの目安としては

術後、

・空気のみの場合:約1~2週間
・ガスの場合:約1~2か月

は飛行機禁止です!
 
 
※ シリコーンオイルに入れ替えた場合は、飛行機や高地への旅行は問題ありません

 

 

というわけで、

緑内障の方が飛行機に乗るのは何の問題もありませんし、網膜剥離の方が飛行機に乗るのは術式やタイミングにもよりますが、注意点さえ守っていれば何の問題もありません。

乗る際はくれぐれも体調に気をつけて、万全な状態で旅に出かけてくださいね♡