世界の中でも、いや、アジアの中でも英語力が低いと評判の日本人ですが、実際は、英語が苦手なのは日本人だけではありません。
私自身、海外に暮らし、グローバル企業で働いていたこともありますが、日本人以外の「非ネイティブ」労働者たちの英語力はというと、案外いい加減なものでした。
今後ますます英語をビジネスで使う機会は増えてくるでしょう。多国籍展開する組織や事業も急速に増えています。
しかし、臆することなかれ!
流暢な英語を使いこなしている「非ネイティブ」も当然いるわけですが、それ以外の多くは、かなり適当な英語で何とかやっている、のが実状なのです。
・適当な英語でも仕事は回る!
・それでお金を稼いでいる人も大勢いる!
・管理職だっているんだ!
以上のことを胸に、
英語力が大したことなくてもグローバルな環境で何とかなっている、という実例をいくつかみていきたいと思います。
① メールの返事は「Done」だけ
海外では、仕事さえちゃんとこなしていればコミュニケーションの仕方についてとやかく言われることはないようです。
特にITや通信の世界では、黙々と仕事をこなし、上司や同僚たちとのやりとりは、メールで「Done」だけで済ませるツワモノもいるほど。
【日本語訳】やっといたよ。
さすがにこれは極端な例ではありますが、日本のように無駄にダラダラと長いあいさつや説明をするよりも、その分仕事に時間を費やせ、ということ。
日本人は英語が通じないことを恥だと考えがちですが、やるべき仕事をきちんとこなしていれば大丈夫。
英語力は、生活していく中で、少しずつ上達していきます。ご安心を♡
② 「俺の英語が通じないのは、あいつがダメだから」
謙虚な日本人と違って、多くの外国人たちは「自分の英語が通じない」とは“本当に”思っていないのです。
「英語が通じないのは相手が悪い」
それくらいの気持ちで自信満々に生きているわけです。
「英語は道具として使っているにすぎず、能力を示すものではない。通じないのは理解しない相手が悪い。」という思考が働いているのかもしれませんね。
そもそも、英語圏の人たちは英語ができない人を簡単に受け入れてくれる
英語圏の国々は、外国人や移民の多い地域がほとんどですから、ネイティブの側も普段からメチャクチャな英語に慣れています。
言葉はできなくても当たり前、という文化が存在しているのです。
つまり、世界の英語はかなり適当でいい加減。自由でインチキで崩れているのです。
文法的に間違っている英語もなんのその。
自己流、言い張る、説得する。
これが正しいのです。
孫正義は「中学英語」で世界トップと交渉する
聞いたことのある人であれば分かるのですが、ソフトバンク孫社長の英語スピーチは非常にわかりやすいものです。
なぜかといえば、けっして流暢ではなく日本人なまりの英語だからです。スピードもゆっくりで、ネイティブのお母さんが幼い子どもに話しかけるくらいの速さです。
また、英文はきわめてシンプルで、使っている英単語もやさしいものばかり。
それでも、孫さんは世界のトップと互角に交渉し、こちらの要求を通しています。
例えば、この程度の英語の言い回しを覚えておいて、話すだけでいいんです。
I’m very excited to be here. And I am so happy that we are sharing thoughts together.
(ここにいることにとても興奮しています。そして、皆さんと考えを共有できることがとても嬉しいです)
Let me explain why it is wrong in detail in my presentation.
(私のプレゼンで、なぜそれが悪いか詳細を説明させてください)
また孫さんは、プレゼンにおいて「As I said~」をよく使っています。
As I said in the first part of my presentation, U.S. has been No.1.
(私がプレゼンの最初の部分で申し上げましたように、合衆国はNo.1であり続けています)
おわりに
いかがでしたでしょうか?
中学レベルの非常に簡単な英語「As I said~」はとっても便利なフレーズですね〜。
孫さんの場合、よく「As I said」だけで終わらせてしまうことがあります。それでも聴衆は、「ここが重要なんだな。」と感じちゃんと聞いてくれるのです。
最後に、以下に幾つか便利な言い回しを紹介しておきますので是非参考になさってください。
そして、これを機に、少しだけ英語の学習を始めてみてはいかがでしょうか
English Lesson ♡
知っていると役立つ単語「wise」。 「〜的」「〜に関しては」という使い方ができます。
例えば、「anywise」は「何事に関しても」、「moneywise」は「金銭面では」という意味になります。
《孫正義がよく使うセンテンス》
I’d like to say that 〜.
孫さんは、スピーチの最後で「I’d like to~」を多く使います。プレゼンの後半で、このセンテンスだけが何度も繰り返されることもあります。
ちなみに孫さんは、プレゼンの最初と最後に「Thank you very much」を使います。
このように、中学英語レベルのシンプルな単語やセンテンスであっても、使い方のポイントさえわかっていれば孫さんのように世界で十分活躍していけるわけなんです。
皆さんも、英語はポイントを効率よく覚え、後は本業の仕事に全力を注ぎ込みましょう