途上国の「貧困」「インフラ」問題と先進国の傲慢さは表裏一体?



突然ですが、ADB(アジア開発銀行)って何だかわかりますか?

これは、アジア太平洋地域の貧困をなくし生活を向上させる目的で1966年に作られた国際金融機関です。

本部はフィリピンのマニラにあり、67の国や地域が加盟しています。日本は最大の出資国で、歴代の総裁も出しているんです。

 

 

 

ADBは具体的に何をするところ?

ADBは、道路や橋、発電所といったインフラの整備に使うお金を、発展途上国などに低い金利で貸し付けています。国によっては無償で資金を提供する場合もあります。

 

 

 

ADBとAIIBが手を組む!

そしてこの度、日本やアメリカが中心のADBと、中国が主導するアジアインフラ投資銀行(AIIB)が手を組むこととなりました。

まずはじめに、パキスタンの道路建設事業で互いにお金を出し合うことになっています。今後、他の案件でも協力していくことになるでしょう。

 

しかし、2つの組織はアジアのインフラ開発で主導権を争うライバルなのです!

2015年12月に中国が中心となって設立したAIIBは、東南アジア諸国連合(ASEAN)各国や、ドイツ、イギリスといった欧州主要国を含む57ヶ国が創設メンバーとなりました (日本とアメリカは参加見送り)。

 

「融資基準や組織運営が不透明で中国の利益に繋がる動きをするのでは?」と懸念の声も…

 

では…

 

 

なぜ協力することになった?

お互いにメリットがあると判断したのでしょう。AIIBとしては、設立して間もなく融資の審査や貸し付けに関するノウハウが乏しいから、ADBの経験を吸収して事業拡大に繋げたい!

一方のADB側は、融資量が増えてより大きな案件が手掛けられることを期待しています!融資の審査などでもAIIBにADBの基準を守らせることができると考えているようです。

 

 

 

まとめ

アジアには年間8,000億ドルとも言われる膨大なインフラ需要があります。その資金を1つの国際金融機関で賄うのは到底無理なのです。その意味ではこの2つの機関が力を合わせるのは合理的!

ただ、これらの機関がそもそも何のために存在しているのかを見失ってはいけません。日米と中国の権利争いの場ではないのですから。

 

両機関協力が実際に始まると、いずれ対立していくことが容易に予想できますよね。そうならないよう、お互いの強みを生かし、発展途上国のためにしっかりと協力していけるかどうかが一番大事なことです。

う〜ん…しばらくは様子を見た方が良さそうですね。

 

 

追伸

リオデジャネイロ五輪では、残念ながらタイの女子バレーボールチームは出場できませんでした。

実力では日本に勝っていました!日本が敗れた韓国チームにも勝ちました!きっと、出場していればすごく面白かっただろうなぁ。

 

そしてもう一つ。猫ひろしさんはカンボジア国籍になり、マラソン競技のカンボジア代表としてオリンピックに出場しました。

カンボジア代表の猫ひろしさん

現在カンボジアに在住している猫さん

 

「どうしてもオリンピックに参加したい!」…

その執念、強い思いは痛いほどよくわかります。しかし、そんな一個人の願いとは別に、現地では「絶対反対!」という声も少なくなかったようです。

 

これはとってもデリケートな問題ですね。ラグビーの代表チーム同様、「国籍」っていったい何なんだろう?…と考えずにはいられません。

 

前述した「ADBやAIIB」と発展途上国の関係性も含め、「金と力」あるものが途上国とどう対峙していくべきなのか、国際関係はどうあるべきなのか。

 

「強い者勝ち」で全ての事を進めていけばいずれ必ず (第三次世界大戦のような) 大惨事が起こってしまうのでは?

皆さんはこれらの問題をどう考えますか?