地震大国イタリアにこれから旅行に行く人が注意すべきこと



2016年、イタリアで大きな地震が発生しました。アマトリーチャをはじめ、いくつかの街で建物が崩壊してしまったのです。溜め込まれたエネルギーが解放されてしまったのでしょう(2017年に入ってからも…)。

それでも、イタリアの古い街並みが鉄筋コンクリートのビルに変わることはありません。建て直される建物は、以前と同じ外観を保ち続けることでしょう。

 

国全体が世界遺産のような街並みを誇るイタリアで、石やレンガを積み上げた美しい構造の建物群が残されていくのは我々旅行者にとって大変ありがたいこと。しかし、安全面を考えると、近代技術を網羅した鉄筋コンクリート製のビルに変更した方がいいのでは?という気がしないでもありません。

電柱と電線だらけ、おまけに太陽光パネルで景観を崩しまくっている日本でなら、この際新しい建物にしてしまおうという声も高まることでしょう。耐震強度重視の建物に作り変えられるはずなのです。

 

しかし、イタリアではそうはなりません。耐震面では非力にうつる構成の、古くから続いてきた街並みが再現されていくはずです。安全性よりも、街並みの持続性が優先される国、それがイタリアなのです。

私はそんな誇り高きイタリアがだ〜い好き♡

 
 
 

安全と景観、どちらが大事?

2014年、スイスの高山鉄道で事故が発生しました。山上からなだれ落ちてきた土砂が列車に当たり、惨事を引き起こしたのです。この時、スイス政府はどんな対応をとったか覚えていますか?

「安全第一」で対処するであろう日本なら、迷うことなく落石の起こりそうな山肌をコンクリートで覆ってしまうことでしょう。しかし、スイスはそんなことはしません。相変わらず、岩がポロポロこぼれ落ちているところを鉄道は走っているのです。

 

美しい景観にこだわり続けるヨーロッパ諸国…

素敵ですね〜 ♡

 

もちろん、安全を最優先させる日本的な処理がダメだと言っているわけではありません。ただ、旧観の保全を優先するイタリアの被災地に目をむけ、歴史・文化・遺産の大切さについてもう一度深く噛み締めてほしいとは思うんです。

そして知っていただきたい!安全性を、日本ほどは気にしない文化圏もあるのだ、と。

 
 
 

地震!イタリア旅行への影響はあるの?

イタリアの大きな国際空港といえば

・ローマのフィウミチーノ空港
・ミラノのマルペンサ空港

です。

2016年に大地震が発生した場所の一つは、ミラノとローマの中間地点にあるイタリア中部の町ノルチアです。これだけを見れば、ミラノやローマに観光旅行で行く分には問題なさそうですが、日本同様、今後の地震についてはどこで発生するかわかりません。南部のナポリ近郊は少しヤバい気もします。

ただ、地震に関していえば、日本以上に危険なところはないのではないでしょうか。

個人的には、インドネシアのスマトラ島近辺とネパールはインフラが弱いので日本より危険な気もします。

 

というわけで、

地震発生直後を除けば、地震を理由にイタリア旅行を中止する必要はないでしょう。

 
 
 

これから旅行に行く人が注意すべきこと

まず第一に、「もしかしたら地震が起こるかもしれない」という気持ちをどこかに持っていることは大事です。

そして、

万が一被災してしまった場合、水道水はできるだけ飲まないようにしましょう。お腹を壊します。それでも、生死のかかった状況であれば水道水であれなんであれ、飲んで生き延びてください。

 

あとは…

正直「運頼み」しかありません。

まともなアドバイスにならず申し訳ありませんが、ただ一つ言えることは「イタリア旅行は行きたい時に、行ける時に、普通に行きましょう!」ということです。

 

日本を含め、世界において、「いつ、どこで、何が起こるか」は全く予想できません。もしかしたら明日、近所を歩いている時に、車にひかれ亡くなるかもしれません。

それならば、悔いを残さぬよう、思いっきり海外旅行を楽しもうじゃありませんか!

 
 
 

終わりに

「人を呪わば穴2つ」という諺があります。これは、他人の不幸を願ったりすると自分に不幸が起きるという意味です。イタリアはなんとなくこれを連想させます。

2016年6月24日、イギリスが国民投票でEU離脱を決めたとき、飛び上がらんばかりに喜んだのがイタリア人でした。なぜなら、イギリスが離脱すればイタリアはEU第3番目の大国となり地位が向上するからです。

フランスとドイツも、目の上のタンコブ的なイギリスが抜けた事でEU内の地位が強化されると言っていました。

 

結局、

ドイツでは難民とテロが深刻化し、フランスも同様に、政権交代が望まれるような状況に陥っています。

EUを支えてきたドイツ経済はどんどん落ち込み、イタリアにはEU離脱政党への支持が広がり、経済は思わしくなく、そして、大地震に襲われたのです。

地震前の美しい街並み in Italy!日本人にも人気の町でした!

 

例えば、2016年4月14日に発生した熊本地震はマグニチュード7.3で震度7。これに対してイタリアの地震は震度6程度とされています。ただ、被害を大きくした原因は「観光の目玉となっていた古い街並み」です。大半が石造りだったので簡単に崩れてしまったのです。

イタリアは火山が多く地震も多い国。1997年と2009年にも大きな地震が起きています。

 

ナポリ近郊にあった古代都市「ポンペイ」…

私たちが生きてるうちに大噴火 & 大地震が起こるかどうかはわかりませんが、人気観光地であるがゆえに、災害が発生すればひとたまりもありません。

 

「もしかしたら…」の気持ちだけは忘れずに、旅を楽しんでもらえたらなと思います。