アフリカで結核薬の副作用緩和対策として日本のお灸が大活躍!



結核は、単一の感染症としては世界で2番目に死亡者数の多い非常に厄介な疾患です (1番目はHIV / AIDS) 。年間、1,000万人もの人々が結核に罹患し、年間、150万人もの人々が死亡しています。

死亡者の95%は低所得国で発生しており、それらの国々では五大死因の一つとされています。また、HIVとの関連性もあり、HIV感染者の死因の5分の1を占めています。

 

それでも、年々少しずつではありますが、1990年頃と比べると減ってきているのも事実です。結核は、空気感染によって人から人に広がる疾患ですが、予防 & 治療が可能な疾患でもあります。

(世界の総人口のおよそ3分の1は結核菌に感染しているものの、発症はせず、他の人にうつすことのない潜在性結核感染症の状態にいます)

 

結核菌に感染している人が生涯で結核を発症するリスクは10%です。しかし、HIV感染者や栄養失調者、糖尿病患者、喫煙者などの免疫力が低下している人たちは、発症リスクがずっと高くなるのです。注意しましょう!

 

 

結核の症状と診断・治療

結核は世界中で発生しています。その中でも、東南アジアや西太平洋地域、サハラ以南のアフリカが最も多い地域です。ただ、ブラジルや中国、カンボジアなどでは結核の有病率がこの10年ほどで半減してきています。

この、世界中に災いをもたらす結核ですが、主な症状としては「血痰を伴う咳」「胸痛」「脱力感」「体重減少」「発熱」「寝汗」などです。

 

多くの国では、依然として顕微鏡による検査に頼っています。つまり、この方法では感染菌数の少ないタイプの結核患者を発見することは難しいのです。

また、多剤耐性結核やHIVが関係する結核の診断はもっと複雑です。現在、結核の診断と薬剤耐性の有無の確認を非常に効率的に検査できることが証明された、2時間で検査できる新しい方法が多くの国で使われ始めています。

ただ、小児での診断は未だ困難な状況下にあります。

 

 

薬の副作用緩和に日本のお灸が大活躍!

結核で、毎日約2,000人が亡くなるとされるアフリカで今、「治療に伴う薬の副作用を和らげる」として、日本のお灸が活用され始めています (これは、日本で戦前に行われていた研究がもとになっているそうです)。

抗生物質が今のように普及していない1930年代、灸に関する論文を残した原志免太郎(しめたろう)医師が取り組んでいた結核治療の研究をもとにして、今のお灸活動がアフリカで広まってきているのです。

例えば、ウガンダや南アフリカでは看護師らにお灸のやり方が指導され、結核の治療薬を服用中の患者たちに活用されています。

半年以上も飲み続けなければならない薬には関節痛や食欲不振などの副作用があるわけですが、「お灸」により症状が緩和する傾向がみられるそうです。

 

治療薬の投与のみと、治療薬 + お灸では、お灸をした患者の方が他人に感染させにくくなり、また、関節痛も和らいでいるようです。

これは「免疫力が高まったため」と考えられています。

結核はエイズに次いで世界で2番目に死亡者の多い感染症です!

 

結核は南部アフリカの鉱山業にとって深刻な問題です。南アフリカでは、金鉱労働者の10万人に2,500〜3,000人ほどが新たに結核に感染しています。非常に高い罹患率です。

 

過酷な労働環境・・・

劣悪な生活環境・・・

HIVの蔓延・・・

貧困・・・

 

これらが鉱山労働者たちの高い罹患率の原因なのです。

南アフリカの鉱山では近隣諸国からの多くの出稼ぎ労働者が働いているにも関わらず、国境を越える結核対策が整備されていないため、労働者の移動により結核が周辺国に蔓延していっているのです。

 

結核を効果的に封じ込めるためには、国境を越えた結核対策が必要です。

それと同時に、比較的安価で水も電気も要らない「お灸」が役に立つのであれば、こんなに嬉しいことはありません。
 

さらなる研究が進められていくことを心より願っています。