現地で飲みたいアジア各国のお酒。日本でも結構飲めるようになりましたが、やっぱり現地の料理を食べながら、現地の風を浴びながら、グビグビっと飲みたいものですよね。
しかし、アジアには密造酒なるものが多く存在しています。好奇心で手を出してはいけません。
よく死亡事故の記事を目にしますよね。
無茶はいけません。
絶対ですよ。
お願いします!
インドではよく起こる密造酒による健康被害。その一例を紹介しておきましょう。
インド北部のウッタルプラデシュ州エタで、密造酒を飲んだ労働者17人が死亡、十数人が重体となりました。
被害者は、密造酒を飲んだ後具合が悪くなり、おう吐したり激しい腹痛や視力障害を訴えたりしたといいます。
警察は過失殺人の容疑で捜査を開始し、販売業者を逮捕。「この業者は明らかに何らかの化学物質を混ぜていた。」そうです。
インドネシアのジャワ島中部ジョクジャカルタ近郊では、密造酒を飲んだ26人が死亡しました。犠牲者の大半は学生。
このうち22人はエタノールと水、果物を混ぜた密造酒を2人組から購入。4人は別の商人から密造酒を買った模様です。
当時、すごく若かった私は、違法のものを手に入れるというワクワク感でどうしても密造酒が飲んでみたくなりました。
今の私であれば、「そんなバカなことは絶対にするな!」と断言するのですが…当時の私は若かった。
現地の人から「○○に行けばお酒買えるよ」と言われ、御法度のアルコールを求め○○に向かったのです。
そして、いかにも悪そうな売人と遭遇。この売人を見て、「あぁ、この国でお酒を買うってことは本当に危険なことなんだなー」と改めて実感。
値段交渉してみると、ビール1缶500円ほど。
「高い!」
(イランの物価からするとべらぼうに…)
他をあたってみようとブラブラしていると、テヘラン大学の学生さんと出くわし、彼にお酒のことを聞いてみると「僕は買ったことないけど、面白そうだから手伝ってあげるよ」と。
しばらく歩くと、道端の椅子に座っている見るからに怪しそうなオヤジを発見。話しかけると、やはりアルコールの売人。ビンゴー!
さっそく、どんなアルコールがあるのか聞いてみると…
「ウォッカはイラクで作られたものが多く、どんな成分が入っているかわからないし、かなり質は悪いよ」とのこと。
(何のお酒かはわからないが)
「それとは別に、地元の売人グループが作った酒が750ml600円であるよ」と提案され、
「じゃあそれを見せて」と私。
3人で薄暗い裏通りを5分ほど歩いただろうか。売人は不意に立ち止まると「600円出せ」と言うではないか。
まあ、たいした金額でもないので売人を信じてお金を渡すと、「酒を受け取ったらもう話かけてくるなよ。渡した瞬間から俺とお前は赤の他人だ」
こんなことを言われてしまった私は
「今、自分はとんでもないことをしているんだ」と改めて実感。ドキドキである。
しばらくすると男が現れ、約束の物をすれ違いざまに渡すと、そのまま去っていってしまった。
・・・
大通りに戻り、学生と二人で物を確認して見ると、どうやら中には本当にアルコールが入っていそうな瓶が1本。
とても悪いことをしてしまったような、何とも言えない不思議な感覚が襲ってきたのです。
と同時に、「中身は本当に大丈夫なのだろうか?」「これを飲んだらとんでもないことになるんじゃないだろうか?」と不安になり…
「僕は飲まないよ。安全面が信用できないからね。捨てよう。でも、もし君が欲しいのならあげるよ。」と私。
そう言って学生さんの反応を見てみると、彼も疑心暗鬼な表情でありつつ、興味津々な様子で、「飲むかどうかわからないけど、君が要らないのなら一応僕がもらっておくよ」とニンマリ。
きっと、後で仲間たちと飲んだんだろうなー。
日本では、美味しいお酒がリーズナブルな値段で手に入りますので、手作りのお酒に巡り合う機会は滅多にありませんが、海外に出るとしばしば手作りのお酒を見かけます。
そもそも、お酒なんて糖分を発酵させれば簡単にできるもの。
ただ、日本では酒税法というものがあり、手作りでお酒を作ると立派な犯罪になってしまいます。国はどうしても税金を取りたいんです。
ところ変わって、冒頭で話したインドなどでは、宗教上の理由でお酒を飲むことができなかったり、そもそも「お酒は良くないもの」と考えられていたり、取り締まりが厳しかったり…
そこで密造酒が存在するわけなのですが、死者が多発していることからも分かる通り、成分や衛生面に問題があります。
なので本当に興味本位で飲んじゃダメですよ!
さて、
理科の実験よろしく、(法に触れない範囲で) 自分でお酒もどきを作って見たい方は、ググってみれば「作り方」を記載した記事がありますのでご参考までに。
案外簡単に、美味しいものが作れますよ。
それでは!