ミャンマー北部で少数民族との「資源戦争」勃発



ミャンマー北部の少数民族武装勢力の拠点であるシャン州の村で、砲撃によって2歳の女児1人が死亡、子ども2人が負傷しました (2016年秋)。

砲撃を受けたのは、中国と国境を接するプワン村。この村では、少数民族の武装勢力が長年国軍と交戦しているのです。

 

悲しいことに、この地域では武力衝突が散発的に発生しており、大勢の住民が避難を余儀なくされています。

このことが、アウン・サン・スー・チー(Aung San Suu Kyi)国家顧問が積極姿勢を示している和平実現への熱意に水を差してしまっているのです。

 

 

 

紛争の犠牲となる子供たち

ミャンマー、カチン州の地図

村のカチン(Kachin)族の指導者は、「砲撃は子どもたちが遊んでいた所に…村に向けて、強力な砲撃が6回もあったんだよ」と語っております。

ちなみに、死亡した2歳の女児はこの指導者のおいの娘でした。この他に子ども2人(5歳と6歳)が負傷し、越境して中国の病院に連れていかれたということです。

 

この砲撃を行ったのはミャンマー国軍…

 

国軍は何のコメントもしていませんが、約1か月前、スー・チーさんは少数民族武装勢力との停戦に向け和平協議に乗り出したばかりだったのです。

しかし、その後も国境地帯では武力衝突が続いているのです。

 

 

 

泥沼の「資源戦争」

ミャンマー少数民族と国軍の資源戦争

ミャンマー北部カチン州では、ミャンマー国軍と少数民族武装勢力のカチン独立軍との間で泥沼の「資源戦争」が繰り広げられています。

長らく停戦状態にあったのですが、2015年、停戦協定が破綻したのをきっかけに、激しい戦闘が展開され、以降、最大7万人の住民らが避難を余儀なくされているのです。

 

地元の実業家グループが停戦交渉を進め、交渉を重ねた結果、政府軍に戦闘の中止を命じる大統領令の発令にまでこぎつけたものの、

政府軍はこれを無視し、さらに多くの部隊を投入し続けているのです。

 

「大統領はボクシングの試合の審判のようなものだ。『終了』と言えば戦いは中止しなければならない。だが、実際はそうなっていない」
 

実は、中国とインドに挟まれているカチン州には豊富な自然資源があり、これが内戦の原因であり、停戦の障害になっていると考えられています。

 

「木材、ひすい、金。カチンの自然資源は全部、ミャンマー南部の開発のために投じられている。カチンの開発はしないのか?」
 

カチンの天然資源については、ミャンマー政府と親密な関係を持つ中国企業や地元実業家らが政府から権利を獲得したとの臆測も上がっており、

また、中国に電力を供給するための水力発電施設をカチン州に建設する計画も複数立ち上がっているようです。

 

「これは資源戦争だ。カチンの富を支配するための戦争だ」

「カチンの住民にはほとんど利益が回ってこない上、この戦いで苦しめられている」

 

 

 

終わりの見えない紛争
カチン州、少数民族のお祭り
カチン州、少数民族のお祭り

 

国際人権団体アムネスティ・インターナショナルは、最新の報告書で、政府軍による少数民族への「無差別攻撃」は「戦争犯罪」に相当と批判しています。

また、少数民族側に対しても、少年兵と地雷を用いていることを非難。

 

また、上記の紛争とは別に、

ミャンマー西部ラカイン州では、イスラム教徒の少数民族ロヒンギャ人数万人に避難を強いた宗教紛争の現状を調査に訪れた前国連事務総長のコフィ・アナン氏に対して、強硬派の仏教徒ら数百人が罵声やブーイングを浴びせました。

アナン氏は、ミャンマー新政権を事実上率いるアウン・サン・スー・チー氏に委任され、深刻な分裂および貧困にあえぐ同州の傷を癒やす方法を探るために現地入りしたのですが。。。

 

バングラデシュとの国境に位置するラカイン州では、2012年以降、仏教徒のラカイン人とイスラム教徒のロヒンギャ人の間で激しい衝突が相次いでいます。

これまでに殺害された100人以上の大半はイスラム教徒の人々。また、数万人のロヒンギャ人たちは国籍を与えられておらず、医療など基本的なサービスを欠く荒れ果てた避難民キャンプでの生活が強いられているのです。

 

ロヒンギャ問題…

人権団体から批判を浴び続けているスー・チー氏…

 

そこで、何とかしたいスー・チー氏はアナン氏を問題解決のための諮問委員会の委員長に起用したのですが、

この紛争、一筋縄ではいかないようです。

 

空港に降り立ったアナン氏に対し、地元の仏教徒らは敵意をあらわにし、

「偏見をもつ外国人がラカイン州のことに介入をするな」

 

などと書かれたプラカードを掲げるとともに、「コフィ率いる委員会はいらない」など、罵声やブーイングを浴びせたのです。

 

 

 

 

オランダ人観光客拘束

ミャンマーで拘束逮捕される外国人旅行者

ミャンマー第2の都市マンダレー(Mandalay)では、深夜に仏教の講話を流していたスピーカーのケーブルを引き抜いたとされるオランダ人観光客1人が、宗教に対する侮辱罪の容疑で拘束されました。

現地警察によりますと、オランダ人男性のクラースさん(30)は、宿泊していたホテルからほど近いホールで講話を流していた音が「うるさい」として、ケーブルを引き抜いたのです。

 

クラースさんは警察署に勾留され、その後拘置所へ移送。容疑は「宗教侮辱罪」だそうです。

もし有罪になれば、最高で禁錮2年と罰金が科されてしまいます。

 

仏教大国のミャンマーでは、これまで複数の外国人が宗教侮辱罪で有罪となっています。

(ブッダのタツゥーを入れていたスペイン人が国外退去処分を受けた事件などもありました)

 

皆さんも、ミャンマーへ旅行で行かれる際にはくれぐれも気をつけてくださいね。

 

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