地震大国インドネシアの高速鉄道受注はやっぱり中国でなく日本に?



ASEAN地域の中で地震リスクが特に高いと考えられるのはフィリピン、ミャンマー、そしてインドネシアの3カ国になります。

その要因は、この3カ国がプレートの境界線近くに位置しているから。これらの地域では地震や火山活動が活発なのです。

 

 

インドネシアの地震について

スマトラ島沖のスンダ海溝では、インドーオーストラリアプレートとスンダプレートがぶつかっています。そのためインドネシアでは度々巨大な地震が発生しているのです。

2004年以降は特に急増しています。2004年と2009年にはスマトラ島沖地震が発生し、2006年には2度、ジャワ島で大地震が発生しています。2014年、2016年にも度々…

 

地震はいつ襲来するか予測が難しい災害の一つです。インドネシアへ旅行の際には、万が一に備え、緊急時の対応計画も立てておいた方が良いでしょう。

 

 

宗教対立を煽りかねないデモ

インドネシアで勃発するデモ

インドネシアのジョコ大統領は、キリスト教徒のジャカルタ特別州知事バスキ氏がイスラム教を侮辱する発言をしたとして首都ジャカルタで計画されている大規模抗議デモを、「宗教対立をあおり騒乱を招くので控えてくれ」と国民に冷静な行動を呼び掛ける異例の声明を発表しました (2016年秋)。

 

その上でジョコ大統領はこう述べています。「抗議デモや表現の自由は民主的な権利だが、破壊や無秩序な行為は取り締まる」と。

インドネシアは国民の9割がイスラム教徒の国です。多数派絶対なわけではありませんが、中東で勃発しているような物騒な宗教対立にならないよう、願いばかりです。

 

 

高速鉄道、日本に協力を要請

インドネシア政府は首都ジャカルタと第2の都市スラバヤを結んでジャワ島を横断する既存鉄道 (約750km) の高速化計画について、日本に協力を求めています。

これは、2015年に日本を蹴落として中国が受注した高速鉄道の建設が進んでいないため。一度は日本を裏切り中国になびいたインドネシア。ここにきて日本の高速鉄道技術を導入することになるのでしょうか。

 

日本と激しく争った末に中国が受注した高速鉄道事業は現在、設計上の不備や用地取得の難航により建設が進んでいません。それでもなお、別の鉄道高速化計画に触手を伸ばそうとする中国に対し、インドネシア政府の信頼感は低下するばかり…

そこで、JR東日本が使っていた中古車両を譲渡し、運行も支援する日本に対し、今また、受注への機運が高まってきているのです。

アジアの高速鉄道受注で争う日本と中国

現在、ジャカルタ~スラバヤ間はおよそ12時間かかりますが、時速150kmの高速運転が可能になれば約5時間に短縮できます。ここはも輸送量も多い重要路線で、総事業費は30億ドル (3,150億円) と見込まれています。

受注できれば日本にとっては非常に大きいのです。

 

ただ、不安材料もあります。中国側はインドネシアがどんな提案をしても「できる!」と答えるのに対し、日本は、技術や完工時期など全てを勘案し、すぐに良い返事をしない「生真面目さ」があるのです。このことが交渉であだとなる可能性があります。

2015年の交渉では日本側の提案・条件が合わなかったことを考えると、今回の交渉でも、合意に至るにはいくつものハードルがありそうです。

 

しかし、

できれば将来、日本受注の高速鉄道でインドネシア国内の旅を満喫したいものですね。