街角に死体、フィリピン「麻薬撲滅戦争」の実態



フィリピンのロドリゴ・ドゥテルテ大統領は、「ダバオ市長時代に法務省職員を射殺し、反対派らの殺害を命じていた」と、上院の公聴会で暗殺部隊元隊員に証言されてしまいました。

ドゥテルテの命令で殺害された人の数。。。

25年間で1,000人…

生きたままワニの餌になった犠牲者もいたとか。

 

犠牲者の多くは首を絞められたり、燃やされたり、バラバラにされたりした後、暗殺部隊の一員だった警察官が所有する採石場に埋められたそうです。

また、海に遺棄され魚の餌になった人々も…

 

「暗殺部隊の任務は、犯罪者・レイプ犯・麻薬密売人・ひったくり犯、そしてドゥテルテ一族に敵対する人々を殺害することだった」

「ほぼ毎日、人を殺していた」

「ダバオの市民はニワトリのように殺処分されていた」

 

ドゥテルテ大統領の報道官によれば、「この疑惑については過去に調査済みで、訴追は行われなかった」とのこと。

また、大統領の息子パオロ・ドゥテルテによれば、「そんなのは狂人による単なるうわさ話に過ぎない」とのこと。

 

そして、

ドゥテルテ氏が大統領に就任して2ヶ月半の間に、3140人もの人々が射殺などにより国家に殺されているのです。

 

 

街角に死体、フィリピン「麻薬撲滅戦争」の実態

【AFP記者コラム】街角の死体、地獄絵の刑務所──フィリピン「麻薬撲滅戦争」の実態

「犯罪者を殺害して一掃する!」との公約を掲げ、大統領選で地滑り的勝利を果たしたフィリピンのドゥテルテ大統領。

その公約は、南部の都市ダバオ (Davao)の市長を20年間務めた時代に、非情な治安対策を指揮した経験に裏打ちされたものでした。

当時のドゥテルテは、暗殺部隊を使って上記のような殺害を繰り返していたのです。

 

現在、フィリピンでは麻薬関連の容疑者たちが毎月1,000人以上も射殺されていっている状態。

加えて、何千人もが拘束され、予算不足で過密状態の刑務所に長期間押し込まれている有様なのです。

 

ドゥテルテが大統領になってから数日後、警察は酔っぱらいや大人の付き添いがない子ども、上半身裸の男性たちを検挙し始めました。地域レベルで夜間外出禁止令を施行していったのです。これまでにはなかったことです。

 

ここだけ聞くと「おっ、治安改善に向けて本当に実行しているんだな」「エライッ!」と思うかもしれませんが、それから数週間後、遺体の山が築かれ始めたと聞いてどう思いますか?

 

警察官は自分の手柄 (射殺) がメディアに報道されることを喜び、記事を切り抜いてデスクに飾っているほどの異常事態でもあるのです。

今日も、マニラ北部のイスラム教徒が多く住むスラム地域では、麻薬犯罪の容疑者たちが殺害されていっているのです。

 

 

容疑者の亡きがらを抱く恋人

2016年夏、往来の激しいマニラの交差点で人力車の運転手が銃殺されました。犠牲者のガールフレンドは警察の立ち入り禁止テープを越え、死んだ恋人を抱きかかえ、助けを求めて叫んでいます。

この場面──インターネット上では「ミケランジェロの彫刻「ピエタ (Pieta)のようだった」として広まりました

現場には多くのフォトグラファーがいて、シャッターを切り続けていたようです。

 

そんな中、女性は「写真を撮っていないで私たちを助けて!」と泣き叫んでいたのです。

 


最終更新日:2017/11/25