昨今、同性愛や性同一性障害など性的少数者(LGBT)をめぐる問題が政治領域で高い関心を集めています。
そんな中、
台湾は、性的少数者の権利擁護において、アジアで最も進んでいると言われています。実際、台北の街を歩いていると、同性カップルが楽しそうに手を繋ぎデートしている姿をたびたび見かけます。
周囲の人たちも、特に「物珍しい」とか「「不思議だ」といった目で見る様子はありません。
そんな台湾で、「同性婚を合法化する法案」が早ければ2016年度中にも立法院(国会)に提案される見通しとなりました。
成立すればアジア初!
LGBTの人権保障に向けた法整備という観点からすれば、やはり欧米諸国の方が一歩も二歩も進んでいるわけですが、しかし、
例えば韓国では2005年に「合理的な理由なく、性別、宗教、障害、年齢…性的指向、学歴、病歴などを理由とする」雇用や教育における排除や不利に待遇する行為を『平等権侵害の差別行為』として法律に定めました。
台湾では、2004年にジェンダー平等教育法が成立し、これによって教育領域におけるジェンダーや性的指向、性自認などを理由とした差別の解消が急速に広がっていったのです (違反者に対しては罰則も)。
2015年4月に東京渋谷区で成立した「同性パートナーを結婚に準ずる関係」と定めた条例が世論を喚起して以来、やっと、少しずつ、LGBTに対する差別の解消に向けて動き出したばかりなのです。
「ストレスのない街です。生活のすごく基本的なところが満たされてる…そんな感じの街なんですよねー。」
こう話すのは、現在台湾に住む日本人のゲイAさん。恋愛対象はもちろん男性です。Aさんが自身のことを「ゲイである」とはっきり認識したのは大学生の頃でした。
「これからずっと、『素の自分』を隠して生きていかなければならないのか…」
Aさんはいつも、暗いクローゼットに閉じ込められたような日々を過ごしていました。それを変えたのが旅で訪れた台北だったのです。
- 大都市なのにせかせかしていない街台北
- プラス思考で自然体の台湾人
生活費は日本より安く、食べ物も美味しい。そして何より、街には大規模な同性愛者のコミュニティーがあり、LGBTの権利をアピールするアジア最大規模のパレードも毎年催されているのです。
「ここなら自分そのものでいられる」
Aさんは思いました。
2016年1月の選挙では、LGBT支援を掲げる新党「時代力量」が5議席を得ました。
台湾ではすでに、職場や学校での性的指向に基づく差別は禁じられ、台北や高雄など主要都市では法的拘束力はないものの同性カップルをパートナーと認める取り組みが始まっているのです。
一方で、同性婚合法化をめぐっては社会の理解はまだ十分とは言えません。反対派の人たちも、やはりある一定の割合は存在しているのです。
しかしそれでも、
何とか2020年までには同法案を成立させてもらいたい!
日本社会は島国だからでしょうか。同調圧力が強く働いています。違う価値観を尊重する必要があるにも関わらず…
同じ島国として、台湾の革新的な取り組みが日本にも良い意味で影響してくることに期待しましょう!
台湾にとってLGBT政策は、自由と人権、多様な価値観を尊重する「民主化後の台湾社会」を象徴する大きな政治課題の一つです。台湾の主体性を重視する立場からすれば、人権抑圧が続く中国との違いを明確に打ち出せるテーマでもあるのです。
頑張れ!台湾!
変わろう!日本!