ベトナムの治安情報【まとめ】



「ベトナム 治安」で検索すると、「ベトナムは治安が良い」という内容の記事をよく目にします。外務省の海外安全情報を見てみても、ベトナム全土で命を脅かすような危険は少ない状態にあります。ベトナム公安省発表の犯罪統計を見てみても、殺人・暴行などの重犯罪は少なく、スリなどの軽犯罪がメインとなっています。

しかしながら海外旅行は、どこの国に行っても多少のトラブルは付きものです。せっかくの楽しい旅行が嫌な思い出にならないためにも、危険に巻き込まれる可能性をグッと下げる努力は必要です。

 

治安は悪化傾向に?

近年の経済発展に伴い、「貧富の格差拡大」や「地方貧困層の都市部流入」などが発生し、治安状況は悪化傾向にあると言われています。殺人などの凶悪犯罪は少ないものの、「路上強盗」「外国人住宅への忍び込み」「繁華街でのひったくり」「スリ」「置き引き」などは多発しています。日本人旅行者も、空港・市場・路上・ホテル・レストラン等で旅券・現金などの貴重品を盗難に遭うケースが頻繁に報告されています。

ちなみに「世界の治安ランキング2019」ではベトナムは57位となっています。ベトナム各地を周ってみると総合的に東南アジアの中では比較的良好だといえますが、ハノイやホーチミンなどの都市部では、外国人が「スリ」「ひったくり」「置き引き」「詐欺」などの軽犯罪に巻き込まれるケースが多く、治安が良いとは言えません。ダナンやフエなどは、比較的危険度が低いと言われています。

 

 

気をつけるべき犯罪と対策

ベトナムは「スリ」「ひったくり」「詐欺」などの軽犯罪が多い国の一つです。そのため、観光目的で訪れる際には、あなた自身もその被害者に遭うことも考えられます。十分に注意が必要です。

 

① スリ

ベトナムで一番気をつけるべき犯罪…それはスリです。観光客が多く集まる通りや市場、ナイトマーケットでは特に注意が必要です。海外のスリはグループで行うプロフェッショナル集団!「1人がわざと自転車を倒し、注意を逸らして仲間が盗み取る」「バスの中を集団で囲み、バッグから貴重品を抜き取る」「物売りの子供に話しかけさせ、その隙に盗む」…

 

《対策》

日本人というだけで狙われます。いつでもどこでも気を引き締めて!貴重品は必要最低限、マナーベルトなどに入れて持ち運ぶようにしましょう。鞄はできるだけ自分のお腹に抱えるよう意識を持ってください。後ろに背負っていると、知らぬ間にナイフで切られて中身を盗られます。

 


② ひったくり

ベトナムではひったくりもよく起きています。特に狙われるのはスマホ。歩きスマホをしていると、バイクにサッと持っていかれます。

《対策》

バイクや自転車の往来の激しい道路端ではスマホを使わない!荷物は車道側に持たない!

 


③ ぼったくり

タクシーやバイクタクシー、個人商店、露店、ガイドの客引き、両替商などに関するぼったくり被害が多く報告されています。特に「日本人」「女性」というだけで強気にぼったくってきます。かつぎ棒を肩にかけて声をかけてくる売り子は要注意!記念写真を撮って法外な写真代を請求してきます。また、「これプレゼント」といって飲み物などを渡してくる輩にも要注意!受け取った後に法外なお金を要求してきます。

《対策》

タクシーやバイクタクシーを利用する際は、「タクシー?と向こうから声をかけてくる運転手」「メーターを使わない」「メーターの切り替わりが早い」などには十分注意しましょう。「何かおかしい」と感じたらすぐに降りましょう。レストランや屋台などでもそうですが、値段は事前に確認する習慣を身につけましょう。財布の中身を相手に見せる行為も避けなければなりません。レストランや露店、両替商などでも平気でお釣りのごまかしをしてきますので、十分注意してください。

 


④ ドラッグ

バックパッカーが多く集まる通りでは、「ハッパ、ハッパ!」と声をかけてくる輩がいます。これは薬物の売人です。

《対策》

絶対に立ち止まったり、興味のあるフリをしないようにしましょう。

 


⑤ 詐欺

ベトナムは優しく親切な人が多い反面、達者な日本語を武器にうまい手口でお金を騙し取ろうとする詐欺師も横行しています。

《対策》

特に日本人女性は被害に遭いやすく非常に危険なため、拒否してはっきり「NO」と言いましょう。

 

 

ベトナム主要エリアの治安事情

🔵 ハノイ

街全体的に、「スリ」「ひったくり」「詐欺」「タクシー乗車の不当請求」など様々な事件が発生しています。覚せい剤常習犯やアルコール中毒者などもいます。なので、あなた自身が十分気を付けることが大切です。

 


🔴 ダナン

ダナンはベトナム第3の都市ですが、日本領事館や日本大使館はありません。そのため、もし何らかのトラブルに巻き込まれたとしても、自身でハノイの日本大使館まで移動しなければならなくなる可能性があります。治安は、バイクによるひったくりやスリ、タクシー乗車時の高額請求など、軽犯罪が多いものの、パスポートを失くすと大変なので十分注意してください。

 


🔵 ホイアン

ホイアンでは、人が多く集まる旧市街やナイトマーケットなどで「スリ」「置き引き」「スマホやパスポートなどのひったくり」が多く発生しています。また、交通ルールを遵守しない人が多く安全面が懸念される地でもありますので、出歩く際は車やバイクの動きに十分注意しましょう。

 


🔴 ホーチミン

サイゴン川を挟んで南側は特に低所得者が住む地域となっているため、「ひったくり」「スリ」「暴行事件」などが多発しています。また、ホーチミンの全体的な治安をみても、街中では「タクシーの不当請求」や「置き引き」「詐欺」「勧誘」「お釣りのすり替え」などの被害が多発しています。

 

 

観光客を狙った犯罪例

《事例1 : 強盗》

バイクタクシーの運転手に誘われカフェに行き、ビールを2〜3本飲んだだけで高額請求をされてしまいました。警察に通報しようとすると店員に殴られ、所持金を奪われ、店外へ追い出されたのです。バイクタクシーやタクシー運転手には悪いやつが多いため、楽しげな「誘い」にはくれぐれものらないようにしましょう。

 


《事例2 : バイクタクシー》

バイクタクシー運転手に観光案内をしてもらった後、自宅に誘われ飲食しました。その後、売春宿へと連れていかれそうになったのでこれを拒否すると、「バイク代」「飲食代」として法外なお金を請求されました。知らない人から話しかけられても、ホイホイついて行かないようにしましょう。

 


《事例3 : バイクタクシー》

バイクタクシーの運転手にクルーズ (1日$10) の勧誘を受けて参加したところ、その後法外な高額請求をされました。「払わないと岸に帰さない」とまで言うのです。「バイクタクシー及びタクシー運転手は観光客に被害を及ぼす可能性が高い」と覚えておきましょう。

 

 

おわりに

ベトナムではお釣りを持っていないタクシー運転手が非常に多いので、細かいお金を常に用意しておきましょう。数千ドンの細かいお釣りはもらわないのが一般的です。また、ベトナム旅行で気をつけるべきは、パスポートのコピーを必ず持参すること。これは、万一パスポートを盗まれてしまった場合に帰国できなくなってしまうことを防ぐためです。海外旅行保険に加入しておくこともお忘れなく。旅行中、病気やケガなどのアクシデントに遭った場合、金銭的な補償以外に日本語によるサポートを受けることができます。

中級レベルのホテルでも安心はできません。セーフティボックスに預けるのは当然として、基本は自分自身でしっかりと管理しておくべき!そして、夜間の不要な外出は控えるようにしましょう。