ベトナム旅行に必要な基本情報【まとめ】



ベトナムには、フランス統治時代の面影が残る首都「ハノイ」や大都市「ホーチミン」、世界遺産の「ハロン湾」、ビーチリゾートの「ダナン」、古都「ホイアン」など、世界的人気観光地がたくさんあります。加えて、(日本人のような) 勤勉な国民性と美味しいグルメ、安い物価が魅力で、タイや韓国、台湾よりも格安で海外旅行を楽しむことができます。

そんなベトナム (日本からの所要時間は5〜6時間) を旅する前に「知っておくべき基本情報」を簡単にまとめてみました。

 

基本情報

◉ 公用語 :ベトナム語

◉ 首都 :ハノイ

◉ 最大都市 :ホーチミン

 

◉ 人口 :約9,600万人

◉ 通貨 :ドン (VND)

◉ 独立 :1945年に「フランスからの独立宣言」、1954年に「ジュネーヴ協定で承認」を受け、1976年に「南北が統一」されました

◉ 1962〜1975年という長きに渡って「ベトナム戦争」を体験しています

 

 

国際関係

ベトナムは共産党の一党社会主義体制を採用しているため、ネットを検閲するなど中国と類似する政策を行っている「ミニ中国」です。その長い歴史の中で、中国の歴代王朝から繰り返し支配と侵略を受けてきました (紀元前111年から約1,000年もの間)。938年にようやく独立を果たすも、その後も度々戦いの歴史が。。。中国との関係は、領土・領海紛争問題で今も対立を続けています。とはいえ、陸続きのため最大の貿易相手国でもあります。総じて、反中感情を抱く人は多いと言えるでしょう。当然、反米感情もあります。

北朝鮮韓国との関係はそれなりに良好に行われています。対韓国に関しては、ベトナム戦争時にとんでもないひどい目 (大量虐殺や強姦など) に遭ったにも関わらず、サムスン電子やK-POPなどの浸透もあって韓国に憧れる若者も少なくありません。アメリカに対しては、今も枯葉剤問題が未解決なこともあって激しい憎しみを抱いている人もいるようです。日本も第二次世界大戦時にベトナムを傷つけてしまった国の一つですが、賠償・支援活動をきちんと行い、現在ODAでは日本が最大の支援国となっています。ベトナム国内の様々なインフラ整備は日本の力無くして実現しなかったと言ってもいいでしょう。とはいえ、歴史において日本は加害者だったことを忘れてはいけません。

 

 

多民族国家

ベトナムには、政府が公認しているだけで54もの民族が存在しています。そのうちキン族が最も多く全人口の90%ほどを占めています。そんな彼らの多くは阮 文恵 (グエン・ヴァン・フエ:Nguyễn Văn Huệ) といったような漢字の氏名を持っており、夫婦別姓が基本となっています。宗教は (大乗) 仏教が大半を占めており、ビール好きの国民性も併せ持っています。盛んなスポーツはサッカーとボビナム (ベトナム発祥の総合武術) です。

 

 

ベトナムってこんな所

ベトナムは南北に細長い国で、日本の0.88倍の面積を持ち、中国・カンボジア・ラオスと国境を接しています。国の正式名称は「ベトナム社会主義共和国」で社会主義国なのですが、資本主義経済の導入によって飛躍的な経済発展を遂げ、観光客も急増しています。主な観光地は、街の中心にホアンキエム湖がある風光明媚な首都ハノイ、フランス統治時代の趣ある建物が残るホーチミン、奇岩が並ぶ景勝地で世界遺産のハロン湾、ランタンが美しいノスタルジックな港町ホイアン、人気急上昇のリゾート地ダナン、南部のリゾート地ニャチャン、古都のフエなど。

 

 

ベトナム縦断の旅

ハノイ、ハロン湾、フエ、ダナン、ホイアン、ニャチャン、ホーチミンとベトナムを縦断しようと考えている方もいることでしょう。そんな方はまず、ハノイ(北部)とホーチミン (南部) の直線距離が約1,100kmあることを覚えておきましょう。これは東京-札幌間の835kmよりも遠く、飛行機で約2時間もかかる距離です。一度に両都市を訪れることも可能ですが、できればどちらか一方に絞る方が効率よく観光できます。「何がしたいのか」をよく考え、効率よく旅を楽しみましょう。首都ハノイを訪れるなら、日帰りでも行けるハロン湾観光とセットでの(最低) 2泊がおすすめです。ハノイは狭い範囲に観光スポットが集まっていますので、1日あれば十分です。ホーチミン観光も、基本的には2〜3日あれば十分でしょう。

ベトナム第3の都市ダナンとランタンの街ホイアン、古都フエなどを観光するなら、最低5日間は滞在したいものです。ダナンだけなら2泊で十分ですが、3〜5泊すればホイアンやフエへも足を延ばせます。ダナンからホイアンまではタクシーで約30分 (バスで約1時間) 。日帰りの場合、最終バスは早いので夜のホイアンを楽しむなら帰りはタクシーで。グエン王朝の古都フエはダナンから約100km。案外遠いので、フエには最低丸一日は費やしたいものです。タクシーで約2時間半、バスや鉄道では約3時間かかります。王宮・帝廟・お寺などは中心から離れているので、効率よく周るならタクシーチャーターがおすすめです。ちなみにタクシーでは英語が通じないことが多く、日本人が話すベトナム語もなかなか通じないので、ベトナム語表記の地図やメモを見せながら指示した方が無難です。

 

 

観光のベストシーズンは?

ハノイは10〜12月頃、ダナンはビーチリゾート目的なら5〜8月頃、日中の散策・観光目的なら2〜4月、ホーチミンは11〜4月頃がベストシーズンと言えるでしょう。

 

 

物価は?

ものやサービスにもよりますが、基本的に「日本の5分の1」と覚えておくと計算が楽です。1万ドン (VND)が約50円で、ミネラルウォーターが25円、ビールが50円、タクシーの初乗りが60円、フォーが150円といった感じです。ラグジュアリーな5つ星高級ホテルでも、1部屋10,000〜15,000円ほどで泊まれちゃいます。そして、基本的には「チップは不要」だと覚えておきましょう。もちろん、感謝の気持ちを込めてお世話になった方々にチップを渡すのは自由です。あげる場合は、2万〜10万ドン (100〜500円) が目安です。

 

 

注意すべきこと

ベトナムは社会主義国家です。東南アジアらしい開放的な雰囲気がありますが、タイや台湾とは明らかに違います。軍事施設などを勝手に撮影すれば最悪逮捕。中にはチップや賄賂目当ての悪徳警官もいますので、注意が必要です。風俗街などには雇われ警官がいて、彼らのモラルは高いとはいえません。

そして、ベトナムでの会話は基本ベトナム語になるわけですが、北部と南部では発音・言葉遣いなどに違いがあります。また、発音が日本人とは根本的に違うので、日本人が話すベトナム語はあまり通じません。もちろん、ホテルやレストランでは英語が通じますので問題ありませんが。。。治安に関しては、エリアや時間帯によって異なりますので一概にはいえませんが、スリやぼったくりには十分気をつけておきましょう。

トイレに関しては、(高級ホテルやレストランは別として) ベトナムでは「清潔」「トイレットペーパー」を求めてはいけません。便座にうん○がそのまま付いていることも珍しくありません。田舎の駅ではトイレがないどころか草むらで野グソも当たり前。その点、覚悟しておきましょう。

 

 

ベトナムで体験できるアクティビティは

ベトナムには自然豊かな景勝地が多く、雄大な景観を楽しむアクティビティがたくさんあります。有名なものに、「世界遺産のハロン湾クルーズ」があります。手軽に楽しめる日帰りクルーズと豪華宿泊クルーズがありますので、日程に合わせてどちらか選びましょう。また、「陸のハロン湾」と言われている観光地がベトナム北部ニンビン省のチャンアンにあります。ここでの、奇石・奇岩を背景に美しい田園・農村風景の中を手漕ぎの小舟で進んでいく「チャンアン探検クルーズ」が人気です。

ホーチミンから日帰りで行ける小さな町カンザーには広大な湿地帯があって、マングローブの森が広がっています。ここでの「マングローブ林観光ツアー」も人気です。

 

 

おわりに

中国やフランスなどの影響も受けているベトナム料理は (タイ料理とは一味違う) 日本人好みの優しい味わいとなっています。米粉を使ったフォー (麺) や生春巻き、バインミー (サンドイッチ)、バインセオ (ベトナム風クレープ) など、本場の味を思いっきり楽しみましょう。

ベトナムは、風光明媚な世界遺産やフランス統治時代の面影が残る街並み、ビーチリゾートもある人気観光地です。可愛い雑貨類も盛りだくさん。是非、ベトナムを思う存分満喫してきてくださいね。