国を挙げて禁煙キャンペーンを展開している北朝鮮で、最高指導者の金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党委員長はタバコをプカプカ吹かしています。
喫煙が健康にもたらす害…
そのことを知ってか知らでか、彼は喫煙がやめられないようです。いつの日か苦しい死に方をするのでは、と余計なお節介心を抱かずにはいられませんが…そんな彼が独裁支配する国家北朝鮮では人々の暮らしがとっても大変!
例えばこんなことが起きているのです。
労働者のストライキ
金正恩に完全服従していると思われている北朝鮮の人々。しかし、クウェートの建設現場で働く北朝鮮の労働者たちは、ストライキを行いました。
ストが起きたのは2015年12月。お国のため、彼らは一生懸命働いていたのに…「資金繰りが苦しいから給料は手形で、帰国後に現金化するから」と言われ、「冗談じゃない!」「ちゃんと支払ってくれ!」と激しく反発!ストの決行に至ったと言うわけです。
また、2016年3月には「外貨稼ぎに励んでくれ」との指示に対して「ちゃんと給料払え!」と反発!
当然です…
劣悪な労働環境の末
2016年1月、ロシアに派遣されていた労働者が、「仕事が辛く、カネもなく、生活が苦しい」との遺書を残して焼身自殺する事件が発生しました。2016年春には、カタールの首都ドーハで働いていた労働者2人が、当局の搾取に耐えかねカタールの警察署に逃げ込んでいます。
これまでは、国に残した家族が国家により不利益を被るのを避けるため、泣き寝入りするか逃げ出して脱北するしかありませんでしたが…
勇気を振り絞りさえすれば抗議ができる状況に変わってきているようです。
やれば出来る!北朝鮮の人々
今、北朝鮮の国民は国家の配給制度に頼らず自分たちの商売で稼ぎ日々の糧を得ています。さらに、当局の監視の目を縫って海外の情報を得ています。
こうなれば「洗脳」が溶けるのも当然!
人々は「この国は何かおかしい」「自分たちは奴隷ではないんだ」と自己主張するようになってきたのです。
「しかし北朝鮮国内で抗議すれば戦車で踏み潰されてしまう。海外にいる時にこそ反抗しなくては!」
それでも当局は強し
北朝鮮当局は、クウェートで働いていた労働者数十人に対し「今すぐ帰国せよ!」と命令!
…その後、労働者たちがどうなったかはわかっていませんが、おそらく、政治犯収容所に送られたか公開処刑されたかのどちらかなのではないでしょうか。
悲しい話です。
韓国で小説家となった脱北者の話
北朝鮮から脱出し韓国で小説家として活動している男性がいます。名前はチャン・ヨンジンさん。彼は自分がゲイであることをカミングアウトしています。
近年世界では、LGBT(性的マイノリティ)の権利擁護のための活動が活発に行われていますが、もちろん、北朝鮮にも性的マイノリティはいるのです。
2015年には「北朝鮮のゲイ軍人」と題された画像が世界中のネットで話題を集めました。朝鮮人民軍の男性兵士2人が、抱き合ったりキスをしたり…
北朝鮮では兵役が10年以上にもなるため、厳しい軍紀に縛られた期間中に同性同士で「親密な関係」になることはけっして珍しくないとか。
チャンさんは韓国に来て初めてカミングアウトすることができました。
しかし、その韓国で
2重の差別に!
少年時代から、ソンチョルという名の同性の友人に恋心を抱き続けていたというチャンさん。彼は、自分自身が同性愛者であるということに気づくことすらできず、無理して結婚した女性との生活に苦悩していたといいます。
北朝鮮はホモフォビア(同性愛嫌悪)の国ではありませんが、やはり性的マイノリティの尊厳は認められていなかったようで…
そんな息苦しい社会から逃げ出したチャンさん。「これでやっと自分らしく生きられる」
そう思ったのもつかの間、韓国では「脱北者」であることと「ゲイ」であるということで、ダブルマイノリティとして辛い生活を余儀なくされているのです。
差別はあります!韓国にも
韓国では、キリスト教保守プロテスタントを中心とした勢力が性的少数者に断固反対!差別禁止法の制定にも激しく反対している有様なのです。
性的少数者の尊厳を平気で踏みにじっている彼ら。しかし一方で、北朝鮮に対しては「人権を守れ!」と強く要求し、韓国に暮らす脱北者の生活支援を行っているのです。なんともおかしな話です。
奴隷のように海外で働かされる北朝鮮の人々
北朝鮮では、外貨を獲得する手段として国民を海外に派遣し続けています。この動きは金正恩体制になってからさらにエスカレート!なんと、10万人もの人々が奴隷のように海外で働かされているらしいのです!
派遣先は
・ロシア
・中国
・アフリカ
・中東
・東南アジア
など多岐に広がり…
(Kim Jong-un ‘sells 100,000 North Koreans into slavery abroad to bankroll his luxurious lifestyle’)
労働者たちは工場や建設現場、伐採現場などでへとへとになるまで働かされているのです。
・賃金は全て没収!
・金正恩たちの贅沢のために使用!
もっとも、このような状況は国内組にも当てはまりますが…
精鋭のサイバー部隊
金正恩は、国内の精鋭たちを使って欧米サイトに侵入、毎年10億ドルもの大金を不正に盗み取っているとも言われています。
独裁の手は外国人の身にも降りかかる
2016年、北朝鮮の最高裁は「北朝鮮に対する敵対行為を行った」として、同国内で拘束された米バージニア大の男子学生オットーさんに対し、15年の労働教化刑(懲役刑に相当)の判決を言い渡しました。
核・ミサイル開発を続ける北朝鮮に対し、米国主導で国連安全保障理事会決議が採択されるなど圧力が強まる中、アメリカを揺さぶる狙いもありそうです。
ちなみにオットーさんは2015年末に観光ツアーで平壌を訪問し、滞在先のホテルから「愛着心を植え付けるスローガン」が書かれた展示物を持ち出そうとして空港で拘束されたようです。
今後彼はどうなるのでしょうか?
富裕層たちの暮らしぶり
北朝鮮には「ピョンハッタン生活を満喫する」富裕層の人たち (人口の1%) が暮らしています。
※ ピョンハッタンとは、平壌とマンハッタンを合わせた造語です
平均月収10ドル以下とも言われる北朝鮮で、1杯9ドルのアイス・モカ・コーヒーを嗜みブランド品を好み高級高層マンションに暮らす人々。。。
彼らは政府が公認していない市場でビジネスを急成長させ、消費を牽引しています。
そんな彼らは高層マンションの低層階にしか住まない!
それはなぜかっ?
理由はこうです。
電力不足が深刻な平壌ではエレベーターが動かなくなることもしばしば。わざわざ高いお金を払って数十階の階段を歩いて上りたくはないんです!
おわりに
1970年代から1980年代にかけて、多くの日本人が不自然な形で行方不明となりました。これらの事件の多くは北朝鮮による拉致…
2002年、北朝鮮は日本人拉致を初めて認め、5人の拉致被害者が帰国しました。しかし、そのほかの被害者についてはいまだ進展がありません。
拉致問題の解決は本当に訪れるのでしょうか?(期待の持てない)政府及び関係機関に何とか全力で取り組んでもらいたいものです。
数年のうちに何かとんでもないことをやらかしそうな雰囲気の北朝鮮!奴隷として扱われている多くの北朝鮮国民のためにも、大惨事を未然に防ぐためにも、世界はそろそろ本格的介入を行ってもよいのではないでしょうか。