旅行のプロ (バックパッカーたち) と海外旅行先で話をしていると、「◯◯には沈没者がたくさんいたんですよ!」などと興味深い話を耳にすることがあります。ところで、「沈没」っていったい何なのでしょうか?
「沈没」とは、、、
観光目的ではなく、一ヵ所にずーっと長く滞在し、ダラダラと過ごしてしまうこと。あまりにも居心地が良すぎて思わず長居してしまうわけなんですね〜。世界には、そんな沈没する人がたくさんいる街がいくつもあります。
特に、物価の安いアジアの国々では、一日中安宿でダラダラしているという「沈没者」も珍しくありません。食事の美味しさもポイントで、暮らすように滞在して、どれだけ快適に過ごせるかが決め手となります。
バンコク (タイ)
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世界各国からバックパッカーが集う沈没地の筆頭と言えばタイの首都バンコクです。なかでも、王宮の近くに位置するカオサン通りは「バックパッカーの聖地」としてあまりにも有名です。
近年はずいぶんと様変わりし、それ自体が観光地となりつつありますが、今でも「安宿」「屋台」「旅行会社」は健在。昔ながらの「カオサンを起点に東南アジアを巡る」という流れは今も残っています。
最近では、BTS (スカイトレイン) やMRT (バスが専用のレーンを走るシステム) といった公共交通機関の発達により、バンコクの郊外エリアにも安宿が増え、節約旅行者にとっての選択肢はさらに増えてきています。
世界のバックパッカーがタイを選ぶ理由。。。それは「物価が安く」「治安が比較的良く」「食事が美味しい」から。しかも、観光地としての歴史が長いので、旅行会社や両替店、床屋、インターネットカフェなど、長期旅行者にとって必要なものが身近に揃っていることが挙げられます。
日本に比べ格安で予防接種が受けられるとあって、世界一周のスタートにバンコクを選ぶ日本人バックパッカーも少なくありません。
バンコクはバックパッカーデビューにぴったりの町であり、長期節約旅行のはじまりにも最適な都市なのです。
チェンマイ (タイ)
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チェンマイという街は世界中のバックパッカーたちに愛されているタイの北の都です。バンコクに比べて物価が安く、Wifiも含めて長期滞在しやすい環境が整っています。世界中からノマドワーカーが集まる場所とも言えるでしょう。プール付きの部屋を月3万で借りられる点もGoodですね!
ちなみに、チェンマイといえば毎年11月の満月に開催されるコムローイ祭り (ランタン) が有名ですね。幻想的な光景を人生で一度は眺めてみたいものです。
パーイ (タイ)
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タイ北部、チェンマイから北西へ数時間のところにあるミャンマーとの国境沿いにある小さな町です。特に欧米人からの人気が高く、町の中にはBarや洋食屋さんも多数あります。もちろん、タイ北部の伝統料理も食べられますよ。
ちなみに、ここのナイトマーケットはバンコクのそれとは大きく異なり、客引きが全然いない中でオリジナルの土産物を購入することができます。
町には川が流れていて、バンガローに宿泊することも可能となっています。もちろん、バックパッカーご用達の普通のゲストハウスもたくさんあります。
ネットOK!カフェOK!近場を訪れるツアーなども充実しています。日本ではまだまだ知られていない穴場として、一足先に足を運んでみてはいかがでしょうか。
カトマンズ (ネパール)
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ネパールの首都カトマンズも、沈没の地として有名です。とりわけ繁華街のタメル地区はバックパッカー街として知られており、「安宿」「エスニック雑貨店」などがひしめき合っています。
バンコク同様、長期旅行者が必要とするもの全てが揃っていながら、先進国とは別世界のエキゾチックな雰囲気を思う存分楽しめる点が人気の背景にあるようです。
加えて、「海外で、一番美味しくて安い日本食を食べられる場所はカトマンズ」という噂も!距離的にインドに近い点もカトマンズ沈没のメリットの一つと言えるでしょう。
ポカラ (ネパール)
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ネパール第2の都市ポカラもバックパッカーが長期滞在しやすい場所の一つです。ペワ湖を中心に広がる山あいの町で、すぐ近くにはヒマラヤの山々がそびえ立っています。景色は最高!気候もいい感じで居心地抜群です!
強いてデメリットを1つ挙げるとすれば、他の町よりも少し滞在費が多めにかかるところでしょうか。
それでも、首都カトマンズよりも空気がきれいで、のんびりとしており、何をするでもなくダラーッと過ごすのにぴったりな環境であることから、沈没者が後を絶ちません。
湖でボートを漕ぐもよし、カフェでまったりするもよし。はたまた、ヒマラヤを眺めながらボーッとするもよし、トレッキングに挑戦するもよし!
特に、強烈ではちゃめちゃなインドからやって来たバックパッカーたちは、ポカラの平和的な雰囲気に一気に気が緩んでしまうようです。
シェムリアップ (カンボジア)
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世界遺産「アンコール遺跡群」のお膝元シェムリアップも有名な沈没地の一つです。カンボジア随一の観光地だけに、繁華街にはバーやレストラン、ショップなどが軒を連ねとても賑やか!毎晩開催されているナイトマーケットは安くて可愛い雑貨が充実していると評判です。
驚くことに、カンボジアは (国民性がそうさせているのか) ほかの東南アジア諸国と比べてあまりガツガツしていません。どこかのんびりとした素朴な雰囲気が残っているのがカンボジアの魅力とも言えるでしょう。
そうした居心地の良さも手伝って、遺跡巡りをしている間に滞在期間が延びていく…というバックパッカーが少なくないようです。
バンビエン (ラオス)
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一般的には無名でも、バックパッカーの世界では有名なラオスのバンビエン。首都ヴィエンチャンと世界遺産の町ルアンパバーンの中間に位置し、旅の中継地点として滞在する旅行者が多い町です。
バンビエンの売りはなんといってもその雄大な大自然にあります。山と川が織りなすその風景はまるで水墨画のよう。
バンコクやカトマンズのように、大規模な安宿街があったりたくさんのショップがあったりするわけではありませんが、自然に囲まれて羽を伸ばしたいバックパッカーにはうってつけの場所となっています。
タイヤのような浮き輪に乗って川を下る「チュービング」や、カヤッキングなどを格安で楽しむことができます。
ルアンパバーン (ラオス)
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街全体が世界遺産に登録されている古都ルアンパバーン。 イギリスの旅行雑誌で「満足度の高い観光地ランキング」第1位に選ばれたこともあります。そしてここは、長期旅行中のパックパッカーにとっても居心地の良い街の一つです。
ラオスきっての観光都市だけに宿の選択肢は豊富で、おしゃれなレストランやカフェも充実しています。個性的な山岳民族デザインの雑貨類も、ナイトマーケットで安く手に入ります。
ルアンパバーンの空気感は東南アジアの中でも極めて独特なもの。昔ながらの東南アジアの風景がある一方で、フランス植民地時代のコロニアル建築もあちらこちらに残っています。
それらが融合した街並みはどこか幻想的でノスタルジック!東南アジアでありながら東南アジアでないような、摩訶不思議な風景と雰囲気に心奪われる旅人が後を絶ちません。
シーパンドン (ラオス)
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ラオスの南部、世界遺産ワットプーのあるチャンパーサックから2時間ほどで訪れることができます。ここにはたくさんの島々があり、その中に沈没者のために作られた町があるのだとか。
周りが島ということで、隔絶されている感じがたまりません。他の町以上に「沈没のための場所」という雰囲気なのですが、けっして重苦しいわけではありません。
のどかな雰囲気の中、川辺の食堂で風に吹かれながら朝食を食べ、昼からビールを飲み、夜にもビールを飲み…
ここは基本的に欧米人に人気の場所ですので、バーなども充実しています。また、メコンの川イルカを見ることができるほか、カヌーなどのアクティビティも充実しています。
ハノイ (ベトナム)
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おびただしい数のバイクが道路を埋め尽くし騒がしいイメージのあるベトナムですが、(ホーチミンと違って) 首都ハノイは、フランス統治時代の情緒を感じることのできる街並みが美しく、(市民憩いの場である) ホアンキエム湖などでのんびりと過ごすことができます。
ハノイは世界的観光地であるため、他の地方都市と比ベると物価は少し高めになりますがそれでも安く、外国人向けのレストランでない限り1食200円もあれば十分です。
ホイアン (ベトナム)
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ベトナム中部の、ビーチリゾート地「ダナン」の近郊にある世界遺産の街ホイアンは、どこか懐かしい雰囲気を味わうことができる素敵な場所です。
有名なものの一つにランタン祭り (毎月開催) がありますが、チェンマイの派手なものとはタイプが異なり、ホイアンのランタン祭りは上写真のようなノスタルジックな雰囲気を感じさせてくれます。時がゆったりと流れるこの街は沈没にぴったりと言えるでしょう。
バラナシ (インド)
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良くも悪くも奇想天外な別世界が広がっているこの国は、「バックパッカーをするなら一度は行くべき場所」と言われています。中でも、「エキゾチックで混沌としたインド」を体現する都市がここバラナシです。
聖なるガンジス川のほとりに広がるこの街は、古くから「ヒンドゥー教の聖地」として特別な意味を持ってきました。ヒンドゥー教では、輪廻転生をするたびに人は大きな苦しみを味わうとされています。
このバラナシのガンジス川付近で死に、遺灰をまかれた者はその苦しみから解放される…と考えられています。
衛生的とはいえない環境やカオスな光景に、「二度と行きたくない!」と言う旅行者も少なくありませんが、逆にハマってしまうと抜け出せなくなってしまう何かがこの街にはあるようです。
プリー (インド)
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「インド旅行は刺激的で楽しいけれど疲れる…」という人も少なくありません。そんな中、癒しのスポットとして知られている町がプリーです。東インド、ベンガル湾に面したこの町は、ヒンドゥー教の4大聖地のひとつで、ここに祀られている神様「ジャガンナート」は、インドで最も古い神様とも言われています。
インド国内では巡礼地として知られるプリーですが、ビーチリゾートとしての側面もあります。ここでは新鮮な魚介類を食べることができ、サーフィンなどのマリンスポーツを楽しむこともできます。
インドの中では比較的落ち着いていて、ゆったりと滞在できる町プリー。ヨガのレッスンやアーユルヴェーダの施術も手ごろな料金で受けられるため、沈没せずとも充実した長期滞在ができる町と言えるでしょう。
ゴア (インド)
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「インドに行けば人生観が変わる」…なんて言葉は、インドの街の喧騒やひどい衛生環境に直面した際に言えること。ここゴアは、そうしたイメージとは正反対のビーチリゾートです。
昔は「ヒッピーの聖地」と言われていましたが、今はそうした当時の面影はあまり残されていません。それでも、有名なアンジユナ・ビーチなどでは爆音で音楽が流れ、夜はパーティが頻繁に行われています。
物価は安めで、のんびりとした雰囲気があって居心地の良い場所の一つと言えるでしょう。
ダハブ (エジプト)
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エジプト東部のリゾート地ダハブは世界有数のダイビングスポットとして有名で、安い値段でダイビングのライセンスを取得することができます。抜群の透明度を誇っており、美しいサンゴ礁 & 多彩な海洋生物を見ることができるため、世界のダイバーたち憧れの場所ともなっています。
景色が良く、物価が安く、食事が美味しいダハブは、世界一周旅行者にとってのオアシス的存在と言えるでしょう。
ちなみに、この町は「恋するダハブ」と呼ばれています。なぜなら、この町で出会って恋に落ちるカップルが多いから。
「恋」のために、ダハブで長期滞在してみるのもいいですね!
リヴィウ (ウクライナ)
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沈没地は、「物価が安い」ことが前提となるためどうしてもアジアに偏りがちです。しかし近年、ウクライナが「ヨーロッパの沈没地」として浴び始めています。ウクライナの物価はヨーロッパ最安と言われており、旅のコストパフォーマンスは世界一良いのかもしれません。
そんなウクライナの中でも特に長期滞在しやすいと評判なのが、歴史的な町並みが世界遺産に登録されているリヴィウです。かつてポーランド領だったこともあってか、中世の面影が素敵に残されています。
「物価が東南アジア並みに安い」
「なのにヨーロッパ」
ここでなら、これまでの「沈没」という言葉のイメージとは違う、ちょっと優雅な沈没ができそうです。
まとめ
他にも、
ミャンマーのバガンなど「沈没」に最適な場所は探せばまだまだあるはずです。
他人と絡むことに疲れた方や、一人になってじっくりと考え込んでみたい方は是非、「沈没」覚悟で長旅に出かけてみませんか。