「ベトナム」は、タイ・台湾・フィリピン同様、顕著な親日国の一つです。来日している留学生・就労者の数は中国に次いで多く、「日本に来たい」と思っている人も多いようです。そんな彼らが日本と聞いて連想するのは、「HONDA」「Ajinomoto (味の素)」「YAMAHA」「ドラえもん」「ドラゴンボール」「ポケモン」「クレヨンしんちゃん」「名探偵コナン」「お寿司」「雪」「真面目」「時間が正確」…なんだとか。
好奇心旺盛なベトナム人にとって、日本は「食」「技術」「観光」「文化」のすべてが興味の対象になっています。そうはいっても日本旅行には「料金が高い」「ビザを取るのが大変」といった大きな壁があり、実際の渡航先はタイ、マレーシア、シンガポールなどになっています。
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日本に興味を持ってくれているベトナム人の間では、カラオケ大会などで夏川りみの「涙そうそう」やKiroroの「未来へ」、谷村新司の「サライ」、中島美嘉の「雪の華」、宇多田ヒカルの「First Love」、酒井法子の「碧いうさぎ」などが歌われているようです。 もちろん、年齢層や好みで選曲に違いはありますが、割と幅広いジャンルの曲が知られています。
ちょっと昔になりますが、世界中で大ブームになったドラマ「おしん」はベトナムでも有名です (ベトナムでは家政婦のことをおしんと言うらしい)。他にも、作家の村上春樹さんやフィギュアスケーターの羽生結弦選手、漫画「名探偵コナン」の作者である青山剛昌さんなども人気!なんと、青山さんの出身地である鳥取県を巡るツアーもあるようです。
サッカー選手も人気で、中田英寿選手や香川真司選手などはよく知られていますし、元サッカーベトナム代表の監督を務めた三浦俊也さんも有名です。三浦さんは、ベトナムにおける「サッカブーム」の立役者とも言われています。そして、「人生の教科書」とも言われているドラえもん (藤子・F・不二雄) や「学問のすすめ」(福沢諭吉) もよく知られています。
俳優で歌手の杉良太郎さんは長きにわたり (1989年〜) 私財を投じてベトナムの子どもたちへの福祉活動を行ってきました。
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「日本語学校の運営」「孤児の養護施設」「盲学校への寄付」など、杉さんがベトナムに投じた私財はわかっているだけでも17億円に上ると言われています。きっかけは1989年にハノイでチャリティー・コンサートを行ったこと。その年に孤児院を訪問し、あまりの粗食に衝撃を受け、文具詰め合わせ100セットやにわとり300羽、にわとり小屋建設費などを寄贈したことから活動をスタートさせたのです。1人の少女の「お菓子なんかいらない。お父さんとお母さんがほしいの」という切実な声に心打たれた杉さんはこのとき、「里親になろう」と決意したそうです。
その後も活動を続け、2005年には「日越親善大使」に。そして2007年には「ベトナム日本特別友好大使」に任命されました。さらに2008年以降は「日越ベトナム大使」として活躍。もちろん、個人としての貢献活動も継続的に行っています。ちなみにベトナムから与えられた「労働勲章」は、外国人に授与されるのはまれだということです。 これからの両国のあり方について杉さんは「憧れの日本に来るベトナムの就労者ががっかりして帰されてしまうことがある。これでは「反日」の若者も生まれてしまうので、憧れの日本に来て良かったと思えるような環境を作っていけるようにしていきたい」と熱く語っていらっしゃいます。
ベトナムに来るたびに増えていった里子は現在100名以上。年に数回しか会えませんが、みんな杉さんのことを本当のお父さんのように慕っているそうです。たまに会う妻で演歌歌手の伍代夏子さんには「お母さん」と言って抱きついて甘えるといいます。単に寄付するだけでなく、日本語学校を設立するなど孤児たちの未来にしっかり投資している点も素晴らしいですね。今では数万人が卒業し、日越ビジネスの最前線で活躍しているようです。日本では現在、IT業界を中心にベトナム出身の技術者も急増しています。
ベトナムが市場主義経済を導入したドイモイ (刷新) 政策 (1986年〜) から30年以上の歳月が流れました。ベトナムはすっかり豊かになり、高層ビルが建ち、町には高級外車が溢れています。しかしながら貧しい人もまだいっぱいいるのに、なぜ彼らは寄付をしないのでしょうか。杉さんは、ベトナムのある要人に「ベトナム人はなぜ日本に求めるばかりで、自分から『してあげる』と言わないのか!」と問い詰めたこともあるそうです。
吉本興業から「ベトナムで有名になってこい!」との使命を受けホーチミンにやって来た芸人のダブルウィッシュは「ベトナムで一番有名な日本人」になるために日々奮闘中らしく。。。目標が達成されるといいですね。
ある調査によれば、ベトナムの女の子にモテる日本人男性のタイプは「竹内豊」「ディーン・フジオカ」「小栗旬」「生田斗真」「山崎賢人」「大谷亮平」「成田凌」のような感じで、爽やかイケメンかつ優しそうな雰囲気が大事みたいです。
残念ながらベトナムでは、日本勢より韓国・台湾・中国勢のエンタメが強い傾向にあります。とはいえ、訪日ベトナム人は年々増加。海外旅行はベトナム人にとって特別なイベントであり、旅行中の新しい出会いやコミュニケーションを楽しむ人も多くいます。花見・温泉・絶景スポット・グルメ・ショッピング・お祭り…この流れを好機と捉え、もっともっと日本をアピールしてもらいたいものです。