「死ぬまでに一度は行っておきたい国」エジプトは中東と北東アフリカの接点にあり、その歴史はファラオの時代にまでさかのぼります。
ギザの見事なピラミッドや巨大なスフィンクス、ルクソールの象形文字が彫られたカルナック神殿、王家の谷のファラオの墓など、数千年前の史跡が肥沃なナイル川に沿って点在しています。
首都カイロには、ムハンマド・アリー・モスクや古美術品の宝庫であるエジプト考古学博物館など、オスマン帝国時代の建物があります。誰もが、子供の頃に「いつかは自分の目で確認してみたい」と思ったのではないでしょうか。
もちろん、上述した遺跡以外にも素晴らしい観光資源がたくさんあります!今回は、そんなロマン溢れる人気観光地エジプトの見どころをまとめてみました。ぜひ、旅の参考になさってくださいね。
《続きを読む》
🔴 首都:カイロ
🔵 公用語:アラビア語
🔴 英語:観光客の多い場所では通じる
🔵 治安:場所にもよりますが、全般的に良いとは言えません
🔴 人口:1億人弱
🔵 世界遺産:7つ
- メンフィスとその墓地遺跡 (ギザの三大ピラミッドを含む)
- 古代都市テーベ (現ルクソール) とその墓地遺跡
- アブ・シンベルからフィラエまでのヌビア遺跡群
- カイロ歴史地区
- アブ・メナ (アレクサンドリア近郊)
- ワディ・アル・ヒタン (クジラ渓谷)
- 聖カタリナ修道院地域
🔴 経済はアフリカ屈指の規模であり、BRICsの次に経済発展が期待されています
🔵 宗教:イスラム教 (スンナ派) が90%
カイロは10〜4月が旅行シーズンですが、特に3〜4月と10〜11月がベストです。夏は猛暑で冬は案外冷え込みます。
① ギザのピラミッド群
《続きを読む》
エジプトと言えばここ!定番の観光スポットですが、実物の大きさに圧倒されることでしょう。自分の背丈ほどもある大きな岩の一つ一つが天高くそびえるピラミッドを構築しています。間違いなく、エジプト最大の観光スポットです。
クフ王のピラミッドは入場できますが、午前・午後それぞれ150人限定なので、早めに行ってチケットを抑えておきましょう。そして、3つの巨大ピラミッドを1枚の写真に収めたいのであれば、少し歩いた先にあるピラミッド・パノラマから撮影するのがおすすめです。
このスフィンクスは、いつ誰が何のために建てたのかがわかっていない、エジプトの古代ミステリーの一つです。また、スフィンクスの目線の先にはケンタッキーがありますので、暇だったら見つけてみてくださいね。
② シタデル (城)
《続きを読む》
カイロ歴史地区としてオールドカイロと共に世界遺産に登録されている「イスラム地区」の中にはいくつもの観光スポットが存在します。そのうちの一つがカッタムの丘にある城塞都市シタデルです。ちなみにシタデルはお城という意味で、十字軍を打ち破った中世アラブ世界の英雄サラーフッディーンが1176年に建てた要塞なのです。
現在、シタデルの中にはガーマヤ軍事博物館 (中世から現代の中東戦争までのエジプトの歴史を伝える見応えのある施設) やガーマ (モスクの意)・ムハンマド・アリ 、ムカッタムの塔、国立警察博物館などがおり、歩いて見て回ることができます。何時間いても飽きない人気の観光スポットです。また、丘の上にあるのでカイロの街を見下ろすことができ、とても素晴らしい景色を見ることができます。
③ ガーマ・ムハンマド・アリ
《続きを読む》 もし、1か所しかモスクを訪れる時間がないのなら、シタデル内にあるここをおすすめします。カイロを代表するモスクの一つ、ガーマ・ムハンマド・アリ。イスタンブールのガーマを真似てムハンマド・アリが作ったガーマです。 巨大なドームと高いミナレット(塔)が特徴的ですね。
でも、このガーマの見どころは内装にあります。行く重にも重なる巨大シャンデリアとたくさんのランプ、それを取り巻くステンドグラス。光が織り成すハーモニーがとても壮麗な雰囲気です。世界遺産にも登録されている、エジプトを代表するモスクです。
そして、素敵なのは信仰のために訪れているイスラム教の人々。建物も素敵ですが、お祈りの風景をぼんやりと眺めているのもいいもんです。ちなみにイスラム教は偶像崇拝をしないため、信仰対象であるアッラーの像などはありません。
④ エジプト考古学博物館
《続きを読む》 12万点以上もの展示物を有し、誰もが歴史の教科書で見たことのある黄金のツタンカーメンのマスクや数々の装飾品、そしてミイラが保存されています。
ここを訪れたら絶対おすすめしたいのが別料金のミイラ室です。これが何千年も前の人かと疑うほど生き生きとした顔付きで、まつ毛1本1本まできちんと残っていることにとても驚きます。
以前はカメラの持込みが禁止されていましたが、現在は有料(50EGP)でカメラでの撮影が可能になっています。(ツタンカーメンの黄金のマスクなど撮影禁止の場所もあり)。
なお、新しい考古学博物館「大エジプト博物館」が2018年以降オープンする予定ですので、どちらがより魅力的なのかは事前にホームページなどでチェックしてみてください。
⑤ ハーン・ハリーリ
《続きを読む》
迷路のように入り組んだ道に、お土産屋さんが所狭しと並ぶカイロの名物観光スポットです。ここはカイロのみならず、アラブで最大級の大スーク(市場・バザール)。香辛料、香水、宝石類、日用品、観光客向けのお土産など、様々なものが売られています。見るだけでも楽しい場所です。
店員は日本語慣れしているので「ミルダケタダ~」などと言いながら寄ってきますが、興味がなければ華麗にスル―しましょう(笑) 目当てのものが見つかったら値段交渉ですが、3分の1くらいの価格で買えれば上出来です。お土産のおすすめは香水瓶で、砂漠の砂を持ち帰るのが人気です。
食べ物のおすすめは「牛の脳みそのサンドイッチ」。また、「シーシャ」(水タバコ) に挑戦するのもいいでしょう。
⑥ 聖ゲオルギウス教会
《続きを読む》 聖ゲオルギウス教会は、ヘロデ王の迫害から逃れた聖母マリアと赤ん坊のイエス・キリストら家族が、エジプトに逃れた際に一時身を寄せていた場所に建てられたとされています。そのため、周辺には他にも多くの教会があります。
684年創建の聖ゲオルギウス教会ですが、創建当時のものは4世紀に造られた婚礼広間の木製格子窓やフレスコ画の天井などの一部のみで、現在私たちが目にしている建物のほとんどが1857年に再建されたものです。
エジプトでも少数派となったコプト教徒の生活を垣間見ることのできるおすすめの観光スポットです。聖ゲオルギウス教会は、ほとんどが地下に埋もれている建物です。内部は薄暗いですが、それがかえって厳粛さを余計に感じさせる素晴らしい教会です。
フレスコ画や岩の壁面にそのまま刻まれた十字架などを見ることができます。
ルクソールのベストシーズンは11〜2月です。夏期は暑過ぎて観光には不適です。というわけで冬季がベストなのですが、朝晩は冷えるので注意が必要です。
① ルクソール神殿
《続きを読む》
ルクソールの中心にある巨大神殿です。日中の観光もいいのですが、夜になると写真のように美しくライトアップされるので、できれば昼と夜に2度訪れることをおすすめします。
ルクソール駅を降りるとこの巨大な遺跡の観光スポットはすぐにわかります。かつてエジプトの首都であったルクソールはファラオたちの安眠の地。敷地内には教会やガーマが作られており、見所が多くおすすめです。
② 王家の谷
《続きを読む》 墓荒らしにツタンカーメンの呪いが…なんて映画もあったりしますが、まさにその舞台と言えるのがこの観光スポットです。エジプトに来たら必ず訪れたい場所のひとつです。新王国時代に作られた岩窟墓が次々と出土し、考古学博物館に保管されている装飾品の多くもこちらで発見されました (ツタンカーメンの墓も)。
おすすめはラメセス6世の墓の天井に描かれている「夜の書」です。墓内いっぱいに壁画とヒエログリフが描かれており、その緻密さに圧倒されます。
60を超える墓があり、全てを見て回ることはできませんので、いくつか目的を絞って訪れることをおすすめします。残念ながらカメラの持込みはできないので、しっかりと目に焼き付けましょう!
王家の谷に向かう途中では
を見ることができます。
また、王家の谷から車で15分ほどのところに「王妃の谷」があります。ここには王妃のほか、王子や王女などが埋葬されています。この谷でもっとも有名なお墓はラムセス2世の最愛の妻・ネフェルタリのお墓です。
このお墓は、エジプト国内で最も美しい装飾がなされていると言われています。修復中で閉鎖されている可能性もあるので事前確認が必要ですが、見れたら見ておきたいお墓の一つです。
③ ハトシェプスト女王の葬祭殿
《続きを読む》
古代エジプトの唯一の女王であるハトシェプスト女王によって建てられた神殿です。崖を利用した3階建てとなっており、とても珍しい造りです。長い階段を登ると2階のハトホル女神の礼拝堂、プントとの交易図、ハトシェプスト女王のレリーフなどが残されており、見ごたえ十分です。
④ カルナック神殿
《続きを読む》 1,500年という気が遠くなる時間を費やして作られたカルナック神殿は、まずその巨大さに圧倒されます。柱、像、建物・・・その全てが巨大で、彩色もされていたであろう当時を思い浮かべると、その強大な権力が感じられます。
毎夜、音と光のショーが開催されており、ルクソール神殿同様、ここも昼夜2度訪れてほしいものです。ショーの最後、聖なる池に設置された席から見る満点の星空は美しく、忘れられない旅の思い出となることでしょう。
ちなみに、上述のルクソール神殿はこのカルナック神殿の付属神殿ということです。
アスワンのベストシーズンは、11〜3月。このエリアは非常に雨が少なく、世界で最も乾燥した居住地の1つと言われています。
① アブ・シンベル 〜 フィラエ神殿
《続きを読む》
アブ・シンベルからフィラエまでのヌビア遺跡群は、エジプト南部にある、1979年に登録された古代エジプト文明の世界遺産です。 アブ・シンベル神殿、フィラエ神殿、カラブシャ神殿が世界遺産の登録対象となっています。
アスワンはヌビア地方と呼ばれ、ヌビア人たちの独特の文化が残る地です。巨大な建造物と、そこに掘りこまれた多くのレリーフや装飾が日の光に照らされて美しく輝きます。なお、こちらでも夜のショーが行われていますが、個人的には朝焼けに真っ赤に染まるアブ・シンベルがとても神秘的です (筆者がエジプト旅行で一番感動した場所はここです)。
かつては砂の中に埋もれ、その後水没の危機にさらされていましたが、遺跡を丸ごと高台に移動し、現在の姿をとどめています。遺跡内の装飾は、その一つ一つが歴史を語る興味深い内容で、薄暗さが雰囲気を増長し、エジプトミステリーが感じられるおすすめの場所です。
他にも、このアスワン一帯にはコム・オンボ神殿やエドフ神殿、切りかけのオベリスクといった遺跡があります。徹底して遺跡群を見て回りたい方はこちらにも足を運んでみては (^ ^)
① 太陽の船博物館
《続きを読む》
古代エジプトでは、亡くなった王が死後の世界に行けるように「太陽の船」を王墓に埋葬する習慣がありました。博物館に展示されている船はクフ王のピラミッド近くで発見され組み立てられたものです。
そのため、この船は世界最古の船であると同時に「クフ王の船」と考えられています。(カイロ市内からバスで1時間ほどのところにあります)
② ジョゼル王の階段ピラミッド
《続きを読む》
ギザから南に約10kmのところにあるサッカラは、古代エジプトの首都メンフィスのネクロポリス、つまり死者の街でした。ここには数多くのピラミッドがありますが、その中でも有名なのが世界最古のピラミッドと言われるジェゼル王の階段ピラミッドです。
このピラミッドは階段状になっています。カイロから日帰り (車で1時間半) で行けるので、時間があればぜひ見てほしいピラミッドの一つです。
③ スネフェル王のピラミッド
《続きを読む》
ダハシュールにある「屈折のピラミッド」はその名の通り、途中で傾斜角度が変わっている珍しい形のピラミッドです。これはクフ王の父、スネフェル王によって建てられました。なぜこの形になったのかはいくつかの説があり、未だ謎となっています。
ダハシュールにはもう一つ、スネフェル王の赤のピラミッドもあります。
世界で初めての真正ピラミッドと言われているスネフェル王の赤のピラミッド。エジプト国内で2番目に大きいピラミッドです。内部は一般公開されていますがかなり狭くて暗いので、閉所恐怖症の方はご注意を!あまり観光客が来ないので、比較的ゆっくり観光できるスポットです (カイロ市内から車で2時間)。
④ メンフィス
《続きを読む》
古代エジプトの最初の首都であるメンフィスは、今は廃墟の遺跡が残るのみとなっていますが、ラムセス2世の横たわる像がある野外博物館があります。写真に全体がおさまらないほど巨大な像です。
また、大理石の一種であるアラバスターで作られたスフィンクスを見ることができます (カイロ市内から車で1時間半)。
⑤ カイトベイ要塞
《続きを読む》
地中海に面したエジプト第2の都市アレキサンドリアにある要塞です。古代の世界七不思議のひとつである「アレキサンドリアの大灯台」の跡地に、その大灯台の建材を再利用して15世紀後半に建てられました。
元々の大灯台は紀元前に作られ、50km先からでも灯りが見えたと言われる伝説が残っています。ロマンがありますねー。現在、要塞の内部は海洋博物館となっており、夕刻には地中海の心地よい海風にひかれ夕涼みをしている人が多くいます。
⑥ 紅海リゾート
《続きを読む》
エジプトは砂漠のイメージが強いですが、実は、紅海を中心にビーチリゾート地が広がっています。紅海は透明度が高く、浅場に多くの種類の魚が集まっていることから、初心者ダイバーから上級者まで楽しむことができる人気の観光スポットです。
おすすめは「キャメルダイビング」と言うツアーで、ラクダツアーとダイビングがセットになっているエジプトならではのツアーです。また、フルガダやシャルム・イッシェーフなどはリゾート地として町が開発されています。共にカイロから国内線で1時間ほど。
⑦ ワディ・アル・ヒタン (クジラ渓谷)
《続きを読む》
エジプト西方の砂漠 (カイロから南南西約150km) に、たくさんの骨が散乱している場所があります。人々は、「これほど多くの骨が落ちているのはここが地獄だったからだ」と考え「地獄の山」と名付けました。しかし実際は、かつての海底が隆起して砂漠になったため、多くの化石が残されているのです。
実際に、体長21mを超える巨大なバシロサウルスといったクジラの先祖や (原始的な) サメなどの化石が多数発見されています。このように、ここは当時の生態環境を示す貴重な遺産であり、2005年には世界遺産に登録されました。個人では行きづらい場所にあるのでツアーを利用しましょう。
カイロから車で2時間。せっかくならバフレイヤ・オアシスに立ち寄って、そこからサファリツアーに参加することをおすすめします。
⑧ シナイ山
《続きを読む》 モーセが十戒を授かったことで有名な観光スポットです。焼けたような赤茶色で、緑一つはえないその岩肌は来るものを撥ねつけるような威圧感さえ感じさせます。そんなシナイ山には、山頂から登る朝日を見ようと世界中から多くの登山家が訪れています。
ちなみに、登山ルートは2つあり、体力に自信のない方はラクダを使って途中まで登ることができます (カイロからはバスで7時間30分。登山にはガイドを付けることが義務付けられています)。
⑨ 黒砂漠 & 白砂漠
《続きを読む》 エジプト西方に広がる砂漠。ここに、その美しさから「地球ではないようだ」と称される黒砂漠と白砂漠があります。黒い岩が鉛筆の頭のようにいくつも地面から生えている黒砂漠。奇岩がそびえる白い砂の白砂漠。どちらもおすすめの観光スポットです。
これらの観光スポットを回るには、各オアシスから出ているサファリツアーに参加する必要があります。サファリツアーでは、これらの砂漠を回ったあと、ベドウィンの食事を食べ、満点の星空の下で眠ります (キャンプ)。
夜にはフェネックが残飯を求めて遊びに来たり、朝には遮るものの何もない朝日が拝めます。エジプトに来たならぜひ参加したいツアーの一つです。
世界最古の文明誕生の地「エジプト」はいかがでしたでしょうか?
せっかくなので、西部砂漠を抜けるとウソみたいに現れる砂漠の楽園シワ・オアシスも訪れてみましょう。
さっきまで砂漠にいたのに「これは幻か?」と思ってしまいますが、この美しい緑と湖は本物です (笑)。
シワ・オアシスの周りには、旧市街のシャーリーやアレキサンダー大王が神託を受けたとされるアモン神殿、さらにクレオパトラが入浴したと伝えられるクレオパトラ鉱泉があり、歴史好きにはたまらないロマン溢れる場所なんですよ。
このように、エジプトにはハートをがっちり掴まれてしまうような数々の遺産が点在しているのです。そんなエジプトを訪れないで人生を終えるなんてもったいないと思いませんか (^ ^)
ただ、残念なことに (治安の関係で) 一部の地域は外務省が海外安全情報として、「渡航中止勧告」を出しています。旅行前にはこうした情報を見て判断していただきたいと思います。