日本から一番遠く、ブラジル・アルゼンチン・大西洋と接している南米の小国ウルグアイ。「地味な国に違いない」と思っていませんか?いえいえっ、実はとっても魅力的な国なんです。
「古い街並み」「歴史」「美しいビーチ」「サッカー」「カウボーイ文化」「豊かな自然」「グルメ」・・・気候は温暖で、素朴で穏やかな人々。そんなこんなを全部まとめて楽しむことができます。
基本情報
《続きを読む》ウルグアイには、私たち日本人が見習うべきことがたくさんあります。その魅力を以下で学んでいきましょう!
まずはじめに、「ブラジルとアルゼンチンがクシャミをするとウルグアイが風邪をひく」という諺をご存知ですか?ウルグアイは南米の小国 (面積は四国ほど、人口は約340万人) 。1999年以降のブラジル、アルゼンチンの経済危機では大打撃を受けました。
その経験から、金融機関や石油企業の国営化、国内産業を保護するために高額な関税を課す政策を促進させ、「自己完結主義国家」を目指したことで安定した経済成長に成功しています (先進国の仲間入りを目指しています)。
現在は、中南米でチリに次いで2番目に生活水準が安定しているとされており、「世界で最も生活がしやすく緑の多い国」第9位にランクインしています。
ちなみに、ガウチョ (カウボーイ) の文化が浸透しているウルグアイの国民性は「自由」「温厚」「のんびり」。山がなく、見渡す限りの草原とラ・プラタ川 & 大西洋岸沿いのビーチという大自然を人々はこよなく愛し続けています。加えて、昔ながらの伝統的な風習や生活習慣を重んじ、人生を謳歌しているのです。
南半球にあり、日本から見て地球のほぼ真裏に位置しています。ヨーロッパの国々、特にかつて宗主国だったスペインの影響を色濃く受けており (公用語はスペイン語)、「南米で最もヨーロッパの雰囲気がある国」とも言われています。
人口の約半分が首都圏 (首都はモンテビデオ) に住んでいるため田舎の人口密度はかなり薄い状態です。総人口に占める割合は、ヨーロッパ系白人が88%、黒人が5%、インディヘナおよびメスティーソが3%ほどとなっています。極僅かながら日系人などのアジア系も存在しています。
国土の9割以上は牧場 & 農園で、伝統打楽器カンドンベはウルグアイ人の憩いの音楽となっています。
🔵 通貨:ウルグアイ・ペソ (1UYU = 約4円)
🔴 2013年より同性婚が可能になりました
🔵 国民の62%はカトリックを信仰 (31%は無宗教)
19世紀半ばにやって来たヨーロッパ移民に無政府主義者が多かったことから無信教の国民が多いとされています。先住民のグアラニー人は18世紀にパラグアイに撤退しましたが、一方で、独立戦争への参加により1,000人ほどにまで数を減らしていたチャルーア人は、1831年のリベラ大統領の掃討作戦で虐殺され絶滅しました。
この事件はウルグアイ人の心に大きなトラウマとなって残っています。今でも多くのウルグアイ人は「自分にも先住民の血が流れている」と考えており、毎年事件の日が近くなると、モンテビデオ市内の「最後のチャルーア」の銅像には献花がなされています。
国旗の由来
《続きを読む》ウルグアイの国旗はちょっとインパクトがあるので少し説明しておきましょう。まず、青と白の9本のボーダーは (国旗選定当時の) 9県を意味しています。そして、青は「自由」、白は「平和」を表しているのです。
全体のデザインは「アメリカ国旗」を真似、黄色の太陽 (五月の太陽) は「アルゼンチン国旗」を真似たと言われています。つまり、ウルグアイの国旗はアメリカとアルゼンチンを模して作られているのです。
「世界一貧しい大統領」
《続きを読む》ウルグアイの主な産業は農牧業。けっして裕福な国ではありません。そんな中、世界中のメディアに「世界一貧しい大統領」として取り上げられたホセ・ムヒカ元大統領 (任期:2011〜2015年) はあまりにも有名です。
彼は、敬意を込めてそう呼ばれています (けっしてバカにされているわけではありません)。大統領時代の報酬の9割近くを社会福祉基金に寄付し、質素な暮らしをしています。就任中は貧困をなくすための政策に力を入れ、誠意のある言葉と態度は国民から圧倒的な支持を受けました。そんな彼は今でも人気があります。
治安
《続きを読む》面積や総人口は南米の中でとても小規模なのですが、生活水準は (ラテンアメリカの中でチリに次いで) 安定しています。そんな背景もあってか、治安は先進国に負けないぐらい良いとされています。
昼間であれば、首都モンテビデオの中心地区は普通に歩くことができます。ただし、日没後は出来るだけ人通りのある・明かりのある通りを歩くのが無難です。
国民の3人に1人は銃器を所持しています (ピストルを使った強盗が年々増加していると言われていますので注意が必要です)。また近年、同国では大麻 (マリファナ) が合法化されましたが、外国人が購入するのは違法です。税関で引っかかってしまったら人生が終わりかねないので要注意!
加えて、少年犯罪への処分が軽く、青少年向けの収容施設が十分に機能していないため、出所後の再犯率が高くなっているという社会問題も抱えています。
とはいえ、治安は普通 (南米では良い方) なので、普通の観光旅行であればそれほど神経質に悩むことはありません。
サッカーの強豪ウルグアイ
《続きを読む》ウルグアイはサッカーが強く、ブラジル・アルゼンチンと並んで南米3強と呼ばれていたこともあります。20世紀前半は世界屈指のサッカー強豪国として君臨し、1930年に開催された記念すべき第一回目のワールドカップもウルグアイで開催されました。
会場となったエスタディオ・センテナリオは首都モンテビデオにあり「サッカーの聖地」として称えられています。
国民に人気NO.1のスポーツ「サッカー」。かつてセレッソ大阪 (Jリーグ) でプレーした世界トップクラスの実力者ディエゴ・フォルラン選手もウルグアイ出身です。
南米のスイス?
《続きを読む》20世紀に入り、最後となった内戦に勝利したコロラド党のホセ・バッジェ大統領によって「スイス」をモデルにした社会経済改革が推進されました。その結果、ウルグアイは南米で唯一の福祉国家となったのです。こうしてウルグアイは、南米でチリと並んで安定した民主主義国家として発展することになるのです。
1929年にバッジェ大統領が死去する頃には「南米で最も安定した民主主義国」となっていましたが、バッジェの改革は経済構造にまでは手がつけられていませんでした。福祉国家が築かれ、ウルグアイは「南米のスイス」と呼ばれるようになりましたが、牧畜産業主体の経済構造を変えることはできなかったのです。
それでも朝鮮戦争の頃まで体制は安定していたのですが、1955年を境に「輸出の激減」と「経済の衰退」が進行。こうして経済が停滞すると政情は次第に不安定となっていきます。その後も二転三転あったのですが、現在は何とか持ち直しています。
首都のモンテビデオ
《続きを読む》ウルグアイを観光するなら、やはり首都モンテビデオは外せない観光スポットです。ウルグアイ最大の都市で、国内人口の4割 (約130万人) もの人が暮らしています。イベントが頻繁に開催される国際都市であり、「貿易港」「美しいビーチ」「歴史的建造物」が印象的。加えて、温暖な気候なので「中南米で最も生活しやすい都市」と好評です。
モンテビデオにはウルグアイが独立を勝ち取った記念に造られた独立広場があります (心には英雄ホセ・アルティガスの騎馬像が立っています)。国会議事堂も見どころの一つです。独立100周年の際に建てられ「政治の中心」を担っています (イタリア人建築家モレッティによってデザインされました)。外観だけでなく内部も美しいので、ぜひ観光してみてください。
ある調査では、モンテビデオは「南米で最も生活の質(QOL)が高い都市」と言われています。そんなモンテビデオにはワールドトレードセンターやショッピングモール、ANTELタワー (ウルグアイで最も高い建築物)といった建物が連なる都会の部分もありますが、旅行者にとってのメインは旧市街になるでしょう。
ちなみにモンテビデオの名の由来は、かのフェルディナンド・マゼランの艦隊がこの土地を見つけた際にポルトガル語で「Monte vide eu(我、山を見たり)」と述べたとする説が有力です。
旧市街にはウルグアイ最古の劇場「ソリス劇場」 (Teatro Solis)があり、モンテビデオ・フィルハーモニー管弦楽団の演奏やジャズ、タンゴなどのコンサートを鑑賞することができます。他にも、肉料理のレストランが集まる市場もあって、興味深い場所がたくさんあります。
またモンテビデオには、「ガウチョ博物館」「サッカー博物館」「アンデス博物館」「カーニバル博物館」「国立視覚美術館」といった博物館・美術館が多いのも特徴の一つ。
さらに、モンテビデオはビーチに近いので、暖かい季節には水泳も楽しむことができます (ラプラタ川沿いの美しい浜辺は若者の憩いの場となっています)。「カジノ」「ショッピングモール」「高級住宅街」「高層ビル」などもビーチ沿いにあり、ウルグアイでもっとも栄えている場所…と言えるでしょう。
南米有数のリゾート地「プンタ・デル・エステ」
《続きを読む》ウルグアイはビーチが有名です。特にプンタ・デル・エステ(Punta del Este)から東は海岸線がブラジルまで続いていて、美しいビーチが幾多数多。近隣のブラジル・アルゼンチン・パラグアイからビーチリゾートとカジノ目当てに多くの観光客が訪れています。観光名所の一つブラバビーチでは、巨大な指の彫刻を見ることができます。
活気溢れるプンタ・デル・エステ港もおすすめです。ヨット & クルーザーが停泊しておりちょっとリッチな雰囲気が漂う一方で、庶民的な漁港の雰囲気も楽しむことができます。市場では地元の漁師さんが獲れたばかりの魚を売っているのでぜひ観光してみてくださいね。もちろん、新鮮なシーフードを提供するレストランもあります。
大西洋から昇る朝日、ラプラタ川に沈む夕日。。。朝夕のお散歩にもぴったりですよ。ここは外国船が入港する国際港でもありますし、国内人気の観光地「ゴリッティ島」や「ロボス島」への船も出ています。
プンタ・デル・エステへは首都モンテビデオから車で東に約2時間。港ではオタリア (アシカの一種) や鯨に会えるかもしれませんよ。
プンタ・デル・エステの15km西には有名なホテル「クラブ・ホテル・カサプエブロ」(Club Hotel Casapueblo) があります。ウルグアイを代表する芸術家、カルロス・パエス・ビラロー氏による建築です。入場料が220ウルグアイペソかかりますが、宿泊しなくても見学することができます。(軽食付き)。
2つの世界遺産
ウルグアイには2つの世界遺産があります。
- コロニア・デル・サクラメントの歴史地区都市
- フライ・ベントスの文化的産業景観
🔴 コロニア・デル・サクラメント
《続きを読む》モンテビデオから200km (バスで3時間) ほど足を延ばすと、世界遺産の街コロニア・デル・サクラメントにたどり着きます。ここはのんびりリラックスして観光するのがおすすめです。古くはポルトガルの貿易港として栄えていた港町で、ウルグアイで最も古い町のひとつとして知られています。
旧市街に残る城壁や石畳の道、そして静かな町並みは、古い時代に思いを馳せながら散策するのにぴったり!夕方からは、ラプラタ川に沈む夕陽やライトアップされた美しい光景を楽しんでくださいね。治安の良いのどかな街なので、大通りや人の多い場所であれば夜も出歩くことができます。
ここからアルゼンチンのブエノスアイレスまでは船で渡ることができます。高速フェリーで1時間ほどなので、ブエノスアイレスを訪れた際に足をのばしてコロニア・デル・サクラメントを観光することもできます。
🔴 フライ・ベントス
《続きを読む》フライ・ベントスの文化的産業景観は2015年に登録された世界文化遺産です。歴史的な意義のあるお肉の塩漬け工場が、現在は広大な博物館となっています (場所はアルゼンチンとの国境近く)。食肉の輸入や55カ国からの移民労働者の受け入れといった国際的な結びつきが選ばれた理由です。
体験・イベント
《続きを読む》ウルグアイに行ったら、「サッカー観戦」「乗馬」「農業体験」「ガウチョ体験」、そしてカンドンべを楽しみましょう!2~3月であれば「カーニバル」が大盛況!また、ガウチョ (カウボーイ) により行われる暴れ馬馴らし (ロデオ) のイベントもおすすめです。
他にはバードウォッチングやホエールウォッチング、サーフィンやジェットスキーといったウォータースポーツも楽しめます。
温泉
《続きを読む》日本人が大好きな温泉がウルグアイにもあります。首都モンテビデオから北へ約500kmも行けば数多くの温泉が!地元でも人気の観光名所となっています。日本とは違って温泉施設で水着を着用するタイプです。
ダイマン温泉はウルグアイ北部にある温泉施設でお湯は本物!40度以上の高温泉は日本人でも大満足です。流れるプールや遊具、レストランなども揃っているので家族連れで訪れるのにもぴったりです。
牛肉 & ワイン
《続きを読む》大畜産国であるウルグアイでは肉料理が大人気。一説には、「世界一牛肉を食べる国」(日本人の10倍)とも言われています。名物料理「チュラスコ」は鉄串に牛肉・豚肉・鶏肉を刺し通し、荒塩 (岩塩) をふって炭火でじっくり焼くもので、日本人の口にも合います。「チョリソー」(刻んだ豚肉に塩・ニンニク・パプリカなどを混ぜて腸詰にして干したソーセージ) も好評です。
また、(隣国ブラジルでは肉料理シュラスコが人気ですが) ウルグアイでは伝統的焼肉「アサード」が人気です。週末になると家族や友人が集まって「アサード」というのがウルグアイ人のスタイルです。ほかにも、ウルグアイには「チビート」という名物料理 (わんぱくサンド) があります。
ボリュームのあるメニューで、牛肉だけでなく、豚、鶏のいずれかを挟み、その他、チーズやベーコン、ハム、卵、生野菜などの具材が挟まれ、マヨネーズソースで味付けされています。チビートという単語は「子ヤギ」という意味ですが、実際は子ヤギの肉は使いません。
また、ウルグアイはワインの名産地でもありますので、アサードを食べながらワインを飲んでみてください。
南米の人はマテ茶が大好き!
《続きを読む》ウルグアイの街を歩いていると、誰もがお湯の入った水筒 & ストロー付きカップを持っていることに気づきます。そう、その正体はマテ茶です。「飲むサラダ」とも言われており、栄養満点!家族や友人、仲間たちと回し飲みする習慣もあるそうです。ウルグアイ国内では、健康成分の多いマテ茶をアマルゴ(砂糖なし)にして飲むのが一般的です。
アクセス
《続きを読む》日本 (成田空港) からウルグアイ (首都モンテビデオのカラスコ国際空港) までは飛行機で約30時間ほどかけてアクセスすることができます。アトランタ、メキシコシティ、パナマ、ロサンゼルス、マイアミ、シカゴなどを経由して行くことになります。
観光のベストシーズン
《続きを読む》ウルグアイは南半球にあるため、日本とは気候が真逆 (6月が最も寒い冬で、1月が最も暑い夏ということになります)。首都モンテビデオの平均気温は「春17℃」「夏23℃」「秋18℃」「冬12℃」。
一年を通して温暖で毎月ほぼ同じ量の雨が降りますが、特に夏と秋に多く降ります (冬に雪が降ることは稀です)。そんなウルグアイへはいつ行ってもいいのですが、強いて言えば気候の良い夏 (12~3月) がベストシーズンと言えるでしょう。
南米で最も旅行しやすい国
《続きを読む》「〇〇を見るためにウルグアイに行く!」というような目玉はないのかもしれません。アルゼンチン、チリ、ペルー、ボリビアなどと比べるとウルグアイは知名度が低くとっても地味な印象があります。
しかしながら、ウルグアイにはウルグアイの魅力というものがあります。「全体的にのんびりとした雰囲気」がウルグアイの良いところとも言えるでしょう。
アメジストは宝石としてアクセサリーに使用するだけでなく、パワーストーンとしても人気があります。加工しないまま、玄関やリビングに飾る方もいらっしゃいます。浄化効果があり、精神を安定させるパワーがあるとも言われています。
なので、日頃のストレスを緩和させるためにもお気に入りの「アメジスト」を探しに出かけて行ってもいいですね。
以上、ウルグアイに関する情報をまとめてお届けしてみました。いかがでしたでしょうか?ウルグアイは南米で最も経済と治安の安定した国であり、料理も美味しく、旅行におすすめしたい国の一つです。
ただし、交通機関は日本ほど発達していませんので、見どころを絞ってルートを考え、巡ってみるといいでしょう。英語はあまり通じません。簡単なスペイン語くらいは身につけて行きましょう。
ともあれ、ウルグアイは比較的治安が良く、自然豊かで温暖なので「観光しやすい国」となっています。ウルグアイの「大自然」「歴史」「伝統的な暮らし」「牛肉」「穏やかな人々」があなたを待っていますよ!