ベルギー第二の都市アントワープといえば、日本人にとっては何といってもあの涙なしには見られない感動の名作アニメ『フランダースの犬』の舞台です。
主人公の少年ネロと愛犬パトラッシュが教会で息を引き取り…
天使に連れられて天高く昇っていくシーンは今でも脳裏に焼きついています。絶対に忘れることができません。
そして、「フランダースの犬」を子供の頃に見ていた時には、ネロ憧れの絵画「ルーベンス」の大作に対して全く興味がなかったのですが…
ある時ふと
「あのルーベンスの本物の絵を見てみたいっ!」と思ってしまい、突然に、リュック片手にベルギーへと旅立つことにしたのです。
あれは今から20年ほど前のことです。なぜだか、どうしてもルーベンスの絵を見たくなってしまった私はベルギーへ旅立つことを即決!旅行代理店にて、1週間後に出発する往復航空券を購入してしまったのです。
まずはオランダのアムステルダムへ…
アムステルダムだって魅力たっぷりの街です。アンネの日記で有名な「アンネ・フランクの家」だってありますし、「ゴッホ美術館」や「ハイネケンのビール工場」だってあるのです。
ちょっとアダルティでエッチな博物館や「飾り窓」と呼ばれている売春小屋、さらにはマリファナなどを体験できる「カフェ」だって。
一応、今回の旅の目的は「フランダースの犬」の世界をノスタルジックに感じることなので、いかがわしい世界は見学だけにしてと (笑)
2、3日のアムス滞在の後、電車に乗ってアントワープへと向かいました。アムステルダムとアントワープはそんなに遠くないので、日帰り旅行だってできるのですが、私の場合はその後、ベルージュ (ベルギー) 経由でフランス、スペインへと移動していくことにしていましたので、ここでアムステルダムとはおさらばです。
「またいつか必ずやって来るからな〜!」と心の中で誓って…
実は、日本や韓国ではあんなにも有名な名作アニメにも関わらず、「フランダースの犬」は世界的にはほとんど知られていないのです。
信じられませんがこれが現実です!
ベルギー人いわく「そんな悲しい話を子どもに聞かせたら、子どもがなかなか眠れなくて困る」そうだし、アメリカ人やカナダ人、イタリア人などに至っては、「知らん、そんなの…」と冷たい返し…
「お前ら〜…」
しかし、私が福岡に住んでいた頃、仲良くなったチャイニーズ系のアメリカ人は「フランダースの犬」を観て、涙が止まらず、一緒に泣いてくれました
それじゃあアントワープは?…といえば、世界では「ファッションとダイヤモンド」の都市であり、3大名所はルーベンスの作品を収蔵する「アントワープ聖母大聖堂」(ちなみに『フランダースの犬』に登場する作品はメイン展示ではなかった!)、「マルクト広場」にそびえる「ブラボー像」、そして「アントワープ中央駅」です。

もちろん、「アントワープ聖母大聖堂」が全てです。あのルーベンスの絵をこの私の肉眼でマジマジと見ることが一番大事だったのですから!
そして、実際に見てみると、本当にすごい!の一言。少し舐めていましたが、想像をはるかに超える感動がそこにはあったのです!
大聖堂が醸し出す雰囲気と絵画のパワーが見事に融合し、相乗効果を発揮しており、圧巻の世界でございました!
もし、少しでも興味のある方は是非行ってみてくださいね。本当にオススメですよっ!
その他に、アントワープで印象に残ったことと言えば、何と言っても
ベルギーワッフルの美味しさです!
旅行前、日本でもベルギーワッフル・ブームというものがあり、日本で何度か食べていたので「まあ、あまり大したことはないんじゃないかなー」と思っていたのですが…
本物は違いましたっ!
なぜでしょう?
使っている卵や牛乳などの質が違うのかな?
作り方も随分と違うのかな?
とにかく、あの旨さといったらありません。
みなさん!
本場ベルギーのワッフルを食べに行くためだけでもベルギー旅行を計画する価値は十分にあると思いますよ マジで言ってます。
さて、楽しかった旅はその後ブルージュ ⇨ フランス ⇨ スペインと続いていきますが、それはまた別の機会にお伝えしましょう。

最後に、アントワープ中央駅についても少しだけ紹介しておきますね。
ベルギーを代表する建築家ルイ・デラサンセリの設計によって1905年に完成した「アントワープ中央駅」は、「世界でもっとも美しい駅」ランキングでトップに輝くほどに美しく素晴らしい駅なのです。
(ちなみに日本からは「金沢駅」がランクインしているようですよ)
で、「アントワープ中央駅」はというと、さすが世界一の美しさとあって、あっちにもこっちにも「撮り鉄」と思われる、バックパックを背負ってカメラをぶら提げたひとり旅らしき人たちの姿がありました。
そして、 夕方の駅構内には、さすがチョコレート王国ベルギーらしく、チョコレートの甘く濃密な香りが立ち込めていたのです。