飛行機が激しく揺れる原因とその対策



飛行機に乗ったことがある人なら誰もが一度くらいは経験したことがあるであろう激しい「揺れ」。まるでジェットコースターに乗っているかのように感じ、「ひょっとして (これ) 落ちるんじゃ?」とヒヤヒヤしたことも!?

トイレも睡眠も、食事さえもままならず、乗り物酔いになってしまった方もいるのではないでしょうか。さて、その激しい「揺れ」の原因は実は「乱気流」なんです。

 

 

揺れの主要因は乱気流

「外ではいったい何が起こっているの?」

「危険なの?安全なの?」

 

そもそも…

「乱気流って何?」

 

・・・不安ですよねー。

 

 

まずはじめに、これだけは覚えておいてください。飛行機が揺れる原因のほとんどは「乱気流」によるものだということを!

その乱気流は「大気の渦」なわけですが、これがいつどこでどのように起こるかは誰にも予測できません 。パイロットでさえ、数分後に何が起こるのか予測不可能らしいのです。

 

大きさ (サイズ) も様々で、小さいものは飛行機と同じくらいの渦。大きいものは数倍の大きさがあると言われています。

発生する原因も様々です。ジェット気流によるものや、雷雨によるもの、山の上を通過するときの強風や山の反対側に移動するときの衝撃などなど。

 

つまり、雲の中や雲のすぐ近くを飛ぶときに揺れやすいわけなのですが、特に「積乱雲」(入道雲)の中では雨粒が浮かんでいられるほどの気流が発生しているため、激しい揺れが予想されます。

イメージ通り、積乱雲も揺れの大きな原因の一つなんですよ。

 

 

パイロットの仕事

もちろんパイロットは乱気流ができるだけ発生しなさそうな空域を選んで飛行させていますが、(空気は目に見えないため) 大気の渦に突入してしまうことがしばしばあるのです。

ただこれだけは忘れないでいただきたい!パイロットは目覚めてからすぐに「いかに乱気流を回避することができるか」を考えてくれているという事実を。

 

家を出る前には天気予報を必要以上にチェックし、空模様をこれでもかというくらいに観察してくれています。このように、「どのルートであれば乱気流に遭わないか」を常に検討してくれているのです。

そして、飛行中のパイロットは飛行機に搭載された気象レーダーの情報をもとに (積乱雲中の雨粒を観測することで) その空域を避けて飛行しているのです。また、機体を上昇あるいは下降させるなどして乱気流を脱出しようと試みてくれています。

 

「キャプテン!Good Job!」

 

 

乱気流は怖くない?

何千メートルという上空で突如襲われる飛行機の揺れ。「慣れろ!」と言われてもなかなか難しいですねー。でも、統計上は「揺れ」が原因でケガをしたという事例はめったにありません。

数十年の歴史の中で、(シートベルトをしていなかったがために) 3人ほど死んだという話もあるにはあるのですが。。。

 

それはそれとして、私たちは乱気流の中にいるとき「機体が急降下している」ように感じるのですが、実は機体は急加速していたのです。あの揺れは、スピードチェンジが原因でもあったのです。

ですが、この状況を外から見ると機体はほとんどまっすぐ飛んでいるように見えるそうです。デコボコ道を走っているときの自動車よりも、乱気流を進む飛行機の揺れは小さい…ともされているんです (本当かなぁ?)。

 

ともあれ、気流の乱れている空域を飛んでいるときであっても、シートベルトさえしていれば心配ありません

 

 

心配な方は…

飛行機は、構造上後方の席ほど揺れが大きくなるとされています。というわけで、「どうしても揺れが怖い!」という方はできるだけ前方の座席を予約することをおすすめします。

後部座席では、飛行機の主翼が作り出すバフェッティングという細かい気流の乱れによっても小刻みな揺れが発生するので、主翼よりも前のシートをとると良いでしょう。

 

また、目を閉じて「揺れ」に集中してみることも恐怖を克服するための有効な手段とされています。騙されたと思ってぜひお試しください。

 

 

まとめ ☆

飛行機の揺れの主な原因は、大気が渦を巻く「乱気流」です。飛行機は、(離着陸時だけでなく) 雲に入った場合でも揺れるのです。完全に揺れないフライトはあり得ません。

 

We had a rough flight because of turbulence.

(乱気流のため飛行機が揺れた)

That plane shook so severely that I was scared.

(その飛行機は恐ろしいほど激しく揺れた)

 

それでも、少しでも揺れを抑えるために運航やサービス面で様々な工夫がなされていますし、機材自体もどんどん進化しています。

 

何より、乱気流に巻き込まれて事故に至ることはまずありません。シートベルトをきちんと締めてさえいれば「安全」なのです。

それでも「苦手」な方は、できるだけ心を落ち着かせて、席でじっとしているのが最善の方法です。可能な限り寝ましょう。

それでは素敵なフライトをお楽しみください ☆