日本から直行便が運航されていない都市へ行く場合、必ず途中のどこか (他国の空港) で別の飛行機に乗り換える必要があります。中には、直行便があるにも関わらず、あえて「乗り継ぎ便」を選ぶ人もいるくらいです。
ところで皆さんは、「トランジット」と「トランスファー」の違いをご存知ですか?この2つの違いは、最終目的地まで同じ飛行機で行くか別の便で行くか、にあります。
前者の場合、寄港時間は30分か1時間程度。「燃料 & 食料の補給」「機内の清掃・整備」が行われ、その間は乗客も空港に降ろされてしまいます。そして再び搭乗し、目的地へとLet’s go!
一方「トランスファー」であれば、立ち寄った他国でも観光を楽しむことができる…かもしれません。
直行便のデメリット
「目的地までひとっ飛び!」と聞くと楽チンでメリットしかないような気がしますが、実はそうではありません。長時間のフライトはしんどく、身体に結構な負担がかかってしまいます。例えば、ヨーロッパ各国やニューヨークなどへの直行便だと片道12〜13時間もかかります。
狭い機内で、半日以上ず〜っと座って過ごすことを想像してみてください。「ファーストクラス」「ビジネスクラス」ならまだしも、「エコノミークラス」の座席ではリクライニングを最大限まで倒してもなかなか寝付けないことが多く、ましてや混雑していたら周囲の人たちにも気を使います。
おまけに機内は「冷房が効きすぎて寒い」なんてことも。トイレが近い人にとっては、長旅は厄介でしかありません。直行便は乗り換えがないので早くて便利かもしれませんが、料金が高額になるというデメリットもあります。私はあえて乗り継ぎ便を利用して、おまけの旅行も楽しんでほしいなと思っています。
「ストップオーバー」で乗り継ぎ地の魅力も味わおう!
旅の疲れが溜まっている帰国の途、乗り継ぎ便を待っているのが苦痛…。そんな人は帰国日をあえて1日延ばし、経由地も楽しみませんか。24時間以上経由地で滞在 (ストップオーバー) することで、ホテルでゆっくり過ごせるだけでなく、経由地も存分に楽しめます。
それに、直行便よりも乗り継ぎ便の方がツアー代が安い場合もありますからね。たとえ (トータルの) 移動時間が長くなっても、「浮いたお金はお土産に回そう」「乗り継ぎ地も楽しもう」と前向きに考え、旅をオトクに満喫しましょう!
たとえばハワイに行く場合、ソウル経由のお得なツアーもたくさん出ています。であれば、本来の目的地ハワイと立ち寄り先ソウルの両方を楽しんだ方がお得ですね!
中東での乗り継ぎがおすすめ
とはいえ、(乗り継ぎ地に) あまり大きな都市を選んでしまうと移動に時間がかかりすぎてしまい、1日では収まらなくなってしまいます。できるだけ「空港から中心部までのアクセスが良く」「マストビジットなスポットが明確」な都市を選ぶべきでしょう。
おすすめは「アブダビ」「ドバイ」「ドーハ」といった中東エリアです。いずれも24時間眠らないハブ空港として機能しており、片道20~30分ほどで市街地に出ることができます。特にアブダビは現在急ピッチで開発が進められているUAEの首都。
街の顔ともいえるシェイク・ザイード・グランド・モスクは、異教徒でも参拝可能なモスクとして世界最大級の規模を誇ります。また、「ルーブル」「グッゲンハイム」といった名だたる美術館を覗いてみることだってできます。そう考えるとやっぱり、 (旅行において) 乗り継ぎだけで済ますのはもったいないですよね。しっかり楽しまないと!
例えば、ドバイ経由で「ポルトガル」「ヨルダン」「ケニア」などに出かけてみませんか。
その他…
◉ 台北経由でバリ島へ
◉ イスタンブール経由でハンガリーへ
◉ 北京経由でパリへ
などなど
乗り継ぎ客向けの「無料観光ツアー」
皆さんは、各航空会社・空港・観光局が提供している乗り継ぎ客専用の「無料観光ツアー」があるのをご存知ですか。以下に、日本人が利用しやすいアジアの空港を4つ紹介しておきますね。
① ソウル「仁川国際空港」
一番利用しやすいのは「仁川空港のフリーツアー」かもしれません。2時間以上の空き時間があれば最低1時間のコースから利用できます。
② 台湾「桃園国際空港」
午前と午後の2つの半日コースが用意されており、前者は伝統文化に触れるコース (8:00〜13:00)、後者はランドマークなどエンタメ強めのコース (13:30〜18:30)となっています。ツアーが長めなので7時間以上の乗り継ぎ時間は必要ですが、該当するなら是非!特に午後のコースは、台湾を存分に堪能できる観光スポットばかりが詰め込まれているのでおすすめです。
③ シンガポール「チャンギ国際空港」
「Heritage Tour」 (文化遺産ツアー・英語) と「City Sights Tour」 (市内観光ツアー・英語) の2つのコースが用意されています。シンガポール航空もチャンギ空港も、世界的に高く評価されていますので、機会があれば是非利用してみてください。
④ 中国「広州白雲空港」
広州白雲空港では、「地下鉄での広州観光」「バスでの広州観光」の2つの無料観光プランから選ぶことができます。ただし、利用には所定の条件を満たしている必要がありますので、公式サイトよりチェックしてみてください。
中国南方航空便で当日乗り継ぎ8時間以上、深夜0時をまたぐ場合は無料のホテルを用意してもらえます。ビジネスクラス以上であれば4つ星以上のホテルが提供されるようで…中華系のビジネスクラスは比較的安いので、一度試してみてはいかがでしょうか。
乗り継ぎ便のメリット【まとめ】
① 航空券代を安く抑えられる
② 乗り継ぎした国を観光できる
③ 搭乗時間を分散させ疲労を軽減できる
ただし、こうした乗り継ぎ便を自由に選ぶのはツアーだとなかなかできません。やはり個人手配の旅行になってしまいます。皆さんも、個人手配で乗り継ぎ便を利用してみてはいかがでしょうか。
「乗り継ぎ地で自由に行動するのは不安」という方も、上述の「無料観光ツアー」であればとっても楽!彼らが知恵を絞って作ってくれた素敵な観光プランを効率よく周れる…というのも魅力ですね。
今回はアジアの空港をメインに紹介しましたが、他にもカタールの「ドーハ空港」、トルコの「アタテュルク国際空港」など豪華な特典がついた空港がいくつかあります。
乗り継ぎ便を予約したら、「無料観光ツアー」がないかチェックしてみるのもいいですね! 是非、お得なおまけ旅まで思う存分楽しんでみてください。