英語を習得するために、「単語を覚え」「文法を覚え」「例文を覚え」…話せるようになるまでに何年かかると思いますか?
おそらく、中学高校6年間の英語教育の中で「英語を聴いて話せるようになった」人はそう多くないでしょう。
だって、あれは受験用の特殊な英語なのですから。
ハードに勉強すればするほど、「きっと英語を話せるようになる」…それが通常の英会話習得への心理です。しかしながら、そんな日本式の受験用英語学習は、実はリスニング能力の妨げになっているだけなのです。
残念ながら、完璧主義で英語をたくさん勉強すればするほどリスニングができなくなるのです。
皮肉なものですね〜😔
じゃあ、どんな人がリスニング向きなのでしょうか?
それは…
スペルも意味もまったく知らない人😉
余計な知識なく赤ん坊のような状態にある人の方が、ネイティブの言っている「音」を聴くことができるのです。意味はわからなくても、素直に音を聴き発音できるようにもなるのです。
もちろん、発音できてもスペルはわかりません。でも、記憶はより簡単にできるわけです。
幼児は初め、単語の意味もひらがなも、何もかもを知りません。知らないのに、親が言っている日本語の単語を聞き分け、同じように発音するようになっていきます。
しかし、話せるようにはなってもしばらくは文字を知りません。文字を知らなくても、歌は歌えます。記憶もできます。むしろ、文字を知ってからよりも、暗記力は優れているのです。
英語も同じです。0歳から英語環境下で育った子供は、2歳で英語を話し始めます。まだスペルは知らなくても、英語をペラペラと喋るのです。
ネイティヴ同様、多くの単語や言い回しを知っているし、英語の歌やアニメの台詞もすぐ覚えます。聴いて真似するだけで、スペルを読んで暗記したりする必要はありません。
つまり、聴き取り能力 (リスニング力) が優れているのです!
大人になると、英語の歌を聴いて、歌詞カードなしに聴き取って暗記するというのはなかなか難しいものです。
「子どもは大人と聴き取れる音の幅が違う」という話もありますが、それを承知で以下のことを提案したいと思います!
「意味を理解したい」という気持ちをゼロにすること!
まず、大人は英語を聴く際、
知っている単語が出てこないか耳を澄まします。スペルから覚えた英単語がネイティブの発音として出てこないか待つのです。
出てきたら、「おっ!」と思いそれを日本語に訳します。奇跡的に文自体も聴き取れたら、その文の意味も考えます。
そうこうしているうちに話はドンドン流れていくので、その後の文章はほとんど聴き取れなくなるのです。
何を言っているのか意味を知りたいので、つい、立ち止まって訳してしまう…
仮に、知らない音ばかりであれば訳すことなく次の言葉を聴くことができますが、たま〜に、勉強した言葉が聴き取れてしまうのでいちいち立ち止まってしまうのです。
つまり、中途半端に単語を知っているせいで、次の単語を聴くことができなくなってしまうのです。
「勉強法はともかく、これを繰り返せばいつか聴き取れるようになるはず…」
こうして、20年、30年と時間を無駄にしてきた人たちが世の中にはたくさんいます。
普通に考えれば、ネイティブが話している音を聴き、そこから覚えていくのが言語学習のアプローチとして正しいはずです。
しかしながら、第二言語を勉強する大人たちの手には辞書があり、例文という「文字」から覚え、音からは覚えないのです。
なぜリスニングから始め、リスニングに集中しないのでしょうか?
子どもはニュースから言語を覚えません。あくまで、行動を伴う音から覚えます。「それを取って」と大人が言って指をさしたら、なんとなく「それ」とか「取って」という言葉の意味を理解していくのです。
それが繰り返され、次第に話せるようになるのです。
だから、大人でも、子どものアニメから英語を覚えることができます。その際、音を真剣に聴く、頭の中で訳したりしない、という姿勢が大事です。
自分が知っている単語が出てくるかどうかとか、訳そう、訳したいという気持ちを排除しなければなりません!
とにかく音を聴き続けることです。目は動画を観ているのでストーリーはなんとなくわかります。それでいいのです。
「音を聴いて訳す」…ということばかりしていては、いつまで経ってもネイティブの話すペースにはついていけません!
慣れてくると、大人は「訳したい」「理解したい」という気持ちが芽生え、ついそれをやってしまいます。すると次の瞬間、リスニング能力はまた元に戻ってしまうのです。
なのでこれからは、訳さずに音を聴き続けることに注力しましょう!「訳さずに英語として理解すること」
それを繰り返していると、必ず、それがしっくりくる日がやって来るのです!
最後にもう一つ、リスニングにとって重要なことがあります。それは、「リスニングはスピーキングでもある」ということ!
子どもは黙って音を聴いているようでいて、頭の中で相手の言っている音を自分が話すように聴いています。頭の中で真似をしているのです。
何となくおわかりいただけましたでしょうか?😑
これを実現するには、音を素直に聴き、心の中で話すように聴くことです。
もちろん、スペルを知る必要はありませんし、単語の本当の意味を追究する必要もありません。まずは音を聴くこと!意味はあとで推測すればいいのです!
完璧主義者はこれができません。ただ音を聴くなんて我慢ならないのです。
さあ、あなたはどうしますか?