「外貨預金」のメリット・デメリット for 初心者



外貨預金とは、一言で言えば「日本円でなく外国の通貨で預金をすること」。ではなぜ多くの人たちがそうするのかといえば、「金利」と「差益」で得をするため。

このように、(日本円と比べて) 圧倒的に「金利が高く」「為替差益を得ることができる」外貨預金ですが、とはいえ、為替レートは常に変動しています。そのため、(外貨預金は) 円高のときに「円」に戻せばすることになります。

逆に、円安になれば為替差益が得られます。外貨預金は、すでに口座を開いている日本の銀行でもすぐに始めることができます。

 

 主な外貨預金は「米ドル」「ユーロ」「オーストラリアドル」「イギリスポンド」「スイスフラン」「香港ドル」など

 普通預金と定期預金の2種類があります

 

外貨預金のメリット

例えば、手元に100万円の現金があるとしましょう。これを日本の銀行に預けていた場合、10年後には「わずかな金利分が付与されるのみ」。しかも、10年後の100万円は現在の100万円と同価値ではありません。

「為替変動」や「物価変動」の影響を受け、目減りしている可能性が大なわけです。つまり、外貨預金をはじめとする資産運用は、こうした目減りのリスクを補うものであると言えるでしょう。

 

では、この100万円を外貨預金したとしたらどうでしょう?10年後に円安となっていればその分しますし、 (対象国が) 日本よりも高金利であれば、さらに儲けることができます。

 

 

 

 

外貨預金のデメリット

一方で、円高が進んでしまうと (金利は付くものの) 結果としてマイナスになることも考えられます。こうした為替変動のリスクを負う点が外貨預金のデメリットと言えるでしょう。

なので、元本割れするようなことがあれば、すぐに外貨預金を日本円に戻して、損失を最小限に食い止める必要があります。

 

 

また、外貨預金はペイオフの対象外となっている場合もありますので、銀行が倒産すれば (外貨預金は保護されることなく) お金が戻ってくることはない…かもしれません (もちろん、銀行に預金すること自体で「元本保証」されているはずなので、そうでない場合もあるかもしれないと想定して銀行に要確認です)。

ちなみに、円から外貨に交換する為替レート(為替手数料)は、預けるときには「TTS」、引き出すときには「TTB」が適用されます (必ず手数料がかかります)。

 

 

 

意外と高い為替手数料

外貨預金で忘れてならないのは「為替手数料」の問題です。通貨を交換すると必ず費用がかかります。円で外貨を購入する際、再び円に戻す際、往復でコストがかかります (この手数料は「金融機関」「通貨」により異なります)。

一般的には、店舗型の金融機関よりもネット銀行の方が安い傾向にあります。「高い金利だ」と思って預けていた外貨預金も、為替レートの変動や為替手数料を考えると、赤字になる可能性もあります。最終的に利益が出るように、タイミングを見ながら通貨を交換していきましょう。

 

 

銀行によっては口座維持手数料がかかることも

このように、外貨預金選びでは「金利」と「為替手数料」を検討することがとても重要になってきます。為替手数料は必ずしも安い方が良いわけではなく、コストパフォーマンスを重視するか、手厚いサービスを重視するか…

預金者が何を求めるかによって、選ぶべき銀行を使い分けるのが良いと思います。ちなみに、銀行によって口座維持手数料がかかることもあるということも覚えておきましょう。海外では、預金残高が一定額を下回ると口座維持手数料がかかってきます。

 

 

投資初心者でも始められる?

外貨預金は仕組みがわかりやすいため、投資初心者でも始めやすいと言えるでしょう。ただし、「銀行の預金だから元本保証」という常識は捨てなければなりません。銀行の外貨預金は元本保証がありますが、それは外貨での元本保証。円として最初に預けた金額が保証されているわけではありません。

為替変動リスクによって、日本円での元本割れということは十分に考えられます。

 

また、いくら仕組みが簡単と言っても、知識をつけることは必須!自身が保有している外貨が現在いくらで取引されているのか、今後どのような変動が考えられるのか…など、日々チェックしておく必要があります。

少額から始められる点はメリットなわけですが、「どのようなリスクが考えられるのか」「自身が選んだ通貨はどのような傾向にあるのか」といった基本的な部分は最低限知識として身につけてから始めることを強くオススメします。

 

 

加えて、為替変動要因は多岐にわたるため、世界情勢などよりグローバルな視点で情報を集めることも欠かせません。とはいえ、海外に行ったことのある方であれば、外貨預金というものをイメージしやすく、初めての投資としては始めやすいのではないでしょうか。

外貨定期という定期預金の商品も存在しています。「購入タイミングがよくわからない」「面倒臭い」といった場合には、こうした商品から始めてみるのもアリかもしれません。中には、超短期の1週間という商品まで存在しています。

 

 

 

フィリピンで銀行口座開設

以上、外貨預金のメリット・デメリットなどについて解説してきました。米ドルやユーロ、ポンドといった先進国の外貨預金もいいのですが、成長性では新興国に劣ります。そこで、ここでは一例としてフィリピンのことを少し説明しておきましょう。

 

 

今後20〜30年先までは経済発展が見込まれている国フィリピン。その頃には日本よりも人口が増えていることが予想され、将来を考えた資産運用では、日本や先進国よりもフィリピンでの銀行口座開設を活用した方が大きく資産を増やすことができるはずです。

私がフィリピンの銀行口座開設で一番のメリットとして感じているのが「外国人でも適用されるペイオフ」です。通常、海外の銀行において外国人はペイオフの対象外となっていますが、フィリピンはそうではありません。長期滞在や、定期的に訪れているという方は一度「口座開設」を検討されてみてはいかがでしょうか。

 

 

おわりに

外貨預金では、選ぶ通貨によっては為替レートの変動が激しく、大きく資産が倍増したり半減したりすることがあります。そのため、「円預金と外貨預金のバランスを考える」「複数の通貨を組み合わせる」といったリスクヘッジも大事になってきます。

また、預ける時期と引き出す時期の為替を確認し、利益が出ているときに日本円に戻すといった的確さも大切です。これからの時代、私たちは日本円だけで資産を持つなんて考えられない…のではないでしょうか。