東南アジア新興国の不動産投資は有りか無しか?ベトナムは?



海外不動産投資、とりわけ東南アジア新興国のマンション投資は相変わらず人気のようです。タイやマレーシア、フィリピンなどでは割安な物件を購入できます。

これらの国々では経済成長が著しいため、「転売益と家賃収入の双方を見込める」ことが人気の秘密のようです。

 

しかし、本当にそうなのでしょうか?

 

以前は、「外国人名義で土地も住居も保有できる」マレーシアが特に人気でした。

しかし今では「外国人による不動産の最低購入金額は3000万円」と引き上げられ、非常に買いづらくなってきています。

 

さらには

巷で言われているほど「海外投資は簡単ではない」ことが露見し始めているのです。

 

 

 

海外投資の厳しい現実

物件完成の数年前に安く買い、完成後に高値で売る“プレビルド”という値上がり益目当ての投資法があります。

これは、物件購入後の数年間はお金を払いっぱなし。途中で資金繰りがキツくなってもすぐには売れません。

 

また、資金的に持ちこたえて物件が引き渡されたとしても、巨大マンションの場合、何年かごとに分けて建設されるので、住居部分が完成しても共用部分が未完成…

不動産価値は高まらず、すぐには売ることも貸すこともできない、なんてことも。

 

加えて、

不動産業は免許制ではないので、業者の多くは金融やホテル業上がり…

 

つまり

「プロ」ではないのです。不良物件をつかまされたり、倒産・廃業のリスクもあるのです!

ベトナムの地図

 

 

 

それでも、世界中の富裕層が目を向ける東南アジアの不動産投資

近年、ネットやビジネス雑誌などでは海外不動産投資の話題が絶えません。

特に、東南アジアの好景気に目をつけたコンサルティング会社や現地の日本人経営不動産仲介業者が情報を発信し、日本国内でも多くのセミナーが開催されています。

 

例えば、東南アジアで頭角を現しているタイのバンコクでは、条件の整ったエリアコンドミニアム(マンション)で運用すれば、6%前後の利回りが期待できるとされています。

※ ただ、タイの場合、部屋のオーナーが内装や家具などを揃えておかなければならないので、減価償却を考えると飛び上がるほどの利益を得られる、とは言い難いのです。

 

それでも、タイを含む東南アジア各国では、首都やリゾート地の不動産投資が盛んで、各国の富裕層はおろか、日本や欧米の小金持ちたちまでもが地価の乱高下に一喜一憂している有様なのです。

 
じゃあ…

 

 

ベトナムでの不動産購入は?

これまで大企業しか投資してこなかった社会主義の国ベトナムが、なんと!

2015年7月に住宅法を改正し、「外国人もコンドミニアムなどの不動産を購入できる」ようになりました。

 

しかし、個人で購入する場合はベトナム入国印がある有効なパスポートを所持し、有効な投資登録証明書を交付してもらわなければなりません。

 

しかも、住宅法第161条では外国人が購入・所有できる物件数は1棟につき全戸数の30%まで、同一区域内で250軒までと定められていて、「できることなら買ってくれるな」と言っているようなものです。

そんなベトナムではいくらで不動産を購入できるのでしょうか?

 

ある関係者によりますと、2015年末、ホーチミンで投資目的に購入されたマンションは800万円ぐらいで相当安かったそうです。

ハノイで販売された分譲マンションは6,000万円くらい。こちらもまずまずの割安物件だったとのこと。

ベトナムで不動産投資

 

しかし…

 

 

困難多いベトナムの不動産投資

 ベトナムでも、タイ同様内装や家具はオーナーが新調し、付加価値を上げる必要があります。そう考えると初期投資は結構高額になってしまうのです。
6,000万円の物件は167㎡の3ベッドルーム。賃貸だと回収に何年かかるのかなぁ?

 

ハノイの場合、日本人が払う家賃の平均は商社や銀行の駐在員で3500米ドル~、単身者で1000ドル、家族帯同で2000ドルが相場だといいます。
3500ドルを約40万円とした場合、単純計算で6000万÷40万=150か月、つまり12年以上もかかってしまうのです。
う〜む…

 

それならキャピタルゲインを狙ったほうがいいのでは?

 

いえ、実はそう簡単には考えられないのです。

これまで、ベトナムには不動産投資というものがありませんでした。つまり、不動産市場が確立されていない国なので、不動産の売買はまったくの未知数なのです。

 

現状、1棟全部を所有してアパート運営しているオーナーは儲かっていますが、それ以外には可能性を感じません。

事実、富裕層のベトナム人は日本の土地やマンションの購入を考えており、ベトナム国内には目が向いていないような気がします。

 

ベトナムの日系企業はほとんどが製造業で、駐在員の住宅補助予算が非常に厳しい!

分譲賃貸にした場合、借り手がつかないケースも…

ベトナムで不動産投資

 

 

 

結論

現時点において、ベトナムで不動産投資によって儲けようとするのは正直難しいでしょう。

 

今後、法律がしっかりと整備され、政府が外資誘致を真剣に考えるまでは…

引き続き待ちましょう。

 

 

そしてもう一つ

こんな不安満載の状態で建設が進んでいるので、いずれバブル崩壊となるでしょう。

そう考えると、今は外貨をベトナム・ドンに両替して、定期預金にした方が利回りがいいかもしれません。

ただし、再度外貨に戻すときに為替差損と両替手数料がかかりますが (苦笑)

 

 

 

まとめ ☆

仮に、ベトナムでなんらかの投資に成功したとしても、その利益をベトナムから日本など国外へ送金するにはいろんな規制があります。

ベトナムでの投資自体が困難な上、このような別の問題も抱えているベトナムにおける不動産投資は、今のところ眺めているだけの方がいいのではないでしょうか。