なお、この容疑者は5年前に母親を殺害していますが、家族に赦免され釈放されていました。殺された母親は不貞行為を行っていたのでしょうか?それとも、その品格とやらに問題があったのでしょうか?
名誉殺人に抗議する人権活動家と女性たち
そもそも名誉殺人 (honor killing) とは
女性が婚前・婚外交渉 (強姦被害での処女喪失も含まれる)した場合など、「家族の名誉が汚された」として家族により殺害される風習のことです。
ちなみに、イスラム文化圏では同性愛者も対象となるようで…
国連の調査によりますと、年間5,000人ほどの人々が名誉殺人の被害に遭っているそうです。
名誉殺人は主に中東のイスラム文化圏で行われていますが、実際はイスラム教とは無関係で、イギリスやイタリア、スウェーデン、ブラジルなどでも行われています。
日本人が行っているパキスタンでの自立支援活動
「小さなきっかけでも、次へのステップになれば…」
パキスタンの首都イスラマバードでは、古紙を利用したビーズのアクセサリーを作る工房が日本人の手で運営され、障害や貧困などで弱い立場にいる女性の自立支援に貢献しています。
ここで働く人たちは、2005年のパキスタン地震で半身不随になった女性や貧困地区で暮らしている女性たちなど。虐待や暴力を体験し、コミュニケーション能力が低下している人も多いといいます。売り上げからの収入を得られ、自信を取り戻し、うつ症状が改善されたケースも!
自分の手で道を開くことの大切さ!
慈善だけではないビジネス!
このような活動が世界中でもっともっと巻き起こってくれれば、地球は住み良い星になるのに!
パキスタンの基本データ
南アジアに属するパキスタンの首都はイスラマバードです(最大都市はカラチ)。面積は日本の2倍ほどで、国土の中心部を流れるインダス川の流域に国民の80%以上が住んでいます。人口の増加が著しい国の一つとされています。
※ 国名のパキスタンはペルシア語で「清浄な国」の意
1999年に無血クーデターで実権を握ったムシャラフ (のちに大統領に就任) は2004年、パキスタンをイギリス連邦に復帰させます。
パキスタンと日本の関係
1958年の外交関係樹立以来おおむね良好でしたが、1998年の核実験を機に関係悪化。その後、2005年には小泉首相が有償資金援助を開始するも、今も核を保有していることに変わりはありません。
日本からの投資はインドと比べると極めて少ないのですが、これは、不安定な政治とインフレ経済を嫌ったものです。
宗教
国民の97%がイスラム教
言語
ウルドゥー語のほか、英語、パンジャーブ語、シンド語、カシミール語、コワール語、パシュトー語、バローチー語、ブラーフーイー語、ブルシャスキー語など多岐にわたります。
人口
2億人弱
アフガニスタンからの移民が急増し、それに伴い人口も急増中です。2050年には (インドネシアとブラジルを抜き)、中国、インド、アメリカに次ぐ世界第4位の人口大国になると予想されています。
経済
1日2ドル未満で暮らす貧困層の人々が、人口の約半分、1億人近くもいると言われています。
世界遺産
モヘンジョ・ダロ
タキシラ
タフテ・バヒーの仏教遺跡群とサリ・バロールの近隣都市遺跡群
ラホールの城塞とシャーラマール庭園
タッターの文化財
ロータス・フォート
興味のある方は各々で調べてくださいね (^ ^)
さて、
パキスタンでは、私たちが思っている以上に過酷な人権侵害が行われています。
人権侵害
イスラームに基づく国家パキスタンには、それがゆえに様々な人権侵害が存在しています。言論の自由はありませんし、不用意な発言をし「違反した」とみなされると最悪「死刑」に。
さあ、ここまで「名誉殺人」を中心にパキスタンに関する情報を書いてきましたがいかがでしたか?何かを感じ、いつか良き行動を起こしてくれることを心から願っております。
せっかくなので、
ここで
とある情報筋による「世界の治安の悪い都市ランキング」を見てまいりましょう。
治安の悪い都市ランキング
10.ケープタウン (南アフリカ)
9.ナイロビ (ケニア)
8.カラカス (ベネズエラ)
7.ペシャワール (パキスタン)
6.サヌア (イエメン)
5.アビジャン (コートジボアール)
4.シウダードフアレス (メキシコ)
3.バグダッド (イラク)
2.モガディシュ (ソマリア)
1.カブール (アフガニスタン)
第7位にランクインしているパキスタン国境付近の街ペシャワールは、世界で最も危険な場所の一つとされています。軍と部族が常に争っており、、、
それでも
本当は
バザールが迷路のようになっていてとっても賑わう、食と町歩きが非常に楽しいと評価されている素敵な街なのです。
治安さえ良ければ…
おわりに
5年前、イスラム過激派グループに拉致され2016年春に解放されたパキスタン人の30代男性。
彼は監禁中、大好きなサッカーのイングランド・プレミアリーグ、マンチェスター・ユナイテッドの試合をラジオで聴くことだけを心の支えとして「正気を保っていた」そうです。
この男性は、冒涜(ぼうとく)法改正を唱えて警護官に射殺された北部パンジャブ州の州知事の息子で、2011年に東部ラホールで武装グループに拉致されたのです。
またしてもラホール…
本人の話によりますと、「拉致グループはウズベキスタン・イスラム運動」で、その後アフガニスタンの旧支配勢力タリバンの監視下で監禁されていたとのこと。
監禁中は鞭で叩かれ、銃で撃たれ、爪を剥がされたりするなど酷い虐待を受けていましたが、「マンチェスター・ユナイテッド」の試合のおかげで精神の均衡を保つことができたといいます。
ん?
なぜラジオを聴くことができたのでしょう?
それは、同じくマンチェスター・ユナイテッドのファンだという監視役の戦闘員1人が、こっそり差し入れてくれたのだそう。
無事生還後、
「マンUからこれが贈られてきたよ!」
と彼が飛び上がって大喜びするのも無理はありません。大好きなマンUから、選手たちのサイン入りユニホームが送られてきたのですから!
「もう仰天だよ!みんなありがとう!」
人生いろんなことがありますが、苦難困難を乗り越えたものだけが手に入れることのできる「幸せ」というものがあります。この「幸せ」を胸に、強く明るく元気に生きていってほしいなと思います。