海外旅行に行く場合、空港などで海外旅行保険に加入する方もいるのではないでしょうか。たとえ、クレジットカードに旅行保険が付帯していると知っていても、「それだけじゃ不安…」という気持ち、よくわかります。
しかし、うまく活用すれば、クレジットカードに付帯している海外旅行傷害保険でも、「補償内容」や「補償金額」を充実させることは可能です。
そこで今回は、クレジットカードの海外旅行傷害保険がどれほど使えるものなのかということを、一般の海外旅行保険との違いを見ながら確認していきたいと思います。
まず、クレジットカードに付帯している海外旅行傷害保険をAとしましょう。保険会社に保険料を支払って加入する海外旅行保険をBとしましょう。
AとBの大きな違いは「補償対象の範囲と金額」、そして「治療費の支払い方法」です。
「補償対象の範囲と金額」をよ〜く見てみると👀
「疾病死亡」や「緊急歯科治療費用」などに関しては、Aはうまく対応していません。旅行中に病気で死亡した場合、Aは補償してくれません。
治療費などの金額にも大きな差があります。当然、Bの方が高額に設定されています。
次に「治療費の支払い方法」を比較してみると、Aではいったん立て替えの必要あり!!帰国後に、請求しなければなりません。一方、Bの場合は、治療費を自己負担することなく現地でそのまま治療を受けられます。
ここまで見てみると、Aだけでなく、別途保険料を払ってBに加入したほうがいいなと思ってしまいますよね。
確かに、現地での治療費の立て替えをしなくて済むようにしたいなら、Bに加入したほうがいいのですが、「補償対象の範囲と金額」についてはAだけでも十分…だという見方もできるのです。
う〜ん、迷ってしまいますねー。
まず、旅行日程は10日間として、
「年会費1万円のクレジットカード」(A)と「保険料1万円の海外旅行保険」(B) を比べてみました。
ざっと以下の通りです。
(A) クレジットカード
- 傷害死亡・・・3,000万円
- 傷害後遺障害・・・最高1億円
- 傷害治療費用・・・最高300万円
- 疾病治療費用・・・最高300万円
- 緊急歯科治療費用・・・なし
- 疾病死亡・・・なし
- 賠償責任・・・最高5,000万円
- 携行品・・・最高50万円
- 旅行事故緊急費用・・・なし
(B)保険会社の保険
- 傷害死亡・・・1億円
- 傷害後遺障害・・・最高3,000万円
- 傷害治療費用・・・無制限
- 疾病治療費用・・・無制限
- 緊急歯科治療費用・・・10万円
- 疾病死亡・・・1,000万円
- 賠償責任・・・1億円
- 携行品・・・30万円
- 旅行事故緊急費用・・・5万円
これからわかることは、
Aには「疾病死亡」と「緊急歯科治療費用」の項目がないということ。そして、予期せぬ事故によって負担した交通費や宿泊費等を補償する「旅行事故緊急費用」も付帯していないということ。
しかし、あくまで個人的見解ですが、「疾病死亡」については、病気を患いながら海外旅行に行くこと自体が間違っていますので、10日間程度の旅行であれば(旅行終了日から30日以内に死亡した場合が対象)、疾病死亡補償があるかないかはあまり関係ないと思われます。
「緊急歯科治療費用」についても、短期の海外旅行で治療が必要なほど痛むということはあまり考えられません。
AとBにおいて、「傷害治療費用」が無制限か上限が設けられているかは大きな違いの一つです。例えば、海外で骨折して入院し、治療費が350万円かかった場合、
Aは上限300万円。つまり、差額の50万円は自己負担となります。一方、Bであれば「無制限」なので、たとえ治療費が1,000万円かかったとしても自己負担はゼロ!
以上の点、つまり、現地で大怪我をしてしまった場合の治療費を考えると、クレジットカードだけの補償では心もとない気がします。
ただ、どうしても「保険料をケチって海外旅行に行きたい!」と考えている方のために、保険を手厚くする方法を伝授しておきたいと思います。
方法は以下の2つ。
1. 一般海外旅行保険の掛け金が低い保険に加入し、クレジットカードの海外旅行傷害保険と併用する方法
2. 複数のクレジットカードを利用する方法
意外と知られていませんが、クレジットカードに付帯している海外旅行傷害保険を詳しく調べてみると、複数のクレジットカードを保有している場合、「傷害死亡」と「傷害後遺障害」は、保有している複数のクレジットカードの補償金額の最高額が適用されるだけですが、それ以外の補償に関しては、保障金額を合算することができるんです。
つまり、不安のあった「傷害治療費用」や「疾病治療費用」の部分は合算で上限を増やすことができるわけです。
これは大きいですよねっ!
先ほど例に出した350万円の治療費についてもう一度考えてみましょう。
例えばあなたは、2枚の「海外旅行保険付き」「自動付帯」のクレジットカードを持っているとしましょう。この2枚の「傷害治療費用」の上限がそれぞれ300万円と100万円だったとすると、300万円 + 100万円 = 400万円があなたの上限枠ということになり、50万円かかると思っていた自己負担がゼロになるのです。
「賠償責任」がずいぶん手厚くなりましたねー。
※ ただし、クレジットカードの海外旅行傷害保険は、必ずしも「保有していれば補償される」わけではありません。「自動付帯」でなく「利用付帯」であった場合、注意が必要です。
※「自動付帯」とは、そのクレジットカードを保有していれば自動的に付帯される保険で、「利用付帯」とは、クレジットカードで旅費の支払いを行わなければ補償を受けられないサービスになります。
いずれにしても、クレジットカードの保険金は合算も可能だということを覚えておいてくださいね!
それでは、「安心」「安全」な旅行を楽しんできてください ☆☆☆