日本人の間でもちょっとしたブームになっている老後海外移住。
物価の安い海外なら「年金暮らしでもゆとりある生活ができるのではないか」と考える方もいるようです。
しかし、実際に海外移住するとなったらささやかな年金程度では絶対に不可能!移住先のリタイアメント(退職者)ビザを取得するためには、それなりの貯蓄や収入証明が必要なのです。
海外移住するならやっぱりアジア!
例えば、日本人に人気のオーストラリアは「最低でも約4000万円の資産がなければリタイアメントビザが取れない」ようですし、ヨーロッパ諸国も軒並み敷居は高めです。
そこで日本人の多くが移住先として選ぶのはフィリピンやタイ、マレーシアを始めとするアジア諸国になります。
ビザの取得条件が比較的緩いことに加え、同じアジア圏なので食生活や文化に馴染みやすい、という理由があります。
それでは人気の海外移住先をいくつか見てみましょう!
フィリピン ☆
フィリピンで現地の人と同じような暮らしをするなら月5万円もあれば十分です。しかし、日本人が満足できるレベルとなると10〜15万円は必要になってきます。
フィリピンの料理は基本美味しくないので、自炊することはもちろん、電気代の節約を心掛けるだけでも随分違ってくるでしょう。
なぜなら、フィリピンでは物価の安さの割に電気代が高額なんですよ。
それでも、人件費はあまりかかりませんので介護費は月3万円くらい見ておけば十分でしょう。
あとは、日本人ということで襲われるリスクもありますので、ある程度はセキュリティ面で安心のできる住まいに住むことをお勧めします。
参考までに、以前私が住んでいたフィリピンのマンションには、24時間体制で警備員がフロントに常駐していました。
彼らとは仲良くなり安心感もあったのですが…よくよく考えてみると「治安が良くない」から警備員が必要なのであり、「もしも彼らが悪だったら一巻の終わり」です。
とまあ、脅すようなことを書いてしまいましたが、実際に私は無事でいるわけですから、致命的に物騒なわけではありませんよ (^ ^)
タイ ☆
タイの家賃はピンキリですが、物価自体は日本の1/3程度です。
それでも、フィリピンと比べると治安は良く日本人向けの食べ物も多いので、「暑さ」だけ気をつけていればかなり「悠々自適なリタイア生活」を送れるのではないでしょうか。
ただし、実際の生活費は月15万円~というデータにもあるように、出費に関しては日本にいる時と何ら変わらない傾向にあります。
余裕のある人であればそれでもいいのですが、万一の備えのためにもバカンス気分の無駄遣いは禁物ですよ。
マレーシア ☆
プール付きの豪邸に最低月5万円からの家賃で住むことのできるマレーシアも魅力的な移住先の一つです。
ただし、前述したフィリピンやタイと比べるとハードルが少し高くなります。物価はタイと同程度にも関わらず、平均生活費は月20万円…と少し高めです。富裕層の方が多いからなんでしょうね。
ならば、プライドを捨てることさえできれば、もう少し生活費を抑えることもできるでしょう。
上記アジア3カ国まとめ ☆
ここで挙げた3か国では日本の国民健康保険が使えることが一番の魅力かもしれません。
それでも、将来的には条件が変わってくるかもしれませんし、何より、3カ国ともに経済は発展し、物価上昇してくることは間違いないでしょう。そう考えると、老後海外移住に夢ばかりは見ていられませんね。
ちなみに2016年時点で
フィリピン・・・80万円で永久ビザ取得可能
タイ・・・200万の現地預金でビザ取得可能
マレーシア・・・ビザ取得には1,000万近くの財産証明と月25万円以上の収入証明が必要
となっています。いずれにしても、年金満額受給だけでは少し厳しいのです。
※ 移住に関する条件は随時変化していきますので、ご自身でも都度確かめる習慣をつけておいてくださいね
最後に、中国の経済事情にも少しだけ触れておきましょう。
中国の不動産バブル
「真面目にコツコツ働くのがバカバカしくなっちゃった…」
こう嘆くのは中国・北京に住む30代の中国人女性Aさんです。1年前に600万元(約1億円)だった住宅が800万元に値上がり⤴︎しました。
「もし、金利4%の住宅ローンを組んででも購入 & 転売していれば、今頃は売却益だけで悠々自適な生活が送れていたのに…」
「チッキショー!!!」
また別の女性は
「翌日には数十万元値上げされるとの噂を聞いたので、物件を見ないで即契約しました」と語っています。彼女は既に北京郊外に家を持っているんです。それでも、息子のために新たに家を購入したのです。
「子供を都市部の有名校に通わせるには、その地域内に住宅を所有している必要があるんです。」
だから中国の人々は皆、無理をしてでも都心の高い住宅を購入する!これが住宅価格を押し上げている要因の一つでもあるのです。
北京や上海などの大都市には相変わらず膨大な資金と人々の欲望が集まる一方で、地方都市には誰も住まないゴーストタウンも出現しています。地方には景気減速感が漂っているのです。
国家統計局によりますと、北京の新築住宅価格は前年比16%up!深圳市では61.6%も高騰!!(2016年度)
当局はこれまで、投機的な住宅バブルを抑制するために、「都市部に戸籍がない人には住宅を買わせない」などの制限策をとってきましたが、住宅市場の変調を受けて2016年春から規制が緩和されました。
中国人民銀行(中央銀行)によると、1〜3月期の住宅ローンの新規貸出額は1兆元と過去最大に!
不動産を買って資産をつくるんだ!
この流れに乗れない人は人生の負け組と言わんばかりの雰囲気漂う中国では
「もっと資産を!」
「より良い教育を!」
「うお〜〜〜!」
…中国において、住宅とは家族が幸せになるためのもの、温かい家庭を築くためのものではないらしい…