ポルトガルには「ヨーロッパなのに物価が安い」「料理が美味しい」といった魅力がありますが、日本からの観光客はまだそれほど多くはないようです。
確かに、イタリア・スペイン・フランスなどと比べるとちょっとマイナーであり素朴な印象があります。「美しい街並み」が残っていたり、どこか情緒的だったりと、実はとっても魅力的な国なんですけどねー。
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ポルトガルといえば、カステラや宣教師フランシスコ・ザビエル、クリスティアーノ・ロナウドを思い出す方が多いのではないでしょうか。実は歴史上、日本ととっても関わりの深い国なんですよ!
◉ 言語:ポルトガル語
◉ 首都:リスボン
◉ 人口:1,100万人ほど
料理は、魚介やお肉を活かした日本人好みの味付けになっています (美味しいけれど脂っこく、どこか大味だと感じてしまう大陸的なスペイン料理とは似て非なり)。
◉ 通貨:ユーロ (€)
◉ 治安:比較的良いと言われるポルトガルですが、リスボンやポルトなどの街ではスリなどの軽犯罪が多発しています。
主言語はポルトガル語ですが、英語は概ね通じます。特に観光地では、英語が通じず困ることはほとんどありません。ただし、日本人観光客はあまり多くないため、日本語はほぼ通じないと思っておいてください。
◉ ベストシーズン :地中海性気候で年間を通じて温暖なポルトガルですが、観光のベストシーズン は夏季の6〜9月 (春・秋は温暖だが天候が不安定。冬はあまり冷え込みはないが雨が多い)。
別名「7つの丘の街」とも言われる坂の多い街です。首都でありながらのんびりとした雰囲気を持つこの街では、通りをブラブラ散策してみましょう。急な坂道を、路面電車を追いかけて登った先には青い海と空が目一杯広がっています。
🔵 サン・ジョルジェ城
《続きを読む》 「7つの丘の町」と言われるリスボンの中で最も高い場所にあるサン・ジョルジェ城。ユリウス・カエサルの時代にローマ人が要塞として使用したのち、リスボンを支配した西ゴート族や、イスラム教徒、キリスト教徒の王など様々な民族の城となりました。
アルファマ地区 (旧市街) にあり、リスボンの歴史を語る上で欠かせないスポットの一つです。
現在は公園として利用されており、城塞からリスボン市内を一望できる絶景スポットとなっています (夜になるとライトアップされます)。
🔵 サン・ロケ教会
《続きを読む》 1584年に日本の天正遣欧少年使節団が宿舎として1カ月間ほど滞在していたイエズス会の教会です。16世紀末、イタリア人の建築家によって建てられました。教会の奥にある礼拝堂はイタリア・バロック建築の傑作と言われています。
🔵 ジェロニモス修道院
《続きを読む》 マニュエル1世が、エンリケ航海王子を称えるためにヴァスコ・ダ・ガマの海外遠征で得たお金で建てた修道院です。16世紀初めに着工し、完成したのは19世紀のことです。
完成までに300年以上も費やした修道院は、その完成度の高さから「ポルトガル建築の最高峰」と称されており、世界遺産にも登録されています。大航海時代の繁盛が感じられる海や船をテーマにした装飾が施されています。
🔵 ベレンの塔
《続きを読む》 ベレンの塔は、マヌエル1世の命によって16世紀初頭にジェロニモス修道院と同じマヌエル様式で建てられました。真っ白で風情のある外観は「純白のドレスを着た貴婦人」に例えられています。
3階のテラスからは向こう岸にある巨大なキリスト像やクリスト・レイを見ることができます。大航海時代を代表する建物として世界遺産にも登録されています。
🔵 リスボン大聖堂
《続きを読む》 アフォンソ1世がリスボンをイスラム勢力から奪還した2世紀末、モスクが建っていた場所に建てた教会です。砦としても使用されました。
ロマンス様式の質素な造りに、ゴシック様式の回廊やバロック様式の祭壇などが建て加えられました。ほの暗い聖堂内の雰囲気は、教会に厳かさを与えています。
🔵 ロシオ広場
《続きを読む》 リスボンに着いたら、まずは市街の中心地 (バイシャ地区) にあるロシオ広場を目指しましょう。周囲にはカフェ・レストラン・土産物屋さんが多く、また多くのホテルもここにあることから、ここを拠点としていろんな場所を訪れるのがオススメです。
他にも、カフェ・レストラン・絵画商人などで賑わっているコメルシオ広場やサンタ・ジェスタのエレベーター (エッフェルの弟子によって設計された有名な観光スポットの一つ)、リベイラ市場などもオススメです。
北部の港町ポルトはポートワインが有名です。また、ポルト歴史地区として世界遺産に登録された旧市街は、オレンジ色の屋根、カラフルな壁、アズレージョのタイル画などが並び、絵画のように美しい街として知られています。
🔴 アルマス聖堂
《続きを読む》 アルマス聖堂は、建物の多くの部分をアズレージョ (伝統的なタイル) で覆われているなんとも不思議で特徴的な建物です。細部まで非常に凝って造られた柄が美しく、芸術作品としても高い評価を得ています。
ちなみにアズレージョは、他の教会やポルトのサン・ベント駅でも見ることができます。街中の土産物屋さんでは家庭に飾れる大きさのアズレージョがたくさん売られていますので、気に入った方はぜひ購入してみてください。
🔴 サン・フランシスコ教会
《続きを読む》 ドウロ川沿いにある教会で、この教会があるポルト市内の歴史地区は世界遺産に登録されています。この教会は1233年、サンチョ2世によって聖フランチェスコへ捧げるために建てられました。
「ゴシック様式の傑作」とも言われるこの教会は、外観の質素さとはうって変わり、内観はブラジルから運ばれてきた600㎏もの金を使用して豪華絢爛に仕上げられています (バロック装飾の極致と称されるほど)。
長崎やモロッコでの殉教シーンの彫刻や、ユダ王国の12人の王たちとキリストの家系図「ジェッセの樹」という見事な木工細工があり、訪れる観光客を魅了し続けています。
🔴 ドン・ルイス1世橋
《続きを読む》 この橋は、エッフェル塔 (パリ) の設計者の弟子が設計したもので、130年ほど前に建設されました。二重構造になっており、アーチの下を車が、上をメトロが走るようになっています (歩行者用の通路もあります)。
橋上はポルトの街並みが一望できる絶景スポットとして多くの観光客で賑わいます。丘の上にオレンジ色の可愛い家々が並ぶ光景を見て、ジブリ映画 「魔女の宅急便」のモデルとなった舞台は本当はここなんじゃないの?と噂する人も。夜になると橋全体がライトアップされ、幻想的な光景が広がります。
🔴 リベイラ地区
《続きを読む》 ポルトガル第2の都市ポルトは、リスボンから電車でおよそ3時間、飛行機で1時間の場所にあります。ポルト歴史地区は全体が世界遺産に登録されており、その中のリベイラ地区は昔ながらの色とりどりの家が建ち並ぶ、情緒溢れるエリアとなっています。
ショップでは、手刺繍小物、アクセサリー、アズレージョなどポルトガルならではの雑貨が売られており、お土産探しにはもってこいです。ドウロ川でのボートクルーズも人気です。川を優雅に下りながらリベイラ地区の美しい景色を眺めるのも素敵ですね。
🔴 レロ・イ・イルマオン
《続きを読む》 世界遺産といってもいいくらい素敵な書店「レロ・イ・イルマオン」は、世界で3番目に美しい書店と言われています (世界遺産「ポルト歴史地区」の一角を形成)。
映画ハリーポッターのロケ地として使用されたこともあり、ファンにはたまらない観光地となっています ハリーポッターの作者 J・K・ローリングは、ポルトガルに住んでいたことがあり、その際この書店をよく訪れていたそうです。
店内には「天国への階段」と呼ばれる赤い絨毯が敷かれた大きな螺旋階段があり、まるで魔法の世界に入り込んでしまったかのような錯覚に陥ることでしょう。
他にも、
徳川家の家紋「葵紋」が見つかったことで話題となったポルサ宮や、モダンな外観が目を惹く音楽施設カーザ・ダ・ムジカなどもオススメです。
🔵 アゲダの傘祭り & コスタノヴァ
《続きを読む》 ポルトガルの絶景として、毎年7月からおそよ2ヶ月間開催されているアゲダの傘祭り「Umbrella Sky Project」も見逃すことはできません。ちなみにアゲダはリスボンから電車で3時間半ほど北上したところにある小さな町で、毎年傘祭りの時期になると国内外から多くの観光客が訪れます。
アゲダ近郊にはビーチリゾート地として有名なコスタノヴァがあります!ここのメインストリートにはカラフルなストライプで彩られたかわいらしい家が立ち並んでおり、「パジャマシティ」と呼ばれています。海の幸が絶品ですよ!
🔵 オビドス
《続きを読む》 「谷間の真珠」と称される美しい村オビドスは、リスボンからバスで北へ1時間ほど行ったところにあります。城壁に囲まれたこの村は中世の面影を残す白壁の家々が軒を連ねており、とってもメルヘンチックなんです。
春にはチョコレート祭り、7月には中世市場、クリスマスシーズンには趣向を凝らしたクリスマス飾りとイベント盛りだくさんの村でもあります。中でもチョコレート祭りは大人気!
もともとこの村の名産だったジンジャーニャというサクランボのリキュールをチョコレート製のカップに入れて味わうことが人気となり、お祭りに発展したそうです。
🔵 カスカイス
《続きを読む》 ポルトガルきってのリゾート地「カスカイス」は、古くからの漁師町でありながら、19世紀に王室の避暑地となって以降、リゾート地として発展を遂げてきました。
少しバタバタした旅にはなってしまいますが、リスボンからの日帰りで、シントラ、カスカイス、ロカ岬を回ることが可能です。
🔵 コインブラ大学
《続きを読む》 ポルトガル中部の街コインブラにあるコインブラ大学は、ポルトガルで最も歴史のある大学です (リスボンから電車で約2時間)。ヨーロッパ屈指の伝統と歴史を誇る名門大学で、世界遺産にも登録されています。
この大学で特に注目なのは図書館です。重厚でとっても素敵な造りとなっており、蔵書は16〜18世紀の書物がなんと30万冊もあると言われています。天井には見事なフレスコ画が描かれています。
そのほか、制服のカパ (黒いマント) も同大学の特徴のひとつです。卒業式など、なんらかのイベントがある際にはカパを着た学生の姿を見ることができます。
🔵 ペーナ宮殿
《続きを読む》 リスボン北部、シントラ (リスボンから電車で40分の距離にある古都) にあるペーナ宮殿は19世紀、マリア女王2世の王婿であるフェルナンド2世 (ノイシュバンシュタイン城を造ったルートヴィヒ2世のいとこ) によって建てられました。魅惑的な王子と王女が登場するような建物にしたいという思いで造られており、贅の限りが尽くされています。
この宮殿にはゴシック風、マヌエル風、イスラム風など様々な建築様式が入り混じっており、19世紀のロマン主義を象徴する建物として有名です。カラフルでおとぎ話に出てきそうな外観はとても人気が高く、その文化的価値の高さから世界遺産にも登録されています。
🔵 ポンタ・ダ・ピエダーデ
《続きを読む》 ポルトガル南部のアルガルヴェ地方は、年間300日ほどが晴天で温暖な気候のため、夏のバカンスを楽しむにはもってこいの場所です。中でも、アルガルヴェ地方の代表的な町のひとつラゴスは、リスボンやポルトと同じく、多くの観光客が訪れるエリアとして有名です。
そのラゴスにあるポンタ・ダ・ピエダーデという岬は、写真のような美しい場所です。イタリアの青の洞窟のような神秘的な洞窟もあります。ボートでのツアーが充実しているので、ぜひ参加してみてくださいね。
なお、この岬の近くには「おそらく地球上で一番美しいビーチ」として紹介されたこともある美しい観光スポットがたくさんあります。この辺りをのんびりと周遊されてみてはいかがでしょうか。
🔵 レガレイラ宮殿
《続きを読む》 リスボンの北、シントラにある奇怪な宮殿「レガレイラ」はとても人気が高く、この宮殿を見るためにわざわざポルトガルを訪れる人もいるようです (世界遺産)。
ちなみにこの宮殿と広大な庭園を造ったのは変わり者の大富豪アントニオ・カルヴァーリョ・モンテロイ。様々な建築様式が取り入れられており、他の宮殿とは完全に異なる独特の雰囲気を醸し出しています。人を驚かせる楽しい仕掛けがありますので、是非、庭園内を散策してみてください。
🔵 ロカ岬
《続きを読む》 「ここに陸終わり海始まる」と歌われたユーラシア大陸最西端の岬です (リスボンから西へ30km)。観光案内所では証明書 (有料) を発行してもらうことができます。
高さ140mの断崖には、灯台とポルトガルの詩人カモインスによる「陸が終わり海が始まる」と書かれた碑があります。目の前に広がる大西洋はとても爽やかで、独特の海の青さが広がっています。ここからの夕日は最高です!
大航海時代の面影を色濃く残す国ポルトガル。ここには、「アートな街並み」「新鮮な魚介類を使った美味しい料理」「手つかずの自然」など、たくさんの魅力が詰まっています。
人々は、観光名所が多いと評判の隣国・スペインに流れがちですが、実はポルトガルにも素晴らしい場所や文化がたくさんあるんです。ぜひ一度訪れてみてはいかがでしょうか。