世界中どこに行っても「ぼったくり」はあるものですが、ベトナムのそれは想像以上です。レストランで、空港で、お土産屋さんで…気づくかどうかは別にして、「旅行者のほとんどがぼったくり被害に遭わないことはない」といっても過言ではないでしょう。
そこで今回は、気分よくベトナム旅行を終えるための方法について考えてみました。皆さんの参考になれば幸いです。
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🔴 売り子の女性にボラれる
サパでトレッキングツアーに参加した時のことです。トレッキングツアーで何かと手を貸してくれていた女性から「伝統工芸品のバッグを買ってほしい」と頼まれ、断りづらい状況に。金額は50万ドン (2500円)。「必要ないし、高いなー」と思い、泣く泣く交渉の末20万ドンで買うことになりました。ベトナムと言えば定食が3万ドンで食べられる国です。正直痛い!その後、偶然立ち寄ったお店で同じ商品が5万ドンで販売されていました。
🔵 レストラン&旅行会社でボラれる
レストランにて、隣で食べているベトナム人と同じものを注文した際に2倍の額を請求されたことがあります。また別の日には、旅行会社で定価の3倍の額を請求されたこともあります。
🔴 メーター改造タクシー
ホーチミンの夜、「空港の正式なタクシー乗り場だし大丈夫だろう」と信じて街へとタクシーを利用しました。乗車後すぐにメーターを確認すると、きちんと回転している様子。「これなら大丈夫かな」と思って30分ほど市内まで乗車。ホテルに到着して70万ドン (3,500円) の請求を受けました。後でホテルのスタッフに確認すると「通常は20万ドンくらいですよ」とのこと。ベトナムでは、白タクでなく免許を持っているタクシーであってもこうしたことは珍しくないそうです。
🔵 コンビニにて
「この国の人たちは皆騙そうとするのか」「まともな人間はいないのか」と苦虫を噛んだような顔をしてコンビニに入り、1万ドン (50円) と書かれている値段を確認しコーラを手に。レジに持っていき20万ドン (1,000円) を渡すと、店員がくれたお釣りはなんと1万ドン。「お釣りは19万ドンだ。」と主張するも知らぬ存ぜぬの一点張り。結局諦めるしかなかったのです。
🔴 その他
ベトナムでは値段交渉したものと違うものを渡してきたり、商品の量を減らしたりしてきます。公共バスでさえチケット代をぼったくりますのでご注意を!また、「ただでいいところに連れて行ってあげるよ」と声をかけてくるタクシーやリキシャーの運転手もやばいです (ぼったくり野郎です)。笑顔で無視するか、強く拒否の意思を示しましょう。
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ベトナムでぼったくりが多い理由を「ベトナムは大国に振り回されてきた国だから」という人がいます。そのため、内と外を明確に分けるという意見です。確かにベトナム人は仲良くなるととても優しく、ご馳走してくれたり無料で泊めてくれたりすることがあります。その一方でよそものと判断されている時は冷たく、ぼったくりをふっかけてくることも多いわけです (なるほど)。
また別の説ではこうです。「ベトナム人はお互いに助け合う文化を持っており、大変な時・苦しい時はお金を持っている人がない人に与える…そんな価値観があるようです。このような文化的事情があるにしても、外国人から当たり前のようにぼったくるのはどうかと思いますね。金銭的には大した事がなくても、「嘘をつかれた」「騙された」という感覚を持たざるを得ないのは非常に残念なことです。
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ベトナムでぼったくりの被害を避ける方法はいくつかあります。
① 相場を知っておく
面倒ではありますが、その商品の正規の値段を知っておくことはとても大事です。知った上で、いかにも慣れてますよといった雰囲気を出して支払えば、(日本人だからといって) それ以上請求してくることはありません。ちゃんとお釣りもくれます。極端な話、ローカル向けの定食屋では30,000ドン (150円) を渡していればだいたい間違いないでしょう (笑)。
② 値段は最初に聞く
ベトナムでは、まず値段の交渉をしてから食事をしたり物を買うのが基本です。(面倒ではありますが) 入店前に値段を確認する習慣をつけておきましょう。経験上、お金を払う時に「いくら?」と聞くのは危険です。とはいえ、値段交渉の後でも平気で高い値段を請求してくるのもベトナム。この点、ベトナム人は中国人の上を行っています。「ひょっとしたら最後に多く払うかもしれない」という期待があるのでしょう。これから訪れる日本人のためにも怯まず強く抵抗してくださいね。
③ 支払いはお釣りと同時に!お釣りはきちんと確認しよう
お金を渡す際は、相手に紙幣を見せてお釣りを用意させてから交換しましょう。相手が受け取ったお金をちょろまかす可能性があるからです。
④ 大手チェーン店を利用する
ぼったくりを避ける方法で一番わかりやすいのは、ずばりチェーン展開しているお店 (スーパーマーケット) を利用することでしょう。ベトナムのスーパーマーケットでは、料金がきちんと表示されています。しかも料金的には個人商店より安く、水やコーラは約半額なんてこともあります。現実的にぼったくりを行うのは、小さな個人商店や個人経営のレストランです。
⑤ 高額紙幣は使うお店を選ぶ
たとえばローカルのレストランで3万ドン (150円) のフォーを食べ20万ドン (1000円) を支払った場合、お釣りに25000ドン (125円) を渡してきたりします。明らかに釣り銭をごまかそうとする行為です。外国人がこうした高額紙幣を持っていると「なんとか少しでも多くお金をとれないか」と考えてしまうのでしょう。そこで財布を「高額紙幣」(スーパー、コンビニ、ホテル用) と「小額紙幣」(屋台やローカル食堂用) に分けておくといいでしょう。
⑥ 簡単なベトナム語を覚えておく
「ベトナム語を話せる」とボラれにくくなります。「内と外を明確に分ける文化」が影響しているのかもしれません。そのため、片言でもなんでもベトナム語を喋れることが伝われば、それだけで優しくしてくれたりします。ベトナムの人たちに友達とみなしてもらうには、言葉を喋るのが一番です。xin chào (シンチャオ)= こんにちは、ngon (ゴン)= おいしい といった簡単な言葉を喋れるようにしておくだけで結構仲良くなれますよ!
⑦ タクシーはアプリを利用
タクシーは基本、「VINASUN」(ビナサン) か「MAI LINH」(マイリン) を利用するといいでしょう (2社とも大手のタクシー会社)。ベトナムのぼったくりタクシーは深刻な問題です。特に白タクや流しのバイクタクシーなどは、値段交渉後でも平気で追加料金を請求してきます。これを避けるためには、アプリを活用するのも一つの方法です。ハノイ、ホーチミン、ダナン、ホイアンではタクシー配車アプリUberやGrabに対応しています。こうした配車アプリでは乗る前に料金が表示されますし、流しのタクシーよりも安いので、スマホに取り入れておきましょう。
以上、嫌なことばかり書いてしまいましたが、基本的にベトナムは親日的で優しい人々に出会える国でもあります。ただ残念なことに、ぼったくりが多いのも事実なのです。ぼったくりは金額の損失よりも「騙された」と思う精神的なダメージの方が大きいです。
近頃は、政府が観光客のリピーター率を上げるために「ぼったくり撲滅」に励んでいますが、まだまだ十分ではありません。自衛が必要です。多少の「日本人価格」があるのは致し方ありませんが、騙さすぎないよう気をつけてくださいね。
ボラれないために、「私は中国人だ」と言い張るのも一つの手です。ベトナム人も、「中国人は強い、日本人はお人好しのバカ」だと思っているようですよ。