歴史的な中世の街並みが世界遺産に登録されている古都クラクフはポーランドで最も歴史のある都市で、17世紀初頭までは (ワルシャワではなく) クラクフがポーランド王国の首都でした。
市街地はヴァヴェル城を中心に広がっており、今でも感慨深い歴史を感じさせる建物が数多く残っています。世界遺産にもなるくらいとっても魅力的な街並みを誇っているわけなのですが、、、
(残念ながら) 多くの現代人にとっては、あの歴史的負の遺産「アウシュビッツ強制収容所」を訪問するための拠点の場所…としての認識しかないようです。
ただ、アウシュビッツのためだけに立ち寄るのはあまりにももったいない街。。。
なぜなら、ポーランドは第二次世界大戦中に大半の都市が焦土と化したわけですが、クラクフはドイツ軍の司令部があったことから奇跡的に空襲を免れた都市であり、正真正銘の中世の建物が残っているのですから。
旧市街には、スピルバーグの映画『シンドラーのリスト』の舞台ともなった工場などが立ち並び、見どころがたくさんです。
そこで今回は、数ある観光スポットの中からいくつかオススメの場所を紹介してみたいと思います。
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🔵 人口 : 約75万人
🔴 ポーランド第3の規模
🔵 ポーランド文化の中心地
🔴 チャルトリスキ美術館にはレオナルド・ダ・ヴィンチの「白テンを抱く貴婦人」がある
🔵 オスカー・シンドラー (シンドラーのリスト) ゆかりの地
🔴 治安は悪くありません
🔵 物価は安し!
ひとことにベストシーズンといっても、季節やイベント、個人の好みによって大きく分かれます。例えば、一般的に「冬は寒い」と避けられがちなポーランドですが、タトラ山地でのスキーや幻想的なクリスマスマーケットなど、冬にしか味わえない醍醐味もあります。
《 春 》 3〜5月
ポーランドでは、4月中旬頃になると気候が春らしくなり活気付き始めます。ただ、4月下旬でも雪が積もることがあり、暖かくなったと思えば急に寒くなることも多いので油断は禁物です。
また、春は宗教的な大イベント「復活祭」(イースター)があるので、この時期の旅行は気をつけたいところ。カトリックが国教であるポーランドでは、キリストの復活を祝う復活祭はクリスマスより重要とされており、復活祭が近づくにつれて各家庭や教会はお祝い準備に大忙し。
それに伴い、連休となるお店や博物館も多く、普通に観光したい人にとっては困ってしまいます。ただ、日本人には馴染みのない本場の復活祭を見てみたいという方にとっては絶好の機会かもしれません。
《 夏 》 6〜8月
1年の中で最も賑やかな季節です。朝から夜遅くまでたっぷり観光できるのはメリットですが、一方で観光地は混みます。宿泊施設や列車のチケット、博物館などは早めに予約しておきましょう。
6月は1年で最も日が長く暖かい時期、7月は最も暑い時期とされており、7月中旬以降は30度を超える真夏日も。それでも、カラッとした暑さなので日陰なら涼しいです。
8月下旬になると20℃前半の気温が目立つようになり、夜の最低気温は一桁を記録することも珍しくありません。
※ 気候的なベストシーズンは6〜8月です
《 秋 》9〜11月
ヨーロッパ全体で新学期が始まる9月になると、他国からポーランドへの観光客は減少傾向に入りますので、ゆっくりと観光したい人にはピッタリです。一年の中で最も美しい季節ともされており、登山のベストシーズンでもあります。特にタトラ山地は絶好の場所。アクティブに行動したい人はぜひ秋のポーランドを楽しんでください。
ただし、日中の寒暖差は激しくなってきますので、服装には十分ご注意を。寒さ対策はきっちりしておきましょう。
《 冬 》12〜2月
クリスマスやスキー・スノボーが目当ての人にとってはこの時期がベストシーズンと言えるでしょう。ただし、冬のヨーロッパの寒さは非常に厳しく、日が最も短くなる季節でもあるので、街歩き観光目的の旅には適していません。
博物館などの観光地も冬になると閉館時間が早くなるので、同じ一週間の滞在でも夏と冬では冬の方がハードスケジュールになりがちです。
しかしながら、ポーランドのカラフルな街並みと白い雪は綺麗に映えます。この季節だからこそ見ることのできる静かなポーランドを楽しむのもいいのではないでしょうか。
気温は、1月と2月はマイナス20℃を記録することもあり雪の日が多くなりますが、3月からは雨量が増えるので雪解けが始まります。
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全体的にクラシカルな建物が多いクラクフの街の中で、ひときわ存在感を放っているこの教会は天を貫くような2本の尖塔を持っています。正時ごとに鳴り響くトランペットのメロディはきっとあなたの心を和ませてくれることでしょう。
ただ、この演奏は必ず途中で終了してしまいます。
その理由はこうです。
13世紀、クラクフはモンゴル軍に襲撃され、敵の襲来を市民に告げるべくここで音を奏でていたラッパ手が敵の矢で喉を射られ殉職。。。
つまり、自分の命と引き換えに街を救ってくれた彼を偲び、(700年以上にわたり) 曲を途中で終わらせているのです。
その音色に導かれ中へと足を踏み入れてみると、壮麗な内装がわーっと絢爛に広がっています。聖壇はヨーロッパ第2位の高さをもつ木造彫刻で、国宝に指定されています。
また、彫刻家ファイト=シュトゥースが手がけた、聖母マリアの生涯を表した高さ13mというヨーロッパ最大級の祭壇画もあります。天井を埋め尽くす文様は圧巻の一言! 熱心に祈りを捧げる信者たちを横目に、その厳粛な空気を感じつつ素晴らしい芸術を鑑賞しましょう。
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ヴァヴェル城は、ヴィスワ川沿いにそびえ立つゴシック・ルネッサンス様式の素敵なお城です。クラクフが首都だった頃にはこの城に歴代の王様が住んでいました。
敷地内には大聖堂や旧王宮、王の墓など、歴史的な建造物が数多くあります。 特に旧王宮には美術品・宝飾品・武器などが展示されており、当時の王族の生活を垣間見ることができます。
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クラクフで人気の観光スポットがここ「カジミエーシュ地区」です。かつて、この地区には多くのユダヤ人が住んでいて、映画『シンドラーのリスト』の舞台にもなった場所でもあります。現在でも、ポーランド最古のユダヤ会堂スタラ・シナゴーグやユダヤ人共同墓地などが残っています。
ここでは ユダヤ文化を感じられるだけでなく、おしゃれなカフェを楽しめるのも魅力です。のんびりとカフェタイムを楽しみながら、ユダヤ人の歴史を感じてみてはいかがでしょうか?
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クラクフからは、日帰りで世界遺産のヴィエリチカ岩塩坑やアウシュビッツ博物館に行くことができます。クラクフには美味しいお店や素敵なカフェも多いので、是非何泊かしてじっくり満喫していただければと思います!
ちなみに、そのクラクフへはどうやって行ったらいいと思いますか?
どこか別の国を経由して一旦ワルシャワに入り、列車でアクセス (約2時間半) することもできますし、ベルリン (ドイツ) やプラハ (チェコ) など、ヨーロッパ諸国の各都市を経由して飛行機でクラクフに行くこともできます。
近隣国から寝台 (夜行) 列車を利用する…という手段もあります。というわけで、ヨーロッパ複数都市観光の一つにクラクフをお選びくださいませ ♡
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クラクフ空港から市内まではおよそ13km。ちなみにクラクフ空港は、ヨハネパウロ2世・クラクフ・バリツェ国際空港と名づけられています。名前を冠したローマ教皇ヨハネパウロ2世はクラクフ近郊の出身で、クラクフのヤギェウォ大学で教えていました。
それはともかくとして、さっそくクラクフ空港から市内への交通手段を比較してみましょう。
| 料金 | 所要時間 | 本数 |
---|
鉄道 | 8PLN | 17分 | 1時間に2本 |
バス | 4PLN | 40分 | 1時間に数本 |
シャトルバス | 44PLN | 30分 | フライトに合わせて 事前予約 |
タクシー | 80PLN | 30分 | - |
※ PLN = ポーランド・ズウォティ(ズロチ)
※ 100円 = 3 PLN ほど
うーむ。やっぱりオススメは鉄道です。料金はバスの倍ですが、物価の安いポーランドなので200円ちょっと。
※ 券売機はカードでの支払い可
※ 到着地のクラクフ中央駅から世界遺産のクラクフ旧市街までは歩いて5分くらい
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クラクフ駅の広い駅構内には、スーパーマーケットやコインロッカーがありとても便利です。コインロッカーは、小さい荷物なら1日3ズロチ(約100円)、大きなスーツケースでも1日6ズロチ(約200円)ほど。
ここで荷物を預けて、周辺の町やアウシュビッツなどに出かけてみてはいかがでしょうか。駅の隣りにはガレリア・クラコフスカというショッピングモールが併設されていますので、これまた便利です。
そして、駅の西側 (徒歩5分ほどの距離) には屋外市場があり、野菜・フルーツ・チーズなどの食料品や日用品が売られていて、地元の人たちで賑わっています。
例えば5~6月の旅であれば、旬のイチゴが1kg9ズロチ(300円)くらいで売られており、とっても美味しいですよ!
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地元ポーランド人に教えてもらったレストラン「モルスキェ オコ (Morskie oko)」は山岳地方 (ザコパネ) のお店で、夏季には毎晩フォークロアショーを観ることができます。人気のお店なので、できれば事前に予約をしてから行ってくださいね。
このお店のおすすめ料理は、ザコパネ地方の山羊のスモークチーズを焼いてクランベリーソースと一緒にいただく料理!これがもうとにかく美味しくて、今でも「また食べたい!」と思っています。
そしてB級グルメからも一つ。
クラクフの街を歩いていると、いたるところにオブヴァジャネクの小さなスタンドを見かけます。オブヴァジャネクとは、ベーグルのようなプレッツェルのようなパンのこと。ちょっと噛みごたえがありますがとても美味しいです。1つ40円くらいでした。
他にも見どころはたくさん!街の中心にはヨーロッパ最大級の広場リネク・グウヴヌィ (Rynek Główny:中央広場)があります。ここは1辺200mの巨大な広場で本当に賑わっています。
カフェや屋台、土産物屋さんなどが立ち並び、広場の中には織物会館 (Sukiennice) や聖ヴォイチェフ教会 (Kościół św. Wojciecha) 、旧市庁舎塔 (Wieża Ratuszowa) などがあります。前述の聖マリア教会 (Kościół Mariacki) もこの広場の一角にあります。
この中央広場には、絵になる古都クラクフの景色が凝縮されています。旅の日程に余裕のない方であっても、せめてこの中央広場だけは訪れていただきたいものです。
繰り返しになりますが、クラクフにはかつて多くのユダヤ人が住んでいました。中世の時代に、西欧で迫害を受けたユダヤ人が (彼らに対して寛大な政策をとっていた) ポーランドに流れ込んできたからです。
こうした歴史的背景もあってか、クラクフには一言では語り尽くせない何かしらの魅力があるのです。中東欧を訪れるたびに、この街を素通りできないリピーターたちも多いみたいですよ!
というわけで、一度クラクフの石畳の上で耳を澄ましてみましょう。きっと、街の歴史が感じられるはずです。