産油国として豊かな国として、また「世界一入国が厳しい国」としても有名なサウジアラビアには桁違いの大金持ち王子たちがたくさんいます。
彼らの中には金と権力にものを言わせて贅の限りを尽くす者もいれば、慈善活動に精を出す者もおり、「善」と「悪」が入り乱れています。
そこで今回は、
彼らサウジ王子たちの「犯罪」と「慈善活動」についてみていきたいと思います。
まずはダークサイドの話からどうぞ。
2016年秋、殺人罪で死刑判決を受けていたトゥルキ・ビン・サウド・カビル王子の刑が執行されました。
(ちなみにサウジアラビアは、サウード家を国王に戴く絶対君主制国家です)
そのサウード王家のメンバーは数千人もいるらしいのですが、そもそもそんな王家のメンバーである王子が死刑執行されるのは非常に稀なことなのです。
ではなぜ彼が死刑執行されるようになったかというと、口論になった相手を銃で撃って殺害してしまったから。
サウジアラビアでは、死刑の大半が刀による斬首刑とされています。
2016年秋、アメリカのビバリーヒルズの邸宅で開かれたセックス & ドラッグのパーティで、アメリカ人女性3人が3日間に渡って拘束され、性的虐待を受けたとして王子を提訴しました。
裁判所に訴えを起こされたのは、ナワフ・ビン・スルタン・ビン・アブドルアジズ・アルサウド王子 (29)。
原告の女性たちは、家事手伝いとして雇われたそうです。
3人のうち1人は、無理やり体を押さえつけられ、「全身を舐めてくれ」と頼まれるなど、性的に言い寄られ、恐怖を感じたといいます。
プールサイドで「裸になれ」と命じられたこともあり…
女性たちが「やめてください」というと、王子は「私は王子だ。やりたいことをやる。ワツィには誰も逆らえない。」と怒鳴ったとか。
しかし、残念ながら証拠不十分で不起訴になる可能性もあるとか。
さあ、次はいい話です!
2015年夏、サウジアラビアのアルワリード・ビン・タラール王子 (60) は全財産を、今後数年間に渡って慈善活動に寄付すると発表しました。
これが実行されれば、これかでの資産家による寄付金の中で最高額に!
アルワリード王子は「この寄付金は、文化的理解を育み、地域社会を発展させ、女性に自信を、若者には可能性を与え、重要な災害救助を行い、より寛容な世界を生む一助となるだろう」と述べています。
この基金は、王子の死後も「人道的な計画のために」利用されることになるそうです。
最後に、人権について紹介しておきます。
2016年秋、国連子どもの権利委員会は、子供に対する刑罰として「投石」「手足の切断」「むち打ち」などの過酷な体刑や、「死刑」をも認めているサウジアラビアに対して、「そんな残酷なことを許す法律を撤廃して」と要求しました。
現状、サウジアラビアでは15歳以上の子供であれば成人と同じ刑が科せられており、また、犯行当時18歳未満だった者にも死刑が適用されているのです。
これに関しては、いくら年齢が若かろうとも、凶悪犯罪を行なった者にはそれなりの刑罰が必要だとも考えられますので、一概に否定はできません。
しかしながら、問題とされるべきは女性差別。
サウジでは、制度的な女子差別が存在し、例えば10歳にも満たない幼い少女を強制的に結婚させる習慣があるのです。
文化が違うといえばそれまでですが、人権に関わる問題は万国共通の認識を持って改善させていく必要がありそうです。