日本を含むアジア人は、痩せていても糖尿病になりやすいと言われています。肥満に対しては特に注意が必要です!
近年はアジアの人たちも食の欧米化が進み、本来の伝統的なスタイルから大きく変化してきています。炭水化物中心の食事から肉食に変わり、カロリーと脂肪の摂取が増え、ファストフードなどを多く摂取するようになりました。
その一方で、車で移動するようになり、ウォーキングや運動の頻度は減ってきているのです。
病に負けるなアジア人!
ベトナムでは ☆
ベトナム国内の糖尿病患者は、人口の5.4%に相当する400万人超!過去10年間で倍増したと言われています。その主な原因はやはり食生活の変化で、患者の低年齢化も進んでいるとか。
ベトナムはアジアで糖尿病患者が多い10カ国・地域の一つとなっており、患者の増加率では世界第10位に入っているといいます。そして、なぜか都市部よりも地方の方が患者数が多いようです。
一般的に、生活習慣の乱れが主な原因とされる2型糖尿病は40歳前後で発症するケースが多いのですが、現在では10歳の患者も珍しくないといいます。
これに対し医療専門家たちは、ファストフードや炭酸飲料の消費拡大、運動不足などが主な原因と指摘しているのです。
ちなみに、ベトナム国民1人当たりの野菜の平均摂取量は1日200グラムで、世界保健機関(WHO)が推奨する量の半分程度にとどまっています。
一方で、糖尿病を引き起こすブドウ糖のもととなるでんぷんの1日当たりの平均摂取量は33グラムと、過去10年間で倍増しているのです。
また、子どもの糖尿病患者が増えている原因の一つとして、加糖牛乳など糖分を多く含む飲料の過剰摂取が挙げられています。
糖尿病有病者の3分の1はアジアに集中 ☆
国際糖尿病連合(IDF)の発表によりますと、日本を含む西太平洋地区には約1億3,200万人(成人の有病率は8.0%)の糖尿病有病者がいるそうです。
糖尿病は世界のどこよりも急速にアジア地域で広がっており、世界の糖尿病有病者の3分の1はこの地域に集中しているのです。そして、今後益々増えていくと予測されています。
なぜアジア系の人は糖尿病になりやすいのか?
ある研究によりますと、日本人を含むアジア人は欧米白人に比べるとインスリンの分泌量が半分程度であることが分かりました。
つまり、このアジア人のインスリン分泌能力の弱さが糖尿病に直結しているのです。
脂肪とカロリーの高い欧米式の食事に移行し、それに運動不足や遺伝的背景が相まって多くのアジア人は糖尿病に蝕まれていっているのです。
アジア系の人は「標準体重」であっても糖尿病を発症しやすい。。。悲しい現実です。
また、興味深いことに、中国系米国人の方が中国国内に住む中国人より糖尿病患者が多く、日系米国人の方が日本に住む日本人より糖尿病患者が多いようなのです。
これは環境や生活スタイルが糖尿病発症の重要な因子であることを示しています。
とするならば、将来海外に移住を考えている人はそのあたりも考慮して移住先を検討した方がいいのかもしれませんね。
2030年の糖尿病人口は ☆
アジアや西太平洋地区といっても、日本、中国、韓国、インド、東南アジア諸国、オーストラリアと人種も生活習慣も多様であり、インスリン分泌能力も同じアジア人でも異なります。
とにかく、「食事」「運動」「血糖コントロール」がキーワードとなってきそうですね。慢性的に高血糖状態が続くと糖尿病のみならず合併症にも苦しめられることになってしまいます。
まとめ ☆
繰り返しになりますが、日本を含むアジア地域では糖尿病患者が急増しています。人種や民族によって糖尿病を引き起こす仕組みは異なりますが、欧米人と比べアジア人はわずかな過体重でも糖尿病を発症しやすいのです。
糖尿病は、本人の自己管理が一番の治療とも言われています。そこで、糖尿病を管理するために適正な知識を知り、糖尿病教育を受けられる機会を増やしていくことが今後不可欠となるのではないでしょうか。
健康でないとせっかくの海外旅行も存分に楽しむことができません。一生涯海外旅行を満喫するためにもまずは「バランスのとれた食事」「適度な運動」「血糖コントロール」を絶えず怠ることなく日々過ごしていってもらえればと願っております。
そして、海外旅行に行った際にはバックパッカー・スタイルでとにかく散策しまくりましょう!
皆さんがいつまでも健康でいられますように…