少子化の原因・現状・課題と悪影響について



近年の出生率低下の主な要因として、「晩婚化の進行」などによる未婚率の上昇が挙げられます。その背景には、「結婚に対する意識の変化」「女性の社会進出」「核家族化」「都市化の進行」などがあります。

事実、「仕事と子育ての両立」の難しさがネックとなっており、子育てそのものの負担感が半端ないのです。「おひとり様が楽」とする人々の価値観も芽生えてきているようです。

 

少子化の原因とその背景

① 未婚率の上昇

「お金がない」(経済的不安感)、「仕事との両立が難しい」 (育児に対する負担感) などといった理由から、未婚化・晩婚化が進んできています。仮に結婚したとしても、子供はゼロか一人だけ…


② 価値観の変化

以前と比べて、家庭よりも仕事・趣味を優先させる傾向が高まってきています。このことは「社会の成熟化」と言えるのかもしれません。また、「恋愛がしんどい」「一人が楽」といった若者たちも増えてきています。

 

 

現状と課題

かつて (全盛期には) 、第1次ベビーブーム期に約270万人、第2次ベビーブーム期に約200万人の年間出生数を誇っていたわけなのですが、現在は100万人を大きく割り込んでいます。その結果、「高齢」「少子」社会へと突入し、我が国の総人口は年々減少傾向にあります。1億2,000万人超いる現在の人口も、2050年頃には1億人を切ることが見込まれています。このように「少子化」の現状は深刻なものとなっています。

そこで課題となってくるのが「婚姻・出産を増やすこと」。そのために、「結婚・出産に対する意識」「若い世代の所得の伸び悩み」「子育て世代の長時間労働」といった問題をきちんと解決していかなければならないのです。

 

 

少子化がもたらす悪影響

① 経済面の影響

労働力人口が減少することで、国力・経済成長率が低下する可能性が出てきます。一方で、高齢化の進展に伴い、社会保障費負担の増大が避けられなくなってきます。このことは、国民の生活水準に大きな影響を及ぼすのです。経済・社会の活力が阻害される危険性が大きい…という深刻な状況になるわけです。


② 社会面の影響

単身者や子供のいない世帯が増加し少子化が進行する中で、社会の基礎的単位である「家族」の形態も大きく変化し多様化していきます。中でも注視すべきは「単身高齢者の増加」。このことは、介護その他の社会的扶養の必要性を高めることになるのです。


③ 子供への影響

子供の数が減少することで、子ども同士の交流の機会の減少し、過保護化が進み、子どもの社会性が育まれにくくなるなど、健やかな成長への悪影響が懸念されています。


④ 地域社会の変容

人口の自然減によって、広い地域で過疎化・高齢化が進行すると予想されています。このため、現行の地方行政の体制のままでは住民に対するサービスの提供が困難になると懸念されています。

 

 

少子化のメリットは?

以上述べてきたように、少子化は多くの点で社会に悪影響を及ぼしてきます。ただし人口が減ることで、「環境負荷の低減」「大都市部における住宅・土地問題の緩和」「交通混雑など過密に伴う諸問題の改善」「一人あたりの社会資本量の増加」「密度の濃い教育の実現」「受験戦争の緩和」といったメリットもあるようです。

とはいえ、これらはあくまで小さな好影響であって、本質的には「経済成長の低下」「生活水準の低下」で大打撃を食らうことになります。教育を含めたサービスの供給が制約され、国民の生活にゆとりがなくなっていくことでしょう。つまりはデメリットの方が大きいのです。

 

 

おわりに

日本には、「医療・介護・年金などの社会保障」「教育」「エネルギー」「安全保障」といった緊急を要する課題が山積しています。それぞれ優先順位をつけがたい切実な問題であることは間違いありません。その根本にあるのが「少子高齢化」と言っても過言ではありません。

中でも、「高齢化」よりも「少子化」の方により重点を置いて対策をとるべきなのです。「高齢化」問題に比べて「少子化」問題は一見すると緊急性は低いかもしれません。しかしながら、国の存続をおびやかす重大な危険は「少子化」にこそあるのです。このことを、一体どれだけの国民が理解しているでしょうか。

 

この問題は、国家予算をどれだけ投じても一気に解決できる問題ではありません。その理由は、全ての政策が表面的なものでしかなく、「子育て」「家族のあり方」といった根本的な問題をあまりにも軽視し過ぎているからです。いま行われている施策は単なるお役所仕事でしかないのです。

「人はなぜ結婚するのか」「なぜ子供をつくるのか」「親が子供に注ぐ愛情がどれだけ大事なものなのか」「子供の将来にとって望ましい家族の姿とは」…といった最も根本的な部分が見落されています。

 

「種族保存の本能」とまで言わずとも、多くの人は成人してまもなく自分の子供が欲しくなるものであり、異性と結婚して家族を持ちたいと思うのが常のはず。
多様性が尊ばれる現在ではありますが、この点は国策を考える上で基本的に持っておかねばならない共通認識と言えるでしょう。

政治家や官僚たちはこの最重要課題をどう考えているのでしょうか?何も考えていないように思えてなりません。

 

 

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