徴兵制とは、国民に対して一定期間の兵役を課す制度のことです。日本以外の多くの国では、憲法や法律によって徴兵制度が規定され、「国民の義務」と定義されています。
例えば、ベトナムでは2年間の兵役義務があり、大学生は免除されますので、たいていは農家の次男坊・三男坊あたりが行くことが多いようです。女性でも、志願すれば軍隊に行くことができます。
北朝鮮では世界最長の10年間兵役が義務付けられています。どの部隊に配属されるかは両親の政治・経済力が影響するようで、一番人気は平壌で勤務できる「護衛総局」のようです。
韓国でも2年間の徴兵制があり、芸能人やスポーツ選手であっても容赦なく徴兵されています。
シンガポールでも韓国同様2年間の兵役義務があり、兵役が終わっても、40歳になるまで毎年数日間は訓練を受けないといけません。
マレーシアでは、国民全員ではなくコンピューターによって無作為に選ばれた男女が3ヶ月間、共同生活をします。他の国の徴兵制とは異なり、軍事訓練というよりは社会奉仕活動がメインです。
日本と同じく広大な海洋面積を持つインドネシアの場合は、どういうわけか海軍よりも陸軍の方が権限が強く、徴兵制は採用していないにも関わらず、志願者が多いそうです。「将来は陸軍の軍人になりたい!」そう考えている子供たちがこの国には多いようです。
タイでは毎年4月、若者たちの人生を左右するくじ引きが行われます。黒を引いたら兵役免除で、赤 (軍隊行き) 、しかも厳しい海軍を引いてしまった人はその場で失神してしまいます。
戸籍上の男性すべてが対象なので、心と体の性が一致しないトランスジェンダーの若者も会場に姿を見せ、毎年話題になっています。運を天に任せ、家族をも巻き込んだ悲喜こもごものドラマが展開されるのです。
「世界は真っ暗だ」。。。赤紙をひいた男子大学生(21歳)はこう語り、「いま通っている大学をどうしようか…」と肩を落とします。一方で、周りの若者らは「赤紙が1枚減ったぁ〜!」と歓声を上げます。
若者たちがツボに入ったくじを引くたびに、身を乗り出して見つめる家族からは歓声や悲痛な叫び声が上がります。ある会場では、82本のくじのうち赤紙7本、黒紙75本。
タイの男性は21歳になると2年の兵役対象となります。遅くても30歳までに1度は徴兵検査を受けなければならず、逃げれば犯罪です。
バンコクの会場には、2014年のクーデター以降権力を握る軍事政権に反対する運動を続けてきた男性でさえ検査を受けに来ます。
ある男性は「体重超過」でくじ引きには進まなかったのですが、ホッとしたのかこんなことを話していました。
「タイは戦争状態にない。徴兵は無駄だ!」
バンコクの会場で見守っていた母親は、「本当はずっと学業を続けさせてあげたいのに」と話します。「日本はどうなの?」と聞かれた私が「兵役の義務はないんですよー」と答えると、「いいわねえ…」とため息混じりに羨ましがられました。
ときに悲劇も起きます。タイ南部のクラビ県では息子が赤紙を引いたことにショックを受けた父親(58)が、その直後、自宅で首をつって自殺。
そして毎年、地元メディアを賑わせるのがトランスジェンダーの人たちです。「美貌」の人が現れればたちまち話題となります。
こうしたトランスジェンダーの人たちは、 (義務なので) 検査には参加するのですが、多くの場合、兵役にはつけないと判断され、くじ引きから除外されます。
「赤紙を引く覚悟はできている」と話すトランスジェンダーたちは結局、くじ引きには至らないのです。ちなみに2017年度に話題となった「美貌」の人はこの人!
ここで少しアジアから離れますが、スウェーデンでは2010年頃に廃止されていた徴兵制が2018年1月から復活するそうです。対ロシアに備えた軍事力強化のためなのだとか。
1999年以降に生まれた18歳の男女10万人から1万人ほどを選び、適性検査を経て、当面は年4,000人に9~11カ月間の兵役を課すそうです。女性の徴兵もあり、拒むと罰則があるらしく。
将来的には日本もこうなるのではと少し不安になっちゃいますね。
さて、
最後にイスラエルの美しすぎる兵士たちをご覧いただきましょう!
イスラエルでは、18歳頃から男性には3年、女性には2年の兵役義務があります。