日本では絶対に経験できない「列車での国境越え」。ヨーロッパだと当たり前のように行われています。そんなヨーロッパ鉄道での旅にはロマンがあります。
というわけで今回は、オーストリアの北東に位置するウィーンから、お隣の国チェコの南東に位置するブルノまでを列車で移動してみました。
オーストリアといえばカフェ
ウィーンの街を歩いていると、(外観はシックで目立たなくても) 歴史のありそうな門構えのカフェが突如姿を現します。そして、一歩中に入ると貴族的な華やかさで出迎えてくれるのです。
特に旧城壁の内側にはそういったカフェが多く、ウィーンが「カフェの街」と呼ばれているのも頷けます。普通に「カフェ」と言えば、朝食・昼食・夕食を提供してくれるレストランのようなお店。日本で言うところの喫茶店のようなものですね。
しかしながら、ウィーンの「カフェ」は日本のそれとは少し違ったもの!ケーキの種類の豊富さには、「さすがハプスブルク家のお膝元だ」と感心させられますし、それ以上に、コーヒーの種類の多さに驚かされます。
もちろん、ビールやワインなどのアルコール類も提供されています。
がしかし、
メニューにあるコーヒーのページは尋常な量ではありません。中には何ページにも渡っているようなお店もあって、どれを選んだらいいのか困惑してしまうほどです。
豊富なコーヒーメニュー
「へぇ〜〜!コーヒーの飲み方ってこんなにも種類があったのかぁ。」と驚くようなラインナップがそこにはあります。
メニューには英語の説明が記載されているのでちょっと読んでみたりしますが、どれも同じように思えてしまいます (笑)。
「Wiener Melange(ヴィーナー・メランジュ)というエスプレッソに泡立てたミルクを混ぜたものはよく飲まれているようです。
また、「Franziskaner(フランチスカーナー)」というウィーン特有のコーヒーには、たっぷりのホイップクリームが乗せられています (名前は同じだが、ミュンヘンのビールではないのでご注意を)。
そして、思わずアイスコーヒーと間違ってしまいそうなのが「Eiskaffee(アイスカフェ)」。これは、アイスコーヒーにバニラアイス & ホイップクリームが乗っているデザートです。
他にも、リキュール入りのコーヒーや各店の完全オリジナルコーヒーがあったりと、なんとも豊富なコーヒーメニューとなっています。
ウィーンのカフェはまさに社交場
そしてウィーンのカフェはまさに社交場!朝から多くのウィーン子たちが食事をし、昼過ぎには引退したおじいちゃんたちがコーヒー片手に何時間も論議しています。
さらに、夕方以降はピアノの生演奏を聴きながら贅沢な時間を過ごすのです。
著名な作家・音楽家・絵描きたちがサロンとして集っていたのも頷ける、優雅なカフェ文化がウィーンにはあるのです。
ウィーンからブルノ へLet’s go!
音楽の都ウィーンでカフェを満喫した後は、ウィーンの中央駅である「Wien Hauptbahnhof(ウィーン・ハウプトバーンホフ)」からチェコへと出発しましょう!
ちなみにウィーンからチェコ第2の都市ブルノ (Brno) まではたったの1時間半。1等・2等の指定座席を予約して乗るのもいいのですが、そうではなくて食堂車に乗ってビールを飲みながら移動…というのはいかがでしょうか。
食べたければ、ビールに合うチェコ料理も一緒に是非!ビール & 料理に舌鼓を打ちながらのどかな外の景色を眺めるのは最高です!
列車は出発して10分ほどでドナウ川を渡り、田園風景の中をひた走ります。途中から進行方向右手にスロバキアを眺めつつ、いつの間にかオーストリアとチェコの国境を越えていくのです (あっという間の国境超え)。
ビール片手に美しい景色を眺めながらのんびりとした気分でヨーロッパを移動する。。。移動中も楽しめる旅は、一度経験すると癖になってしまいますね!
世界一のビール大国チェコ
(皆さんが思っている以上に) チェコの人々はビールに対する思い入れがとっても強いんです!なんせ、1人当たりのビール消費量はドイツやアイルランドを遥かにしのぎ、世界一なのですから。。。
そういう国なので、ビールは水よりも安くビール好きには天国のような国なのです。種類も豊富で、大手メーカーのものから地ビールまで何でもござれ!
例えば首都のプラハには、修道院 (ストラホフ修道院) が醸造するビールがあります。このように、チェコでは地域やお店によって様々なビールを飲むことができるのです。
クトナー・ホラでグルメ三昧!
チェコの首都・プラハから2時間。中世に銀で栄えた世界遺産の街クトナー・ホラ (Kutná Hora) があります。現代的なビルはなく、石畳広がる中世の雰囲気を思う存分味わうことができます。
この街でふらっと入ったレストランが素敵でした!
レストラン「Dačický」(ダチツキー) 。この名前は、クトナー・ホラで活躍したグルメで大酒飲みの作家ミクラーシュ・ダチツキーにちなんで付けられたそうです。
伝統のボヘミア & モラヴィア地方の料理がメインで、創作料理も。
「道化師クリシュトフの特効薬」なんていう面白い名前のスープもあれば、チェコ伝統の「グラーシュ」という肉を煮込んだシチューも美味しいんです。
「ミクラーシュ・ダチツキー卿のレイピア」という料理は、牛肉を剣に刺した状態で提供される豪快な料理だし、
「猟師の木皿」なんていう猪と鹿を使ったいわゆるジビエ料理もあります。
見た目も、料理の名前も、ファンタジーの世界にいるようで楽しいですね!
ここは、お店の雰囲気 & 自慢のビール & 楽しい料理を満喫するためにわざわざ訪ねたいレストランなのです。