先進国では「性差別の禁止」「男女平等」は絶対的に正しいとされる普遍な正義です。
日本でも、ついに若年層では女性の可処分所得が男性のそれよりも上回ったという統計も出始めてきました。
これは、サービス業が主流の社会となってきているため、雇用において女性の方が需要があるからとも言えるでしょう。
男女平等の観点からは、非常に好ましい社会の変化だと思われます。
しかし一方で、「男女格差」のない社会では、モテる男性一人に女性が群がり、結果、一夫多妻制的な社会にもなり得るとする調査報告も出ています。
例えば、「女性の社会進出」「男女平等」が進んでいる北欧のアイスランドでは、その結果として「婚外子」の比率が6割を超えているようです。
ノルウェー、フィンランド、スウェーデンなども極めて「男女平等」の進んだ国ですが、アイスランド同様「婚外子」が非常に多いのです。
逆の言い方をすれば、婚外子比率が同率で最低の日本と韓国は、「女性の社会進出」「男女平等」が先進国の中ではまだまだなのかもしれません。
つまり、日本や韓国のように女性の社会進出が遅れており、男女格差が大きい社会では、婚外子が非常に少ないのです。
考えてみれば理にかなっていることでもあるのですが、女性はモテる男性と関係を持ちたいのであり、モテる男性はごく一部です。
女性が時代遅れの社会規範から開放され経済的に自立すれば、一部のモテる男性と恋愛をし、そして、好きなときに子供を生むようになるのでしょう。
ただ、その裏側では、モテない男性は生涯誰とも交わることなく自分の子供を作れないのです。
例えばノルウエーでは、生涯未婚で一人の子を持つこともなく死んでいく男性の比率は年々増加していっています。
前置きが長くなってしまいましたが、
では、「男尊女卑」の激しいイスラム教国家ではどうなのでしょうか?詳しくみていきましょう。
日本に住んでいると「イスラム教」はあまり身近な存在ではありませんが、ヨーロッパなどを旅行すると、ケバブ屋などのレストランは大抵トルコなどから移民してきたイスラム教徒(ムスリム)が経営しています。
そして、今後、人口が急速に増え、世界経済を牽引していくと言われている南アジア諸国や北アフリカの国々はイスラム教の国です。経済的に非常に豊かな中東の産油国も全てイスラム教の国です。
現時点では、世界人口の約28%がムスリムですが、いずれ、世界の3人に1人以上がイスラム教を信仰する時代となるでしょう。
ちなみに、
多くのムスリムは温和で平和を愛する人たちであり、テロリスト集団である「イスラム国」とはまったく関係ありません。
欧米諸国では、すでに多くのムスリムが社会に溶け込んでおり、彼らの人口はすごい勢いで増え続けています。
逆に、先進国のキリスト教徒の人口は減り続けています。アジアの先進国である日本やシンガポール、香港などでは出生率が非常に低く、人口は減少の一途をたどっています。
ムスリムとはとても対照的ですね。
というわけで、
冒頭で述べたように、「男女平等」が進んでいる北欧諸国では現在、「一夫多妻制」的な状況 (婚外子の増加) になってきています。
一方で、人口が増え続けている「男尊女卑」のイスラム教国家にはもともと「一夫多妻制」という価値観が存在しています。
彼らの考えは、西洋諸国の価値観とは相容れない部分があり、それはイスラム教の経典であるコーランにも記述されています。
“汝が孤児に対し、公平にしてやれるならば、よいと思う2人、3人ないし4人の女を娶れ。だが公平にしてやれそうにもないならば、只1人だけ娶るか、汝の右手が所有する者(奴隷の女)で我慢せよ。”
(コーラン 第4章3節)
イスラム教の国では女性の不貞行為は重罪です。しかし、力のある男性は4人までの妻を持つことが許されているのです。
これは著しく男女不平等であり男尊女卑の考え方に思われますが、イスラム教の国では、男性は、妻の生活を生涯にわたってめんどうを見ないといけないともされているわけです。
それに、4人の妻たちは必ず公平に扱われないといけません。それができないのであれば、1人だけを娶れ、と教えているのです。
考えてみると、昭和の日本にも同じような価値観があったようです。「富める者が、戦争孤児の女を娶って救済してあげなさい」といった考え方です。
いずれにせよ、女性は(力のある)男性に尽くし、子を生み、育てるという役割が、良くも悪くも社会の中で決まっているのかもしれません。
繰り返しになりますが、西側先進国では「男女平等」は絶対的に正しい価値観です。女性も男性と同じように働くことができなければいけません。
女性が男性に「尽くす」という考え方は、根本的に否定されるべきであり、性差別は決して許してはならないのです。
しかし、原因は定かではありませんが、一般的に (北欧諸国を除いて) こうした男女平等の社会では、出生率が著しく下がり人口を維持できなくなってきているのです。
キリスト教先進国で出生率を押し上げているのは、移民してきたムスリムたちなのです。
こうした問題の解決策として、フランスや北欧諸国の政策がとても参考になります。これらの国では大臣の半数が女性であり、政治でも女性が強い力を持っています。
子供ができたら、十分な補助金が政府から付与されるので、3人も子供を産めば女性はそれだけで十分に生活できるのです。
こうした環境では、女性は生活のために好きでもない男とセックスする必要もなく、真の意味で、男女平等が実現しているのです。
シングルマザーとして、父親の違う子供たちを育てているのはごくごく普通のことであり、社会も自然にそれを受け入れているのです。
イスラム教国家も、ある意味では女性を尊重している社会と言えるのかもしれません。
こちらは、政府ではなく、金持ちの男性が女性を養うことになります。そして、一夫多妻というのは別の見方をすると、魅力のある金持ちの男性を多くの女性でシェアしている、と見ることも可能なのです。
こうした考え方に立てば、ちょっと不倫したぐらいの女性タレントを寄ってたかってバッシングする、偏屈な価値観に凝り固まっている日本という国こそ、はるかに女性蔑視で、男尊女卑と言えるのではないでしょうか。
これでは少子化が進むのも無理ありませんね。