人生不思議なもので、「好き」を大事に生きていると、それ寄りの素敵な人生が待っていたりします。たとえば、「海外が好き」「海が好き」「英語が話せるようになりたい」・・・そんな思いを抱いていると、なぜかフィリピンで暮らすことになるかもしれません。
なぜならフィリピンは「居心地がよく」「アジアなのに英語が普通に通じる国」ですからね。自分で道を狭める必要はありません。というわけで今回は、フィリピン移住を考えてみましょう。
「海外移住」を決断する際にはまず、「候補地」「譲れない条件」「メリット・デメリット」などを比較検討しなくてはなりません。「フィリピン」が頭に浮かんでいるあなたは以下のこともチェックしておいた方がいいでしょう。
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① 安全性
フィリピンには「ちょっと危険」なイメージがありますが、それは欧米も同じです。どこに行っても治安の悪い地区はあります。そこに行かなければいいだけです。たとえば首都のマニラなら、安全性が高いのはマカティやオルティガス。逆に治安が悪いのはマラテやトンド、クバオといった地域です。日本人が被害に巻き込まれるのは風俗街だったり個人的に恨みを買ってのケースが多いので、普通に暮らしていれば問題ないでしょう。
② 気候
たとえばカナダのトロントは多人種が仲良く暮らしている、食べ物が美味しい素敵な都市です。しかしながら筆者は寒さが大の苦手。。。冬の寒さが我慢できず移住を断念しました。そう考えると、気候に関しては一年中温暖な熱帯地方が最適なのです。あまり知られていませんが、日本の夏の方がフィリピンよりも暑い…と言えるでしょう。
③ 物価
物価は安い方が安心です。欧米は日本並みかそれ以上に高いのが普通です。日本の年金だけで食べていくのは難しく、移住をしても将来に不安が残るでしょう。であればやはり、アジアの物価の安さは魅力です。
④ VISAの取得しやすさ
VISAには、「年限が決まっているもの」もあればほぼ「永住権に近いもの」もあります。また、収入条件のハードルが高い国もあれば低い国もあります。当然、「永住権に近く」「収入条件の低い国」が良いに決まっています。その点アジアはまだ資金面のハードルが低いと言えるでしょう。VISAの条件はいつ変更されるかわからないので、行くと決めたら早めの手続きをオススメします。
⑤ 医療
海外では、健康保険が自己責任だったり医療費が異常に高額だったりします。この点に関しては、日本に勝る地域はないのかもしれません。移住者が加入できる手頃な健康保険があるかなど、詳細はご自身でじっくりとご確認ください。
⑥ 日本からの距離
海外に住めば日本と完全に縁が切れる…というわけではありません。そこで、何かがあった時のために片道10時間以上かかる欧米よりも4時間のフィリピンの方が安心です。「日本に帰国しやすい」のも移住先の大きな条件の一つになります。
欧米は、「物価が高い」「医療費が高額」「高額な資産や年収の証明が必要」なので、セミリタイアの移住先としてはイマイチです。オーストラリアやニュージーランドといったオセアニアも「資産条件」が厳しく、富裕層でないと移住向きではありません。そうなるとやはりアジアが一番移住しやすいのです。
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フィリピンは、都市部であれば必要なものは一通り揃っていますし、医療レベルも悪くありません。「安全性」「衛生面」「利便性」でまだまだ劣ると思っているかもしれませんが、それは住む場所次第です。マニラなら、マカティやオルティガスに住んでいればそう大きなトラブルに巻き込まれることはありません。物価も日本と比べるとまだまだリーズナブルです。インフラが整っていないためいつも渋滞していますが、都心に住めば歩ける範囲で十分に用が足せます。
というわけで、フィリピンの魅力を簡単にまとめてますと「英語が公用語」「生活費が安い」「日本人に好意的」「退職者 (リタイアメント) VISAの条件が低い」といったところでしょうか。
ビザには「学生用」「商用」「結婚」「クォーター」などいろいろありますが、移住者WELCOMEのフィリピンの「退職者」ビザは世界最強かもしれません。ちなみにフィリピンの「退職者」ビザは、SRRV (SPECIAL・RESIDENT・ RETIREE’S ・VISA)といいます。
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【取得条件】
🔵 35歳以上
🔴 預託金を預ける
🔵 年会費を支払う
🔴 犯罪歴がない
確かに、退職庁のSRRVを取ろうとすると発行までの1カ月はフィリピンに滞在しなければなりません。しかし、その後の預託金の利便性や社会生活における汎用性を考えると、この点については我慢あるのみです。
SRRV (フィリピンの退職者ビザ) にはいくつかの特典があります。
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① 滞在期間に制限がない
このビザを取得したら、フィリピンに居続けなくてもいいんです。年間何日以上の居住実績が必要…ということはないので、たとえば他国で数年間暮らしていてもビザは有効です。
② 「外国人登録証明書」が要らない
ビザを所有していれば、改めて移民局に登録して「外国人登録証明書」(Alien Certificate Registration Identity Card)を取る必要はありません。
③ 所得税の免除
「年金」は非課税扱いです (フィリピンで収入を得た場合は別途申告が必要)。
SRRV (フィリピンの退職者ビザ)を取得するためにはPRA (フィリピン退職庁) を利用するのが基本ですが、日本人のために日本語対応可能な仲介会社もいくつかあります。いずれにせよ、基本的に以下のものが必要になってきます。
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1.有効なパスポート
2.健康診断書
3.無犯罪証明書
4.指定用紙に記入した申請書
5.2万米ドルの銀行口座入金証明
ちなみに、外国人がフィリピンで銀行口座を開くには、外国人登録カードや在留証明書の提示が必要です。最近のフィリピンはマネーロンダリング対策が厳しく、観光客は口座を開設できません。日本にもBDOやPNBといったフィリピン大手銀行の支店がありますが、HPを見る限り、そこで指定口座を開くのは難しそうです。
日本で必要な書類をまとめたら、次はいよいよフィリピンに行って手続き開始です。
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まずはじめに、何事もスムーズに進まないフィリピンではSRRV (リタイアメントビザ) 取得のために1ヶ月ほどかかります (ここで、フィリピンのビザなしステイは30日ということを覚えておきましょう)。つまり、オーバーステイすることにもなりかねないので手続きが滞っていないか確認が必要になってきます。ちなみにフィリピン退職庁 (PRA) はマカティにあります。
PRAに必要書類を提出に行く際には、タクシー運転手に「To Citibank Tower, Makati」と言ってください。順調にいけば審査・発行に2週間ほどかかるのですが、必ずしも予定通り行くとは限らないことを覚悟しておいてください。PRA内でたらい回しになってしまうことも。。。なぜか移民局まで行かされ、そちらで直談判させられてしまう可能性すらあります。
フィリピンでは (日本と違って) 様々な想定外のトラブルが発生しがちなので、何事も返事待ちではなくこちらから積極的にプッシュしていきましょう。交渉事はできるだけ責任者と直接行うよう心がけた方が良さそうです。
フィリピン移住のためのリタイアメントビザを取得することができたら、次は非居住者になるための手続きが必要になってきます。
基本的なことですが、あなたの国籍は日本人です。それを踏まえた上で、日本国内に一年以上居住する人は「居住者」、それ以外の人は「非居住者」となります。実際は海外に住んでいるけど「居住者」のままにしている方も結構いらっしゃいます。「居住者」であれば、今まで通り日本に所得税を納めなければなりませんし、「国民年金」「健康保険料」の支払いも続けることになります。
ただし、海外にいても日本の健康保険は適用されますので、現地で病院のお世話になった際には後ほど国保から医療費が補填されます。海外では日本ほど国民健康保険が充実していないので、医療費のため「居住者」を選択し続ける人もいます。一方、「非居住者」になると日本で所得がない限り税金を払う必要はありません (富裕層のシンガポール移住が話題になりましたが、この「所得税」軽減が目的でした)。また、「非居住者」になると日本の証券口座で株式売買ができなくなったりマイナンバーが失効したりすることなども覚えておきましょう。口座開設を認めない銀行もあります。
さらに、日本に大きな資産を残している場合は注意が必要です。いざ日本から移動させようとしても、振り込みを拒否される場合があります。以上のことからまとめますと、フィリピンのような物価の安い国に移るのであれば、医療保険の不安はありますが、高額の「税金」「年金」の支払いを避けて「非居住者」になった方が得ではないでしょうか。この手続きは、現在住んでいる市町村の住民登録窓口で行うことができます (出国の2週間前から手続き可能)。
次に、銀行・クレジットカード・各種保険の連絡先変更なども必要ですが、日本での銀行口座維持のためには国内の連絡先が必要になります。実家など、連絡の取れる住所を登録し直してください。