ラオスの首都ビエンチャンではタイ語が普通に通じます。これは、ビエンチャンがタイに近いからということもありますが、ラオス独自のエンターテイメントが少なく、「映画」「テレビ」「音楽」などの多くをタイに依存しているからなんです。
流通通貨もそうで、ラオスではタイのバーツが普通に使えます。ただし、タイ・バーツのみで支払いをすると割増になることもあるので、2日以上滞在するのであれば、現地通貨のラオス・キープへ両替しておいた方がいいでしょう。
料金の交渉は「バーツ」と「キープ」で
2018年秋現在、タイ・バーツ (B) とラオス・キープ (K) のレートは1バーツ = 260キープくらいです。
◉ 100B = 26,000K = 340円
◉ 200B = 52,000K = 680円
◉ 300B = 78,000K = 1,020円
例えば、ラオスの町中でトゥクトゥクに乗ろうとする際「200バーツ!」と言われたとしましょう。このような時に「40,000キープで」などと言えば、相手が勘違いして値下げに応じてくれる場合もあるようです。
2つの通貨が流通しているからこそ可能な交渉術と言えるでしょう。
ビエンチャンの物価
ビエンチャンは、タイのバンコクはもちろんタイの地方都市よりも開発が進んでいない場所です。首都であるにも関わらず、5階以上の建物ですらほとんど見られません。地下鉄などのインフラも整っていません。
そんな状況ですから物価は非常に安いのです。ラオスの平均年収はタイの8分の1 (平均月収 5,000円ほど)。つまり、アジアの最貧国の一つなのです。それでも、外国人が観光するとタイよりも高く感じることが少なくありません。
特に「交通費」と「ホテル代」にお得感はありません。
《 交通費 》
例えばトゥクトゥクに乗ろうとすると、少しの距離の移動でも当たり前のように40,000キープ(約520円)を請求されます。バンコクのタクシーでさえも、それなりの距離を100バーツ(約340円)で行ってくれる ことを考えれば、なんと高いことか…
(バンコクのトゥクトゥクよりボロいにも関わらず)
料金は交渉次第なので、まずは高くふっかけてくるのが普通と肝に銘じておきましょう。「100バーツで行ければ安いもの」くらいに考えておきましょう。
移動が多い方はバイクや自転車をレンタルしましょう。ちなみに筆者が借りたレンタル自転車は1日30,000キープ (400円弱) でした。パスポートを預ける必要があります。
《 ホテル代 》
ビエンチャンでは、外国人向けのホテルやゲストハウスが軒並み高くなってきています。繁華街から少し離れ、お湯の出ないシャワーだったりエアコンが完備されていない部屋であれば1泊800円以下のものもありますが、中高級ホテルに関しては、他のアジア諸国と比較して、コストパフォーマンスの悪さを感じてしまいます。
《 レストラン 》
食費に関しては、バンコクなどの観光地と比べれば若干安く感じるかもしれません。タイでは、外国人向けレストランと地元タイ人向けレストランが別れていたりしますが、ビエンチャンではオシャレなレストランでも現地の人が普通に来ています。
経済の停滞感が否めないラオス
ビエンチャンは、外国人観光客の多い街の中心部であっても空のテナントが多い印象があります。その背景には、「通貨安」「物価安」など経済の停滞感があるのでしょう。
観光業が不況なのか、経済全体が不況なのかはわかりませんが、日本人にとってはお得感のある旅行先の一つと言えるでしょう。
ビエンチャンの人々はタイ人同様外国人に対して非常にオープンで、親日家も多いようです。そんなラオスには、タイ同様「観光強国」になってもらいたいものです。
おわりに
穏やかなラオス人の気質のせいもあってか、月収5,000円ほどの貧しい国であるにも関わらず、犯罪はそれほど多くないようです。
そんなラオスでは、室内での喫煙が禁止されています (見つかると罰金を取られることも)。ラオスはタバコの喫煙率が高く、大麻も入手しやすくなっています。この点注意しておきましょう。
旅行のウキウキ気分で羽目を外してしまうととんでもないしっぺ返しが待っているかもしれません。油断なく安全に、アジアの旅をお楽しみください。