中国からの「北朝鮮観光ツアー」に参加した場合、定番の観光スポット以外にも「ボーリング場」や「遊園地」「地下鉄」などに連れていかれることでしょう。
そこで今回は、私が実際に体験した北朝鮮の「地下鉄」事情についてまとめてみました。何かの参考になれば幸いです。
世界一深い?地下鉄
「続いては地下鉄に乗りまーす!」
ガイドさんのこんな声を聞いて、ツアー参加者たちはちょっぴりテンションが上がります。なぜなら、「北朝鮮」ゴリ押しのプロパガンダ責めに飽き飽きしていたから。。。
平壌の地下鉄は、南北に縦断する『チョンリマ線』と東西に横断する『ヒョクシン線』の2路線があります。運賃は全線均一で5北朝鮮ウォン (KPW)。
北朝鮮で旅行者が「両替」することはありませんし、闇レートなるものもあると言われていますので実際の為替レートはよくわかりませんが、当時、1円 = 1KPWでした (大暴落でゴミくず同然になることも…)。つまり、切符代は5円ほどです。安い!
改札を通り抜け、世界一深いとされる地下鉄に乗る前にはエスカレーターに2〜3分乗る必要があります (エスカレーターのスピードは速いにも関わらず)。なぜなら、乗り場は地下100m以上の深さにあるからです。
平壌の地下鉄は核シェルターとしての役割もあるはずなので、わざとこういう造りになっているんでしょう。ちなみに、地下鉄のシステムはおそらくロシア製です (車両は、元々東ドイツで使われていたものと言われています)。
旧式 (手動) の電車
まずはじめに、ドアは手動で開けましょう!「黄色い線の内側までお下がりくださ~い!」というアナウンスはありませんが、あまり前に出ると駅員さんに注意されます。
ドアは、閉まる時だけ自動です。木目調の車内は、昭和のようなレトロ感を見事に演出しています。さらに金日成と金正日の写真が飾られているため、北朝鮮感も満載です。
とある駅で途中下車すると、駅のホームにも金日成の像 & 謎のスローガンが…
スローガンはおそらく「北朝鮮万歳!」的なことが書かれているのでしょう。地下鉄の中も外も、ガッツリと北朝鮮の政治思想がアピールされまくっています。
栄光駅のホームは豪華?
豪華かどうかはわかりませんが、ホームにはシャンデリアがあります。電車は10分間隔、ラッシュ時は5分間隔で電車が来ます。車内もホームもそうですが、全体的に薄暗さが感じられます。
まとめ
ソビエト連邦から技術援助を受け、規格や施設などは東欧各地に建設された地下鉄とほぼ同じ…とされている北朝鮮の地下鉄は、1960年代に建設が始まり1970年代に開通しました。
なんと!韓国よりも早いんです!
北朝鮮を訪れる外国人観光客であれば必ず訪れることになる「平壌の地下鉄」ですが、停電のため運行には不安定さも・・・
走っていた電車が急に止まり、乗客は電気が復旧するまで暗黒の中で足止めされてしまうこともあるようです。
今後、北朝鮮の情勢がどうなるのかはわかりませんが、北朝鮮の国民が餓死したりすることなく、平和に暮らしていける日が訪れることを心から願っております。