アラビア半島の南東部に位置するオマーンは近年、「中東のリゾート地」 として注目を集めています。面積は日本の4分の3ほどでその大半は砂漠地帯なのですが、南部には (降水量が多いため) 大自然やオアシスが広がっています。また北部沿岸にある首都マスカットはとても歴史のある街で、「古き良きアラブの雰囲気を楽しむことができる」と観光客から大人気!
そんなオマーンでは、「ハイキング」「山登り」「キャニオニング」「ケイビング」「ウミガメ鑑賞ツアー」といったアクティビティが充実しています。旅行先として (日本人にはまだ) 認知度の低いオマーンですが、オアシスや砂漠など期待以上に素晴らしい中東の風景 が広がっている国の一つです。今回は、そんなオマーンの人気観光スポットを紹介したいと思います。
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🔴 移動には車が必須
公共交通機関は (首都マスカット以外) あまり発達していません。観光スポットは離れた場所にあるし、やっぱり「車」が必要です。レンタカーを借りるかツアーに参加するか。そういった事情を踏まえて、時間に余裕を持った行動を心がけましょう。
🔴 大いに自然を楽しもう
オマーンの魅力は何と言っても、他では見られないダイナミックな自然にあります。ウミガメやイルカウォッチング、トレッキングなどが人気です。
🔴 周遊の旅がおすすめ
オマーンの観光スポットはあちらこちらに点在しています。それぞれの都市は半日か数時間ほどで見て回れる大きさなのですが、都市間の移動に2〜3時間かかることを念頭に行動しましょう。
Ain A’Thowarah 《続きを読む》 「アイン・アットワラ (Ain Al Thowarah)」はナハル村から2Kmほどの外れに位置する温水の泉です。川の中にはドクターフィッシュがいたり小さなプールがあったりと、地元の家族連れのみならず観光客がのんびりと過ごしています。ナハル城塞から歩ける距離なので、暑くない時期には自然を楽しみながら散策しながら訪れてみてはいかがでしょうか。
オマーンには他にもいくつか温泉地があります。「足湯だけでも体験したい」という方は現地の人に尋ねてみてください。
《続きを読む》 これはオマーンに4つある世界遺産の一つです。ちなみに「アフラージュ」(アフラジ) は古典アラビア語で「灌漑システム」を意味します。高低差をつけながら、井戸の底部を横穴でつないで遠くまで水を供給していました。少ない水を各地に公平に分配するために、日時計で水を流す時間を管理し、各水路に供給する水量をコントロールしていたそうです。そう!これは人々の生活を何十世紀にもわたって支えてきた水の供給システム群なのです。
The Al Alam Palace 《続きを読む》 「アラム・パレス」は官公庁街の閑静なオールド・マスカット地区の中心にある、定番の観光地として有名な宮殿です。中に入ることはできませんが、宮殿前の広場では自然豊かな風景を楽しむことができます。徒歩数分のところに国立博物館もあります。
《続きを読む》 オマーンの穴場スポットとも言えるのがこのアル・ハムラ村です。泥造りの昔の家々が並ぶ廃村の中に「ベイト・アル・サファ」博物館があり、伝統的なパンやアクセサリーを作っている様子を見学することができます。ちなみにここでは、世界遺産に登録された「灌漑システム」が今も現役で使われています。一昔前のオマーンに触れることのできる、貴重なスポットと言えるでしょう。
Al Hoota Cave 《続きを読む》 ハジャル山地にある鍾乳洞です。近郊には標高3,000m超の「アラブのグランドキャニオン」と呼ばれるジュベル・アフダル山や、かつて建造された砦などがあるバハラァの街などがあります。
Old Town of Muscat 《続きを読む》 首都マスカットの中心部から離れた場所にあります。閑静で落ち着いたこの地区には、官公庁の政府施設をはじめ、「博物館」「美術館」「アラム・パレス」など様々な観光スポットが点在しています。お香やかわいらしい置物などのお店もあるのでお土産探しにおすすめです。コンパクトな造りなので、徒歩での街散策が楽しめます。
Oman Fjords, Khasab 《続きを読む》 「アラビアのノルウェー」とも言われるオマーンの飛び地、ハサブ (北端)。ドバイから車で4時間ほどの場所 (ムサンダム地方・飛び地) にあり、人気の観光地になっています。ここから伝統的なダウ船に乗って行くツアーは、シュノーケリングやダイビングができたり複雑な海岸線を眺めたりととってもおすすめ。荒涼とした山岳風景で、日本にはない景色を楽しむことができます。
National Museum of Oman 《続きを読む》 オールド・マスカット地区の王宮アラム・パレスの正面に位置する博物館です。比較的新しい博物館で、オマーンスイーツを無料で試食できるコーナーもあります。入館時間は時期によって異なるので事前にチェックしておいてくださいね。
Jabrin Castle 《続きを読む》 オマーンの城塞は日干しレンガや泥を使ったものが多く内装は簡素なのですが、このジャブリン城 は(17世紀建立の) 宮殿なので、(シンプルな外観からは想像がつかない) 天井や梁に見応えのある装飾が施されています。屋上からは周辺の自然が見渡せるのでおすすめです。
Al Jalali Fort 《続きを読む》 ここはオールド・マスカット地区の王宮アラム・パレス東側にある、1558年に建てられ長い間牢獄として使われていた砦です。内部見学はできませんが、万里の長城のような雰囲気でとても美しく造られています。遠方見学と撮影のみが可能な観光スポットです。ちなみにオマーンには様々な様式のフォートやキャッスルが存在しており、100箇所以上のフォートが残されています。
The Sultan Qaboos Grand Mosque 《続きを読む》 首都マスカットでイチオシの観光スポットがここです。カブース国王が就任30年を祝って国民のために作ったモスクで、6年の歳月をかけ2001年に完成しました。近代建築と伝統的なイスラム様式の要素が取り入れられた美しい外観のモスクはぜひ観光してみたいものですね。礼拝堂にはスワロフスキー製クリスタルの巨大なシャンデリアが吊るされており、600名もの女性が4年をかけて織ったペルシャ絨毯が敷かれています。また、大理石がふんだんに使われ、ドームには美しい装飾がなされるなど、オマーン観光の際にはぜひ一度訪れてみたいモスクです。
通常であれば異教徒がモスクに入ることはできませんが、このモスクは金曜日を除く8〜11時の間、観光客に開放されています。敷地内にある噴水や庭園なども素敵です。ちなみに女性は長袖長ズボンもしくは長スカート、その上スカーフなどで髪を隠すことが義務付けられています。男性も (旅行者であっても) 長袖長ズボンが基本です。モスクを観光する際は、イスラム建築について少しでも予備知識を入れてから訪問すると感激もひとしおだと思います。
Port Sultan Qaboos 《続きを読む》 ここはマスカット地区にある「景勝地」として有名な場所です。空港からクルーズ・ターミナルまでは15Kmほど距離があるので車での移動がおすすめです。モスクやショッピングモールがあったり、刺繍やビーズが素敵なアラブ服のお店が並んでいたり、地元民が利用する魚市場があったりと、何かと散歩が楽しい場所です。
Niwa Fort 《続きを読む》 1650年代に建てられたニズワ・フォート (城塞) は、オマーンでもっとも多くの観光客が訪れる城塞の一つです。フォート内では音楽 & ダンスショーなどのパフォーマンスを楽しむことができます。また、屋上からはニズワの街が一望できます (マスカットからの日帰り可)。ちなみに金曜日の早朝には、ニズワ・スーク(市場) 名物「ヤギの競り」が開かれています。ひと昔前にタイムトリップしたかのような異国情緒溢れる雰囲気を味わってみませんか。
《続きを読む》 かつて栄華を誇った幻の「乳香の土地」も世界遺産の一つです (乳香は樹木から採れる樹液を固化させたもので、焚くとかぐわしい香りを発し、紀元前から高価なものとして貴重な交易品になっていました)。ちなみにこの「乳香の土地」はサラーラ (オマーン南部の街) のアルバリード遺跡、ホールルーリのサムルラム遺跡など複数の遺跡で構成されています。
アルバリードは紀元前13世紀にまで遡る古い港町で、紀元後12世紀まで栄えていたため中世のモスク跡なども発掘されています。ホールルーリは紀元前1世紀に建設された港で、乳香が送り出されていた港です。古代エジプトでも使われていた「乳香」、古代の人々が「神の香り」と呼んだ香りをぜひ感じ取ってみてください。
★ バット、アル・フトゥム、アル・アインの古代遺跡群
Archaeological Sites of Bat, Al-Khutm and Al-Ayn 《続きを読む》 「バット、アル フトゥム、アル アインの古代遺跡群」はオマーンに4つある世界遺産の一つです。その名の通り、3つの遺跡が一括りとなって世界遺産に登録されています。一言でいうと青銅器時代 (紀元前2500年前後) の集落や墓地の遺跡です。ニズワの町から車で日帰り観光できる距離ですが、首都マスカットからは片道4時間ほどかかります。
大きいものでは高さ10m、直径20mの塔が発掘されましたが、何を目的に建てられたかは未だ不明で「謎多き遺跡」として多くの観光客が足を運んでいます。丘の上にあるため、気温が低い時期に行くのがおすすめです。「バットの遺跡」では平野部に約150の建物、丘の上に約1,000のお墓があって圧巻です。ただし、いずれも古い時代のものなので、観光地としてはちょっと地味に感じられるかもしれませんね。
Bahla Fort 《続きを読む》 バハラ城塞はニズワから車で30分のところにある、14世紀頃に建造された城塞です。1987年までは放置状態で危機遺産リストに載っていましたが、その後修復・整備が進められました。隣には14世紀の彫刻が残るミフラーブ (カーバ神殿の方向を表す窪み) のあるモスクも残っており同時に観光できます。近くのイズキ、ニズワ、ルスタクにも城塞があり、それらを拠点として外敵の侵入を防いでいました。時代によって様々な用途で使われてきた城塞の中は、まるで迷路のように通路や部屋が入り組んでいます。
Bimmah Sinkhole 《続きを読む》 マスカット地方からスールへ行く途中のハウィヤット・ナジム公園内にあるシンクホールです。まるで隕石が落下したかのように地面にぽっかりと穴が開いています。この神秘のプールでは、実際に泳ぐこともできます。大自然の美しさを楽しみに訪れてみてはいかがでしょうか?
Bait Al Zubair 《続きを読む》 「ベイト・アル・ズベール 」はオールド・マスカットにある、伝統的工芸品が展示されている博物館です。中庭にはオマーンのミニチュア模型があったり、小さな小川が流れていたりと、充実した造りになっています。併設のショップではオマーンらしい「石鹸」「香水」「絵葉書」などを購入することができます。
Muttrah 《続きを読む》 「マトラ」はオールド・マスカット地区とルイ地区の真ん中に位置する地区で、カブース港に面した海岸沿いから見る街中はとても雰囲気があります。ここには多種多様のお土産物を購入することができるマトラ・スーク (市場) やヨーロッパの古城的雰囲気を楽しむことができるマトラ城塞などがあります。
《続きを読む》 「ミスファット・アル・アブリーン」は、ニズワから車で1時間弱のところにある小さくも美しい村です。世界遺産にもなっている灌漑用水のおかげで果樹栽培がなされており、砂漠の中の豊かな緑を楽しみながら散策したい方にはうってつけの村です。観光に来る旅行者も多いようです。「オマーンでもっとも美しい村」と称され、渓谷や高台からは素晴らしい景色が広がっていますが、ホテル以外はレストランやカフェなどがないので、観光にはそれなりの準備をして出かける必要があります。
Rub Al-Khali Desert 《続きを読む》 世界最大級といわれるアラビア半島の3分の1を占める大砂漠です。そんな砂漠に1泊してサンセット & サンライズを眺めるツアーが大人気!夕日で真っ赤に染まる砂丘や満点の星空が魅力的!サラーラに行った際には是非訪れてみてくださいね。
Wadi Shab 《続きを読む》 「オマーンのグランドキャニオン」と言えばここ!スールから40kmほど北上したところのティウィ村にある渓谷です。巨大な岩山に囲まれ、その下をエメラルド色の小川が流れており、人気の観光スポットとなっています。ここには「グランドキャニオン」を眺めながらハイキングができる「バルコニー・ウォーク」というコースがあります。ちなみに「ワディ」とは「流水でできた谷間」という意味です。
「ジュベル・シャムス」 (標高約3,000m) を目指すなら、麓のロッジに泊まる必要があります (山頂まで片道6時間ほど)。頂上からの景色は圧巻の壮大さです。「ジュベル・シャムス」へは4WDでないとアクセスできませんが、途中には石造りの村ミスファがあり、立ち寄ることも可能です。昔ながらの雰囲気を残した趣のある村です。
Wadi Bani Khalid 《続きを読む》 「ワディ・バニ・ハリッド」は首都マスカットから車で3〜4時間のところにあるオアシスで、ワヒバ砂漠に向かう途中にあります。ここでは渓谷を探検したり、洞窟に行ったり、川で泳いだりと存分に楽しめます。絶景を楽しみながらオアシスで泳ぐというまたとない体験は、オマーン旅行の忘れられない思い出になるはずです。
Wahiba Sands 《続きを読む》 首都マスカットから車で3時間半、スールから1時間半ほどの場所にあるワヒバ砂漠はオマーン観光のハイライトと言える場所です。砂漠の中にはホテルがあり、「昇る朝日」「沈む夕日」、そして「満点の星空」を眺めることができます。果てしなく続く砂漠の真ん中で、時速100kmものスピードで走るドライブも最高です。ここにはベドウィン族が実際に生活しており、彼らの暮らしぶりを知ることもできます。