東南アジアで最も入国制限が厳しいベトナム【新型コロナウイルス対策】



中国発の「新型コロナウイルス」は、熱帯気候の東南アジアでも大注目されています。事実、シンガポール・マレーシア・フィリピン・インドネシア・タイ・カンボジアなどでも感染が蔓延し始めています (2020年3月)。

タイでも、街中にはマスクをした人たちが急増しています。日本以上に中国と密な関係にあるタイでは、「新型コロナウィルス」の爆発的感染拡大が懸念されているのです。では、ベトナムはどうなのでしょうか?

 

ベトナムのウイルス対策 (当初)

新型コロナウイルスの影響で、ベトナムへの渡航者も減少しています。2020年1月の外国人入国者数は約200万人でしたが、2月になると124万人ほどに減少し、3月はさらに激減してきています。というのも、ベトナムは東南アジアで一番と言っていいくらいに「入国制限」を厳しくしているからです。

「中国からの航空機乗り入れ禁止」「韓国にビザ免除措置を一時停止」といった措置から、今では「欧州27か国からの入国禁止」「アメリカからの渡航入国規制」なども行っています。これは、「2月中旬までは新たな感染者が0だったのに、3月上旬になって、イギリスからの便で集団感染が発生してしまい、ベトナム国内での感染者が急増してしまったからです。水際対策って本当に難しいものですね。

 

 

3月18日からは外国人に対するビザ発給を1ヶ月間停止に

3月18日からは外国人に対するビザ発給を1か月間停止する措置をとっています。それは日本人も同じです。公務以外で入国する場合には、新型コロナウイルスに感染していないことを示す証明書が必要となります。ただ、実質的にこのような書類は存在しないので、しばらくの間はベトナム渡航は無理となるでしょう。

 

 

営業停止のお店が目立つ

ベトナムの首都ハノイでは、観光客の減少が続いています。そのため、商店や飲食店は自主的に、あるいは政府や行政機関・警察などの命令で休業しているところが増えてきています。このような現象はハノイだけではありません。南部の商業都市ホーチミンや中部の港湾都市ダナンでも同じです。レストラン、バー、映画館、エンターテインメント系の施設など多岐にわたっています。

日本人経営のお店にも影響が出てきています。客の激減のみならず、ある日突然「営業を停止するように」と通達が来るのです。Covid-19の影響を受けていない地域でさえ「営業停止」を喰らうことがあるようです。

 

 

現在の入国時の手続きは?

現在、外国人がベトナムに入国する際には「ベトナム政府が用意する健康関連の自己申告書の提出」が義務付けられています。便名・席番号・滞在先・自己診断での健康状態・過去14日以内の渡航先などを報告する必要があり、虚偽の申告が発覚した場合は厳しく罰せられます。

この申告書はオンラインと航空機内で配られる用紙の2通りがあります。オンライン申告を完了しないとチェックインすらできない航空機もありますので、オンラインでの手続きを優先させましょう。それを行っていても、さらに機内で配られる用紙に記入する必要があります。それを持って防疫担当官が待つ窓口に向かうことになります。そして、列に並んで検疫完了のスタンプが押されます (タイ発の便ならわずか5分、日本発の便なら2時間ほどかかります)。

新型コロナウイルス対策で「入国が非常に厳しい」イメージのあるベトナムですが、実際は案外簡単なものでした。むしろ入国者が少ない分、入国審査場は閑散としていてスムーズに入国することができました。それでも、ホテルに到着すると「過去14日間の行動をすべて書き出して」と言われ、最後にサインをさせられます。ホテルは公安に届ける義務があるのでしょう。

 

 

「外国人がウイルスを持ち込む」と考えられている

ベトナムに限らず、多くの国々では「外国人がCOVID-19をもたらす」と考えています。なので街を歩いていると、我々外国人を見る目が異常に冷たいのです。タクシーでは乗車拒否、レストランでは入店拒否も当たり前!そもそもベトナム政府は、中国人と韓国人の入国に対してかなり強硬な手段を採っていました。一般のベトナム人たちはそれに倣っているのかもしれませんが、日本人・韓国人・中国人を見分けるのは難しく、当然日本人も「あっち行け」となってしまうわけです。

この時期に、敢えて危険を冒してまで海外旅行をしようという方はいないと思いますが、しばらくの間はベトナム観光もやめておきましょう。感染の恐れもさることながら、全く楽しめません。それでも、仕事や家族が現地に暮らしているなどの理由でどうしても行く必要がある場合は、常に情勢だけは確認するようにしておいた方がいいでしょう。ベトナムは、東南アジアで最も厳しい防疫措置を採っています。一方で、経済的打撃は計り知れないものになるでしょう。中国・シンガポール・韓国などでは新型コロナウイルスの第2波が起こる可能性があるとも指摘されています。これからの世界の未来はどうなっていくのでしょうか?心配でなりません。