ヨルダンといえば、映画「インディ・ジョーンズ」の舞台になった超巨大な古代遺跡「ペトラ」(アドベンチャースポット) や「死海」(リゾート) が有名ですが、この国の魅力はそれだけではありません。
「観光がしやすく」「観光が楽しく」「英語が通じて」「物価が比較的安い」国なのです。そんな素敵な国ヨルダンで有意義な時間を過ごすためにも、情報収集だけはしっかりと行っておきましょうね。
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ヨルダンは立憲君主制をとる王国です。サウジアラビア・イラク・シリアと隣接し、イスラエル・パレスチナ暫定自治区とはヨルダン川と死海が国境となっています。
そんなヨルダンでは、イスラームの預言者ムハンマドの従弟アリーとムハンマドの娘ファーティマ夫婦に遡るハーシム家出身の国王によって世襲統治が執り行われています。国民の半数は、中東戦争でイスラエルに占有されたパレスチナから難民として流入した人々とその子孫とされています。
◉ 人口:約1,000万人
◉ 首都:アンマン
この地域にはおよそ50万年前の旧石器時代から人類が住んでおり、紀元前8,000年頃には人類最古級の農業が営まれていたと言われています。その後、紀元前1世紀頃には南部にペトラ遺跡を残したナバテア王国が発展しますが、紀元1〜2世紀頃にはローマ帝国に併合されてしまいます。
そして7世紀、イスラム帝国の支配下に入り、アラビア語とイスラム教が浸透していくのです。19世紀に入ると、当時この辺り一帯を支配していたオスマン帝国がロシアから逃亡してきたチェルケス人を住まわせるようになります。
◉ 公用語:アラビア語
◉ 通貨:ヨルダン・ディナール (JOD)
第一次世界大戦後の1919年にはイギリス委任統治領パレスチナに組み入れられ、1923年にはハーシム家の者が迎え入れられ、トランスヨルダン王国が成立します。このトランスヨルダン王国は第二次世界大戦後の1946年に独立し、国名をヨルダン・ハシミテ王国に改めます。
1950年にはエルサレムを含むヨルダン川西岸地区を領土に加えますが、1967年の第三次中東戦争でイスラエルに奪われてしまいます。1990年代以降は民主化に伴い、王室の近代化主義に反対する保守派やイスラム主義派が台頭し、国内は少し混乱しています。
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ヨルダンは中東の中では比較的観光しやい国とされており、イラク&シリアとの国境付近以外は安心して観光できます。宗教の自由も認められており、イスラム圏ながら旅行者に強いることもありません。とはいえ、ラマダンなどイスラムの祝日に当たる日には、「過度な肌の露出を避ける」「お祈りをするイスラム教徒の邪魔をしない」など、最低限のルールは守りましょう。
ヨルダン自体は、国内で大きな内戦や民族対立を経験したことがありません。しかしながら、治安の悪い近隣諸国の影響を受けやすい位置にあるため、テロの危険がくすぶっているということも忘れないでおきましょう。
物価は、日本と比べると安いのですが観光地のレストランなどは日本よりも高く設定されています。
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ヨルダンでは、飲食物から「赤痢アメーバ症」「感染性腸炎」「A型肝炎」に感染する可能性があります。「狂犬病汚染地域」にもなっていますので、気をつけておきましょう。
さらに、(アンマン市内では心配ありませんが) 地方ではサシチョウバエによって媒介される「リーシュマニア症」にも注意が必要です。地方へ出かける際には長袖・長ズボンを着用し、防虫対策を心がけるようにして下さい。
また、動物との接触から「ブルセラ症」という細菌感染症になったり、MERS (中東呼吸器症候群) になることも考えられます。ダイビング好きな方は「減圧症」(ダイビング中に急浮上したり、18時間以内に航空機に搭乗するなどがリスク) にもご注意を。
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ヨルダンは全土的に空前の建築ラッシュが続いており、特に主要都市では「高層住宅」「大型ホテル」「幹線道路」などが次々と造られています。街は欧米からの輸入品で溢れ返っており、各家庭は欧米並みに電化され、パレスチナ難民キャンプのバラックにもテレビアンテナが林立しています。若い女性の服装は流行の先端を競っているほどです。
そんなヨルダンはかつて遊牧民の地でした。表面上の西欧化とは裏腹に、伝統的な遊牧民の精神も根強く生き続けているのです。誇り高く礼節を重んじる伝統は、狭い地域社会の中に網の目のように張り巡らされている親族関係の中にも残されています。
イスラム教やキリスト教といった宗教の壁を超えた隣人互助の精神や厳格なまでの長幼の序がよく守られています。都市部ではキリスト教の宗教行事も盛んに行われており、他宗教を尊重し合う文化も育まれているようです。
子弟の教育には熱心で、欧米への留学も少なくありません。女性は都市の上流階級でも早婚傾向 (17~18歳) にありますが、結婚後大学へ通うことも多く、女子学生数は急増しています。
ヨルダンはイスラム教徒が多く、気温の変化が激しいところです。治安は比較的良いのですが、「タクシー乗車」「セクハラ」「感染症」「熱中症」など、気をつけなければならないことが多岐にわたります。
そのため、旅行前にはそれらの状況をきちんと把握し、対策をしていくことがとても重要になります。「死海」「ペトラ遺跡」「文化」「街並み」「人々」の素晴らしさを肌で存分に感じとるためにも、良い準備をして出掛けましょうね。