「世界の繁栄に貢献している国」ランキング



皆さんは、「世界」「地球」「人類」に対する世界各国の貢献度を示す「Good Country Index」(良い国指数) なるものをご存知でしょうか?これが示しているものはズバリ、「自国という枠を超えて、より良い世界を築くために貢献している国」です (イギリス人のSimonさんが考案した概念です)。

世の中には、「経済力がある」とか「強大である」とか「近代的である」といったことよりもずっと大事なものがあります。それは「世界・地球への貢献」です。では、この指数では何をもって「貢献している」と考えているのでしょうか?

 

それは大きく7つのカテゴリーに分けられています。「科学技術」「文化」「国際的平和・安全」「世界秩序」「気候」「繁栄と平等」「健康・福祉」・・・「Good Country Index」ではこの7分野で点数が付けられ、順位付けまでされています。

例えば、「世界秩序」には開発援助の金額や国連条約の批准・署名数などのデータが含まれています。いくらGDPが大きくても、いくら自国民の福利厚生が整っていても、点数には加算されていません。「世界への貢献度」だけが考慮されているのです。

もちろん、7カテゴリーの分け方やデータの選び方、計算の仕方などに疑問がないわけではありません。「(様々な分野に多額のお金を出しているし) 日本はもっと上位じゃないの?」といった批判はさておき、今後「日本がどう世界に貢献していくべきか」を真摯に考えるためにも、以下にランキングの結果を紹介したいと思います。

 

2016年 & 2017年の結果

 

《 2016年の結果 》

① スウェーデン ② デンマーク ③ オランダ ④ イギリス ⑤ スイス ⑥ ドイツ ⑦ フィンランド ⑧ フランス ⑨ オーストリア ⑩ カナダ

 

《 2017年の結果 》

① オランダ ② スイス ③ デンマーク ④ フィンランド ⑤ ドイツ ⑥ スウェーデン ⑦ アイルランド ⑧ イギリス ⑨ オーストリア ⑩ ノルウェー

 

国連が毎年発表している「世界幸福度ランキング」の常連国が上位を占めている印象がありますね。

そして以下に、2018年度のトップ5を紹介しておきましょう。

 

 

★ 5位:デンマーク

良い国ランキングの第5位は、高福祉国家として知られ、「国民の幸福度No1」とも言われている北欧のデンマークです。

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☆ 4位:ドイツ

欧州の大国ドイツは、「世界秩序への貢献」が高く評価され、第4位にランクインしています。「署名された国連条約の数」などで存在感を示しているようです。

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★ 3位:スウェーデン

スウェーデンは、「自由貿易」「海外への直接投資」「開発援助」「人権」などの貢献が高く評価されているようです。例えば他国で感染病の蔓延など健康危機が起こっている場合、頻繁に自国の医師を派遣しています。

 

 

☆ 2位:アイルランド

アイルランド人は話好きでしかも早口。一方で、のんびりしている国民性を有しています。頼んでおいたことをやっていない…なんてこともけっして珍しくはありません。そんなおおらかさが良い国の秘訣なのかもしれません。

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★ 1位:フィンランド

フィンランドは「森と湖の国」と言われるだけあって、「地球と気候への貢献」が好評価のようです。一例を挙げると、オゾン層破壊物質の消費量などが他国に比べてかなり少ない傾向にあります。

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まとめ

いかがでしたか?「良い国ランキング」の上位はすべて欧州組で占められています。例えばオランダなどは「文化」分野での貢献が高く評価されています。報道の自由度や独創的なサービスを生み出していることなどが注目されたようです。小国だけあって、柔軟性があるのでしょうね。

ちなみにアジア最上位はシンガポールの23位で、日本は24位となっています。日本が一番評価されているのは「国際的平和と安全」への貢献です。一方で、「科学技術」への貢献が低評価となっています。留学生の少なさなどがマイナス要因だったようです。

 

ただ正直、これらのデータには異常な偏りがあるのも事実です。例えば、上位にランクインしているような国であっても「有害な農薬を輸出」していたりと「環境意識」が低かったりします。

日本に関しても不思議な評価のされ方がいくつもあります。例えば、「世界秩序」の難民受け入れの項目は「ほとんど難民を受け入れていない」にも関わらず、「難民が発生していない」ためにあまり悪い方には解釈されていません。

 

「国」を評価するポイントは多岐にわたりますが、今回のランキングなどもその一つになり得るのではないでしょうか。中には、このランキングに怒った人が考案者に文句のメールを送りつけるなんて事態にもなっているようですが・・・

勘案する切り口が多岐にわたるので、南アフリカのようにある部門では良い成績を収めていても、他部門に足を引っ張られて総合順位が低い…という場合もあります。ただ私は、この調査結果は国のブランディングを行っていく上で大変参考になるデータだと思っています。国の良い点・悪い点は、自国民だと冷静に判断できません。

 

そこでこの指数を見てみると、「へぇ、自分たちはこの分野で世界の役に立っているんだなぁ」とか、「この部分も頑張っているんだけど、世界ではあまり評価されていないんだなぁ」などといったことに気づいたりできるわけです。

全ての部門で1位を狙おうとすると自国民を犠牲にしなければならない部分も出てきますので、どこをどう取捨選択していくかは国によって異なりますが、世界に対して「自国の美点」をアピールしていくためにも、まだまだ頑張らないといけませんね!